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なぜ、ビジネスパーソンはコミュニケーションを学ばなければならないのか

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

今でこそ、コミュニケーションやメンタルヘルス等の知識を身に着けることができましたが、私はどちらかというと、根っからのエンジニア系の人間です。

ですから、不思議な世界の話はそれほど好きではないし、なんとなく胡散臭く感じてしまう。そういうところがないわけではありません。

けれども、自分が仕事を通じて、いろいろと体験してきたことの中には、少なくともエンジニアリングだけでは解決できないことも多々ありました。

たとえば、どんなに楽しい仕事でも、人間関係が悪ければ仕事は楽しくなくなる。これは、エンジニアとしては通り抜けられない課題でした。本当は仕事が好きなはずなのに、それが好きでなくなる......こんな不幸があっていいはずがない。けれども、人間関係はいとも簡単に、仕事に対するやる気に影響を与えてしまいます。

これまで、ビジネスシーンではあまりコミュニケーソンの重要性について語られてきませんでした。いや、もちろん、語られることはあります。どんな人でも、「コミュニケーションはもっとも大事だ」ということぐらいは知っているし、「もっとコミュニケーションを取らなきゃだめだ」みたいな話は、どんな人でも一度ぐらいは見聞きしたことがあるでしょう。

けれども、それらはしつけやマナーに関することであり、人間関係がどれほど仕事に、ビジネスに影響を与えるかなど、あまり考えられてきませんでした。その証拠に、「コミュニケーションは大事だ」と言われながらも、どれだけの企業が真剣に取り組んでいるでしょうか。具体的な施策を立てているでしょうか。

私は、コミュニケーションが事業活動のすべてであり、ビジネスにおける営みのすべてだと思っています。なぜなら、どんなに優れた商品でも、どんなに優れたサービスでも、その根底にあるのは、社員や顧客とのコミュニケーションに他ならないからです。

たとえば、どんなに優れた商品も、コミュニケーションがなければ売れませんし、どんなに優れたサービスも、コミュニケーションが悪ければ顧客の評価をいとも簡単に落としてしまいます。

どんなにおいしい定食屋さんでも、そこに関わる人々が気持ちよくなければ、「もう、こんな店には二度と来ないぞ!」と思う。そんな経験、あなたもきっとされていることでしょう。コミュニケーションには、それだけの破壊力があります。

さらに、コミュニケーションは、良い商品、良いサービスを形作る際にも影響を与えます。なぜなら、コミュニケーションの関わり方一つで、社員の思考を柔らかくもできるし、固くもできるからです。

たとえば、新しい商品のサービスを考えるときに、会議室に社員を集めて、「お前ら、これから新しい商品のアイデアを考えるぞ。いいか、最低でも一人一つぐらいのアイデアは考え付くだろう。思いつかないやつはうちの会社にはいらない。クビだ!」なんて言った日には、人は権力におびえ、頭は固くなり、新しいアイデアなど出てくるはずがないのです。一方、「今日は新しいアイデアを考えるために、まずは頭を柔軟にしよう。何か、簡単なゲームから始めようか」のような柔らかい空気は、頭を柔らかくしてくれるでしょうし、社員同士の、「今度、こんな風にしたらおもしろいんじゃない?」のようなざっくばらんな場づくりが、新しいアイデアを考えさせるベースになるのです。

これだけ、コミュニケーションは重要であるにも関わらず、人々はその重要性に気付かないふりをしたまま、お金や権力で人を動かそうとします。これが、現在のビジネスシーンにおける最大の問題点だと、私は考えています。

もっと、人々が仕事に楽しく関われたら......
もっと、人々が仕事にやりがいを抱けたら......
もっと、人々がビジネスというものに喜びを抱けたら......

私たちが抱える多くの問題は、解決することができるでしょう。

そういう、仕事の意識転換が、今、求められているような気がします。それらのすべての根底にあるのは、エンジニアリングではありません。サービスでもありません。もちろん、商品でもないし、ビジネスモデルでもありません。

すべての根底にあるのは、コミュニケーションなのです。だからこそ、ビジネスパーソンはコミュニケーションを学ぶ必要があるのです。

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