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「なんであいつは気づかないんだろう」・・・気づける人を育てるためにはどうすればいい?

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最近、このような景色が、ふと目が留まります。

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「そうか。こうすればきれいな生垣ができるんだな!」

ひょっとしたら、これをお読みのあなたは、「なんだ、おっさんになると草花や盆栽に興味を持つようになるんだな」と思われているかもしれませんが・・・正解です(笑)。

というのは冗談ですが、実は、私は今まで、写真のような景色に目が向くことはまずありませんでした。 というより、全く興味がなかったと言った方がいいかもしれません。

そこで私は、こう思いました。

「あれ?なぜボクは、植木や生垣に自然と目が留まるようになったのだろう?今まで何の興味もなかったのに・・・おもしろいな。」

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ビジネスの世界では、「気づきが重要」と言います。なぜなら、身近に起こっている問題に気づけることによって、問題を解決するきっかけが生まれ、仕事の改善、新しい商品の開発などにつながっていくからです。

気づきの重要性に気がついているリーダーたちは、職場の中で、よく、「もっと気づきなさい」「もっと疑問を持ちなさい」「もっと興味を持ちなさい」「もっと関心を持ちなさい」などと周りの部下や同僚に伝えています。

そうです。「もっと意識させたい」と。

けれども、部下や同僚はなかなか気がついてくれません。そして、ヤキモキするのです。「なんであいつは気がつかないんだろう」・・・つい、そんな言葉をつぶやきたくなることもあるでしょう。

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ではなぜ、私は急に、樹木や植木、生垣の存在に目が留まるようになった・・・つまり、気づくようになったのでしょうか?

実は先日、親戚のおじさんが数年ぶりに我が家に遊びにきました。おじさんは植木や生垣の手入れが得意だそうで、あまり手入れが行き届いていない庭を見て、「剪定ばさみある?せっかくだから剪定してあげるよ」といい、植木を剪定しながらその方法を教えてくれました。

植木や生垣の剪定って、結構奥が深いんですね。芸術的なセンスやイメージが求められます。

また、草木を切るのはなんとなく抵抗感があるものですが、単に伸ばしておくのはむしろ良くなくて、切るところは切り、伸ばすところは伸ばすように、程よく手入れしてあげることが大切なんだそうです。

おじさんの剪定で庭はみるみるうちにきれいになっていきました。

「植木はね。手をかけるほど応えてくれるんだよ。どんな風にしたいかをイメージして、そうなるように仕上げていく。それが面白いんだ」・・・おじさんはそう教えてくれました。

おじさんが剪定して植木が生垣がきれいになっていくさまを見ていたら、「もっと庭をきれいにしてみたい」「もっと心地よい空間を作りたい」「自分でもやってみたい」・・・そんな、「楽しさ」「うれしさ」「期待」を、自然と抱くようになっていきました。

そうです。街中の植木や生垣の存在に自然に目が行くようになったのは、おじさんが植木や生垣の剪定方法を教えてくれたからだったのです。

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そもそも、人が気づいたり、疑問や興味を抱いたり、関心が向いたりするのは、何か意識的に"持とう"と思ったときではありません。『あれ?これってなぜ○○になっているんだろう?』『他の人はどうやっているのかな?』のように、ふとした瞬間に自然と気づいたり、興味が湧いたりしてくる類のものです。

「気づきなさい」「興味を持ちなさい」と直接的に伝えることで、気づけるようにもなることもあるかもしれませんが、ひょっとしたら、あまり期待できないかもしれません。

#実際、「植木や生垣に興味を持ちなさい」と言っても、多くの方は興味を持たないでしょう。

では、職場の同僚が気づきや疑問、興味、関心を、自然と"持てる"ようになるためには、どうすればいいのでしょうか?

私が植木や生垣に急に目が行くようになったきっかけは、おじさんが教えてくれた「楽しさ」「うれしさ」「期待」でした。

そうです!人は、「○○しなきゃ」という意識ではなく、「楽しさ」「うれしさ」「期待」のような感情によって、無理に「気づこう」と意識しなくても、自然と「気づける」ようになれるのです。

職場の部下や同僚に、「もっと気づいて欲しい」と願っているなら、「気づきなさい」「興味を持ちなさい」と直接的に指導するのもいいのかもしれませんが、それよりも、自然と「気づける」「興味が持てる」ようになるような環境を作っていくことのほうが大切なのかもしれません。

そのポイントは、感情です。「楽しさ」「うれしさ」「期待」を抱くようになるのはどんな環境なのか……そんなことを考えてみるといいかもしれません。実際にご自身が感じている楽しさ、面白さを伝えるとか、それを体験する機会を作るとか。

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植木や生垣には全く興味はなかったのですが、実は、数年前からガーデニングには興味を持っていました。庭の芝は自分で植えて育てています。これが結構楽しいんですよ。育っていく過程を見ているとうれしいし、きれいになると気分がよくなります。

また、「草むしり」と言えば一般的には退屈で面倒な作業の1つですが、これがですねぇ、意外といいんですよ。頭の中が空っぽになります。忙しく考え、動き回っているビジネスマンには特にオススメ。

これからは、ガーデニングの幅も広がりそうです。

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