これから「世代間ギャップ」はますます広がる理由―中労災『安全と健康』・労働調査会『エルダー』8月号
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
中央労働災害防止協会発行の『安全と健康』と、高齢・障害・求職者雇用支援機構発行(労働調査会発売)の『エルダー』に連載しています。8月号が発行されました。
両誌とも、職場のコミュニケーション、特に世代間ギャップについて扱っています。もし、お手元にあればご覧ください。
「世代間ギャップ問題」は今に始まったことではなく、ビジネスシーンでは永遠のテーマなのではないかと思っています。特に近年は、時代が変化するスピードが速く、情報共有をはじめとして使うツールもどんどん変わっていますよね。
そのため、自分たちの世代から他の世代を見たときに、「自分たちとは何か違うなー」「自分たちのときはこうだったのになー」と感じることが少なくありません。若い世代を見たときもしかり、上の世代を見たときもまた、しかり。
『安全と健康』では主に若手社員に対する世代間ギャップを、『エルダー』ではシニア世代に対する世代間ギャップを扱っています。
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私の意見では、「世代間ギャップ」は今後はますます広がっていくのではないかとみています。なぜなら、これからは今まで以上に、多様な世代が一緒の職場で働くようになるからです。
その理由を一言で言えば「超少子高齢化社会」です。いま、日本の労働環境はかなり深刻です。人口減によって労働力人口がやばいペースで減っています。
人材不足で倒産する企業も増えています。帝国データバンクの『「人手不足倒産」の動向調査(2018年上半期)』によれば......
2018年上半期(1~6月)の「人手不足倒産」は70件発生し、負債総額は106億7700万円となった。件数は3年連続で前年同期を上回り、調査開始(2013年1月)以降、半期ベースで最多となり、年間合計で初めて100件を超えた2017年(106件)を上回る勢いとなった
としています。
そのため政府の働き方改革では、高齢者の就業支援が対応策の一つになっています。
我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。
こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
ということは、これからはシニア世代と一緒にはたらく機会が増えます。つまり、今まで以上に多様な世代が一つの職場に集まるわけです。
本来、年齢も個性の一つのはず。はたらきやすい職場を作るためには、「分断」ではなく「統合」する関わり方を意識していきたいと思うのです。