【寄稿】職場の雰囲気を変える仕掛けとは?―『人事実務』9月号
こんにちは。しごとのみらいの竹内義晴です。
人事・賃金・労務管理・人材開発に関する調査・研究・出版をされている産労総合研究所さんの専門情報誌『人事実務』9月号に寄稿しました。特集「職場の雰囲気を変える仕掛け」の「ベテラン世代と若手世代の"世代間ギャップ"を縮めるコミュニケーション術」という記事です。
特集記事の冒頭には、こう書かれています。
「隣り同士の席でも業務連絡はメールのみ」「廊下ですれ違っても挨拶しない」など職場コミュニケーションが希薄していると感じている方は意外と多いのではないだろうか。職場のコミュニケーションが希薄になると、情報やノウハウの共有などが行われなくなり、各人のやる気や組織全体の活力にも影響していく、だからといって、飲み会や社員旅行などをいきなり始めても職場のコミュニケーションが活性化するわけではない。職場のグン活きをかえるためには、身近な場、少ない時間のなかで、お互いの気持ちを理解し、コミュニケーションの機会を増やすための仕掛けづくりが重要になってくる。
私もまさに、こう思います。
前回、『ビジネス・コミュニケーション白書2015』に見る職場の実態という記事を書きましたが、メールなどの便利なコミュニケーションツールが仕事で使われるようになって、隣り同士の席でも、連絡はメール......という方も少なくないでしょう。「話す」って、意外と面倒くさいですもんね。メールはチャチャっと書いて、パッと送れば済みますし、記録にも残りますし。
また、いくらコミュニケーションが減っているとしても、「メールは使うな」とか、「もっと話せ」という強制感はちょっと違うかな?と思います。便利なものは使いたいし、飲み会や社員旅行も「行きたい」と思える人たちとだったら行くものです。
一方、「全く話さない」というのも、ちょっとな......と思います。たとえば、仕事のちょっとした悩み事なんかは、「誰かに聞いて欲しいな」「相談にのって欲しいな」「アドバイスが欲しいな」と思うこと、あるじゃないですか。でも、そういうことって、頭の中が整理できていないからうまく言葉にできないし、それをメールで伝えようとすると、すごく時間がかかる。そういうときは、断然、話したほうがいいんです。あと、記録に残るのは、ちょっと嫌な場合もありますしね。
これらを踏まえると、「便利なものは便利なものとして使える。しかも、気軽に話せる」という環境がいいんだろうなと思います。
このような職場の雰囲気を作るためには、どうしたらいいのでしょうか。特集記事の冒頭にもあるように、「身近な場、少ない時間のなかで、お互いの気持ちを理解し、コミュニケーションの機会を増やすための仕掛け」があるといいんでしょうね。
私も管理職時代、職場の雰囲気を変えるために悩んだ時期がありました。そこで取り入れたのが、「朝礼で、ちょっと話す」という試みでした。スピーチだと一方向なので、双方向性を持たせたいと考えました。具体的な内容は職場のコミュニケーションを活性化する朝礼のやり方という記事にまとめてありますので、よかったら読んでみてください。
効果を感じるまでしばらく時間はかかりましたが、続ければ続けるほど、部下の人柄や考えていることが分かったり、朝礼で話していた内容から、社員の間にちょっとした会話が生まれたりと、身近で、少ない時間の会話は、意外と良かったなと思っています。
最後に、産労総合研究所さんの『人事実務』は、これからの働き方や組織のあり方、人事部門に求められるものなど、これからの組織に必要な年間購読の定期刊行誌です。もし、お手元にあればぜひ、ご覧ください。