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「やり方」から「あり方」へシフトする―小僧の生意気発言

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2006年、私がNLPというコミュニケーションスキルを学んだとき
トレーナーは、次のように教えてくれました。

どんなに優れたテクニックも、使い方を間違えると凶器になる。成果というのはね、「やり方(テクニック)」と「あり方」の両方が備わったときにはじめて得られるんだよ。

私はそのトレーナーの背中を、今も追いかけています。

~~

マナー研修等で、

「明るい笑顔で」とか
「声を大きく、元気よく」とか
「共通点を探して話題を作る」とか

「オーバーに」「演じるように」という指導がありますが
実はボク、「演じる」のが苦手です。

すごいと思っていないのに「すごいですね」とは言えないし
会いたかったと思っていないのに「お会いしたかったです」とは言えない。

素晴らしいと思っていないのに「素晴らしいですね」とは言えないし
尊敬していないのに「尊敬しています」とは言えない。

興味がなかったことに「以前から興味がありました」とは言えないし
感謝していないのに「感謝しています」とは言えない。

テンションが上がっていないのに無理にテンションは上げられないし
笑顔な気分ではないのに笑顔は作れない。

周りの人と、いい関係をつくるために
「すこしぐらい演じればいいんじゃない?」と自分でも思うのですが
なぜかうまくできません。
何か、「無理やり感」が生じてしまいます。

なぜだろう?

あえて考えてみると、いくつか理由が見当たりました。

1つは、自分にウソをついている感じが好きじゃないこと

あと、もう1つは・・・

実はボク、相手の方が
「本気で言っているのか、おべんちゃらで言っているのか」を
感覚的に察知してしまうタイプなんです。

だから、自分がおべんちゃらで言うこと自体が好きじゃないし
もし、自分が相手におべんちゃらで接してしまったときに
そう思われているんじゃないか・・・と思うのが嫌なんだろうと思います。

うん、この理由は大きいです。

でもね。

周りの人といい関係をつくるとき
それでも、「やり方」はとても大切だと思うんです。

マナー研修などで教わるように
気持ちがそうでなくても、形から入ることで
多少演じて、相手と接することで
後から気持ちがついてくることもあると思っています。

でも、どんなに「やり方」が上手くても
人は言語だけではなく、非言語でもコミュニケーションをしているので
そこに気持ちが伴っていないと
深い感覚レベルのコミュニケーションで
「あ~、この人は本心は違うけど、テクニックでやっているな」
ということが、意外と分かっちゃうんじゃないかなぁ。
(少なくとも、ボクは分かるほうです)

そうかといって
周りの人といい関係をつくるためには
やっぱり、笑顔も、元気な声も、共通の話題も大事だし・・・。

で、悩んだ末に思ったことは

「やり方」も大事だけど、
自分の「あり方」の部分が変わったらいいなぁと思ったんですよね。

「あり方」なんていうと
ちょっと小難しくて面倒臭い感じがありますけど
一言で言うと、「こちらの気持ちの持ち方」が変わると
無理に笑顔を作らなくても
無理に元気よく振る舞わなくても
自然とそうなれるんじゃないかなぁと思ってね。

たとえば、昨日、ある方と打ち合わせをしたんですけど
もう少し、場が盛り上がればよかったなぁと思ったんです。

こんなとき、よく
「場が和やかになるように笑顔でいこう」とか
「最初の話題は共通の話題で雰囲気を良くしよう」みたいな
「やり方」を考えてしまうのですけど

たしかにそれも大事なのかもしれないんですけど

せっかく時間を割いてくださっているんだから、
「竹内さんと話して、本当に良かった!」
「いやぁ、いい時間を過ごせた!」
と思っていただけたら、相手の方もうれしいだろうし、
ボクもうれしいだろうなぁと思ってね。

そう思えたら、
「次回は、もうちょっと最初からいい場を作れたらいいな。
 ちょっと最初のテンション上げてみようかな」
って自然と思えてきて

「そうか!いい場を作るためにどうするか?じゃなくて
 こちらがどういう態度で接するかが大事なんだな。
 相手が”○○だったらいいな”と思えて。
 それを見て自分も”今日は○○でよかったな”と思える。
 そのためにはどうすればいいかを考えれば
 自然とそういう振る舞いをしてしまうのだな」

ということに気がついて、

「そうか。『やり方』から『あり方』へシフトすればいいんだな。

と、妙に納得したんです。

「やり方」を変えても「あり方」は変わらないけど
「あり方」が変わると「やり方」も変わってくるんだね。

だからといって
「相手に敬意を抱きましょう」
「感謝の気持ちで接しましょう」
みたいな話になると、
「それ自体が『やり方』じゃん」って話になるし
「そもそも、そう思えていないのだからしょうがないだろう?」
って話になっちゃうんですけどね。

ここを言葉で表現するのは
なかなか難しい部分ではあるのですけれども。

~~

冒頭の話に戻るのですが
私がコミュニケーションスキルを学んだとき
トレーナーが教えてくれた

「成果」=「やり方(テクニック)」×「あり方(関わり方)」

という言葉。

当時は、頭で理解していたものの
今から思えば、心底理解はしていなかったと思います。

ひょっとしたら、10年後にこの記事をボクが読んだら
「たかが42歳の小僧が生意気なことを言ってんじゃねぇよ!」と
自分の書いたこの記事を削除したい衝動にかられるかもしれません。

う~ん、難しいね。

とりあえず、今日のところの結論は・・・

「『やり方』だけではなく、『あり方』も大事なんだよね」

ということを、頭で理解しておいて
まずは「やり方」から入ってみる。
で、「あり方」はさまざまな失敗や体験で身についてくるから
何かしらの節目で「あり方(本当に大切なのは何か)」を振り返ってみる。

その繰り返しでいいんじゃないかと思えてきました。

う~ん、なんとなく結論が出ているような、いないようなで
なんとなく気持ちが悪いのですが
・・・まぁ、いいか。

ということで、今日はこの辺で。

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