ベテラン世代が若い世代にメッセージを伝える際の3つのポイント
最近、報道やインターネット上の記事等で、さまざまな経験をされてきたベテラン世代(40歳以上かな)のみなさんからの若い世代に向けたメッセージを何度か目にしました。
この間、成人式があったのが1つの理由なのかもしれません。
若い世代を応援するメッセージも見られますが、中には……
・世の中、そんなに甘くない
・そんな短絡的な考えでは、世の中を渡っていない
・苦しいことを乗り越えてこそ、楽しさを味わえるのだ
・そんなのは運がいいだけで、万人には通用しない
・安易に物事をやめてはいけない
・自分が若い頃は、○○というようにやったものだ
のような、いわゆる「最近の若者は……」というメッセージも見られます。
特に、ベテラン世代のみなさんは、さまざまな経験をされてきているからこそ、若い世代を見て「そんなことではだめだ」とお感じになるのかもしれません。
でも、私が若いときにそうでしたし、みなさんもきっとそうだったと思うのですが、前向きなメッセージは素直に「ありがたい」と思うし、「そうだなぁ」と感じれば尊敬の念を抱きますが、「最近の若者は……」というメッセージが批判的であればあるほど、それがどんなにすばらしい話でも、受け入れがたいのが実際だったのではないかと思います。
そこで今日は、「ベテラン世代から若い世代にメッセージを伝える際の3つのポイント」について、お話しようと思います。
「最近の若い者は……」はいつの時代も同じ
私が若いころ、よく「最近の若者は……」と言われました。それは、つい最近まで言われていたように思います。
でも、私に言っていた上の世代の人たちも、若かりしころは「最近の若者は……」と言われた時代があったんじゃないかと思います。
そして、今、リアルに「最近の若者」のみなさんも、あと10年もすれば、次の世代の若者に同じ言葉を使っているはず。
この「最近の若い者は……」は、ずっと繰り返されているし、これからも続いていくのでしょうね。
自分達が過ごしてきた時代と比較すると「最近の若者は……」と思うのも当然のことですが、それぞれの時代で、見ているものも違うし、聴いているものも違うし、感じていることも違います。過ごしている環境が違うので、ギャップがあることのほうがむしろ自然でこれは、いつの時代も変わらないものなのかもしれません。
もちろん、人としてすごく大切なことは変わらないものですが、それでも、「違って当然」「合わなくて当たり前」ぐらいに思っておくと気が楽なんじゃないかと思います。
「若い世代を思いやる肯定的な思い」を考え、伝える
そうは言っても、批判的な気持ちが浮かんでくるのは仕方のないことです。
でも、よく考えてみると……
批判的な気持ちが生まれるということは、その裏側には、「私は、○○で失敗してきたから、同じような体験をさせたくない」とか、「もっと上手くいかせるためには、○○したほうがいいのではないか」などといった、「相手を心配する気持ち」や「相手を思いやる肯定的な側面」があるからこそ、目の前の出来事とのギャップに批判的な気持ちを抱くのですよね。
裏側にある肯定的な「こうあって欲しい」という気持ちは何かを考え、伝えてみるのもいい方法だと思います。
相手に通じるところから始める
自分の考えの正しさを伝えようと「そんなことではダメだ」と批判すると、反感を抱かれ拒否されてしまいます。拒否されるとコミュニケーションは成り立たないので、どんな言葉も届きません。
それを防ぐためには、最初は相手に通じること……つまり、最初は相手の言葉や考えに合わせて、それから、自分の考えを話すといいと思うんですよね。
たとえば……
「君、そんな考えじゃダメだよ。だから最近の若い者はダメなんだ」だと、話を聞く耳を持ってもらえませんが、「おぉ、その考えはすばらしいね。そういうアイデアもあるね。私は全然気が付かなかったよ。」という具合に、まずは、相手の考えに合わせ、寄り添ってみる。
その後で、「でも、○○の場合は、○○がいいかもね」と自分の考えを話す。
まず、信頼関係を構築した上で意見を言うのがいいのではないかと思います。
ベテラン世代のみなさんは、実践から得られたすばらしい知恵をお持ちだと思います。そのすばらしい知恵は、若い世代に理解されてこそ、次世代につながっていくのだと思います。そんな伝え方ができたらいいなぁと思うんです。