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「今、ここ」という感覚

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

ボクが大切にしている感覚があります。それは、「今、ここ」という感覚。

「今、ここ」という感覚は結構便利です。

たとえば、メンタルマネジメント。嫌な感情を抱くときは、過去のネガティブな体験に縛られていることが多いです(過去の嫌な体験を思い出すと、気持ちや感情もそのように反応しますよね)。逆に、不安を抱くときは、未来の、まだ起こっていない出来事に対して「○○したら失敗するんじゃないか」みたいな、無意味な心配から生じているていることも多いです。

このような場合は、「今、ここ」の感覚に集中します。「今、ここ」が感じられると、過去や未来から少し離れることができるので、「過去は過去のことで、未来に同じことが起こるわけではない」「未来は未来のことで、それがどうなるかは誰にも分からない」……そんな感覚を得られます。

「今、ここ」の感覚に集中するためには、五感に意識を向ければOK。たとえば、耳を澄まして、空調の音や車が通過する音、PCのファンの音などに耳を傾けてみます。目をつむって、まぶたの裏側から入ってくるボンヤリとした光を眺めてみます。ゆっくり深呼吸をしながら、自身の呼吸に意識を傾けてみます。五感に意識を集中するとボーッとできて、軽い瞑想みたいな状態になるので、心身ともにリラックスできます。慣れてくると、瞬間的にこのモードが作れます。

また、「今、ここ」という感覚は、夢を描くときも便利です。通常、夢を描くときは現在から未来を眺めて「○○になったらいいなぁ」と想像します。しかし、身体感覚は未来ではなく現在にあるので、それが叶ったらどんな感じを抱くのかは、身体感覚的には体験できません。しかし、頭の中で未来をイメージしながら、まるで、「今、ここ」にいるかのように没入すると、実際にそれを体験していなくても身体感覚も反応するので、楽しいことならワクワクしてくるし、成し遂げた喜びも味わえます。

ちなみに、脳は実際の体験とイメージの区別ができない(頭の中では実際の体験もイメージも同じ)そうです。脳からしてみれば、実際の体験もイメージも同じなので、その状態に没入すると、身体感覚もきちんと反応します。内的なモチベーションにもなります。

先日紹介した、脳神経学者が書いた「心をつなげる」という本には、次のような記述があります。

【脳は空想を現実のように捉える】

ネガティブであれポジティブであれ、脳は空想の世界をあたかも現実のように捉えるのだ。この現象を常に利用しているのが映画制作者だ。
 例えば、映画のワンシーンで、緑色をした三つ目のモンスターがクローゼットから飛び出してくれば、つい驚いてしまう。子どもが悪夢を極端に怖がるのも脳の仕業だ。子どもの脳内では言葉が紡ぎ出す空想の世界と現実との境界線が曖昧なのだ。

ちょっと話が変わるのですが、先週の日曜日、NLPの講座がありました。ちょうど、このような情報を実際に体験していただきながらお伝えしたのですが、「オリンピックでメダルをとった葛西選手は競技の前にイメージしていたとテレビでやっていた。その効果はどれぐらいあるのか?」という声が出ていました。「どのようなイメージをしたのか分かりませんが、頭の中では実際の体験とイメージは同じなのでよいリハーサルとなり、緊張感も和らぐのでは?もし、表彰台にのぼるところまでイメージしていたとしたら、内的な動機づけにもつながったのでは?」と答えました。「今、ここ」という感覚をワークを通じて実際に体験してみることで、受講生もその感覚をつかめたようですが、これは特別なことではなくて、イメージトレーニングはスポーツの世界ではよくおこなわれていることです。

私たちが体験しているすべては、「今、ここ」の連続です。「今、ここ」の感覚がすべてを作っていると言っていい。それなら、過去に縛られたり、未来を不安視するよりも、「今、ここ」を感じて、どうすれば今が楽しいか、充実できるかに意識を向ければいいし、未来を描くなら、すでにそうなっているかのような感覚が得られるまで没入し、それを味わえばいい。

そんな、「今、ここ」という感覚が好きです。

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