「おしりが好き」を科学的に説明できる?―非科学的なものを許す
こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。
性癖……とまではいかなくても、あなたにも、異性の好きな「部位」があると思います。あなたが男性なら、女性の胸とか、おしりとか、腰のラインとか、二の腕とか。あなたが女性なら、男性の筋肉とか、胸板とか、肩幅とか。
大きい/小さい、厚い/薄い、広い/狭いなど、好みは人それぞれだと思いますが、あなたの好きな「部位」はどこですか?
~~
昨日、晴耕雨読で、あるコミュニケーションに関する講演の打ち合わせをしていたときの話。ご担当者様から
「コーチングやNLPに批判的な人がいるので、それらを全面に出さないで欲しい」
というお話がありました。「どのように批判的なのですか?」と伺ったら、
「コーチングやNLPのことを非科学的だと思っている人がいる」
とのお話でした。
コーチングやNLPを批判的に思われている方がいらっしゃることはよく知っています。中には実際に嫌な思いや体験をされたことがある方もいらっしゃるかもしれません。根掘り葉掘り聞かれたり、上から目線で無理やり行動させられたり。
けれども、――これはコーチングやNLPに限ったことではないのですが――もし、判断の基準が「非科学的だから」にあるとしたら、もったいない(機会を逃す)こともあるかもしれないと、ボクは思っています。
なぜなら、世の中には非科学的なことがたくさんあるからです。
たとえば、今、この瞬間吸っている空気。空気の成分は科学的に説明できますが、そもそも「なぜ、空気があるのか」「なぜ、地球だけに空気があるのか」を科学的に説明するのは難しいでしょう。ちょっとしらべてみたら「地球には重力があるから」というような意見もありましたが、「じゃあ、なぜ地球だけ重力があるのか」を科学的に説明するのは難しい……。
体もそう。吸った空気が入る肺の成分は科学的に説明できますが、そもそも「なぜ、人は呼吸をするのか」「なぜ、呼吸という機能で生命を維持するように体が設計されているのか」「そう設計したのは誰か」と突き詰めて考えて行くと、科学的に説明するのは難しくなります。
冒頭の、異性の好きな「部位」も科学的に説明できません。ちなみに、ボクが好きな女性の部位は「おしり」です。どうでもいいですが……なぜだろう?
「なぜ、人を殺しちゃいけないの?」というような、倫理観みたいな無形物も科学的に説明するのは難しいものの1つです。
そう、世の中には「測定できないもの」「科学的に説明できないもの」がたくさんある。もちろん、科学的に説明できればいいけれど、そうじゃないものが確実にある。
コミュニケーションや人の感情に関することも、科学的に説明するのは難しいです。「ああすれば、こうなる」というような科学的な感じではありません。それでも、接し方を変えると変わるから面白いと、ボクは思っています。
非科学的な存在があることを許したほうがより便利だし、学ぶ機会を得られると思います。
なお、私は講演でお話するとき、コーチングやNLPがテーマならその話をしますが、基本、コーチングやNLPという言葉を使いません。専門用語は分かりづらいからです。同じ内容を別の言葉で説明しています。