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「しごと」をもっと楽しくしたい!

ニートにとっての不幸、会社にとっての不幸

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スティーブ・ジョブズ氏が亡くなられたとのこと。
哀悼の意を示します。

■□■

少し前のお話ですが・・・
9/28に「仕事のやる気とメンタルケア」勉強会を行いました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

ご参加いただきました方から、ニートに関するお話を伺いしました。
内容を問題がない範囲でお知らせしますと……

・最近、若い世代にニートが増えている
・一般的には、「怠けている」と解釈されている。だが、実態は違う
・ニートとは、「やる気がない」「怠けている」ではなく、「やる気はある。でも、適応できない」
・若い世代が働けるような、ニートの対策が必要である

ということでした。

ちなみに、厚生労働省のニートの定義は
「非労働力人口のうち、15~34歳に限定し、家事も通学もしていないその他の者」
(平成18年版労働経済白書22頁)。

内閣府は「学校に通学せず、独身で、収入を伴う仕事をしていない15~34歳の個人」
(内閣府:「青少年の就労に関する研究会」より)

と定義しているようですです。

参加された方のお話によれば、ニートになるのは、学歴は特に関係なく
高学歴でもニートになる方がいるとのことでした。

その理由は、

・急な環境変化についていけない
・複雑なコミュニケーションが難しい
・叱られたときに、どのように対応したらいいのか分からない

などの理由があるのだそうです。

この際の対応を、参加された方のお話に伺うと

・丁寧に話を聞き
・大丈夫であることを理解してもらい
・少しずつ、環境に慣れさせ
・自立させる

というようなステップを踏んでいるそうです。
私も、そのようなサポートが必要なのではないかと思います。
 
 
■ニート本人にとっての不幸、会社にとっての不幸

会社に入ってもすぐにやめてしまう……

これは、本人にも、そして、会社にとっても不幸なことです。

本人の視点に立てば、せっかく入った会社なのに
職を失い、誰かに依存しなければ生きていけなくなる。
会社側の視点にたてば、せっかくお金をかけて採用・教育した社員が
辞めてしまう。

人材育成の教科書 中尾ゆうすけ著 こう書房 によれば、

人材育成の教科書―自分で考え行動できる新入社員の育て方

近年は安定志向になったといわれていますが、以前として新卒採用者の3年以内の離職率は30%を超えています。業種によっては50%、なかには90%という会社もあるそうです。一方、企業が新卒採用にかける費用は、一人あたり100万円~200万円にもなるといわれています。中途採用にしても、額に差はありますが、かなりの費用がかかります。そして、新入社員の年収を仮に300万円とするならば、3年間に支払う賃金だけでも900万円、中途採用であればそれ以上になります。さらに社会保険や通勤費、教育費など、会社が負担している金額を考えると、3年間で1000万円以上のお金を、新入社員へ投資するkとおになります。それにも関わらず、離職していってしまうのです。

とのことです。
お互いに不幸なことだと思いませんか?

このようなお話をすると

「最近の若いやつは打たれ弱いからダメだ」
「私たちの時代は○○だったぞ」
「ゆとり教育が問題なんだ」

みたいな話になりがちですが
それでは、なにも解決しないんじゃないかと思います。

先ほどのニートの話に戻ると

「やる気がない」ではないので(周りの人には、そう見えてしまうかもしれないけれど)
「やる気を出せ!」ってハッパかけても、ダメなのだろうと思います。
きっと、なんとかしようと思っているんだな。
それが、なかなか叶わないのかもしれません。

となると、今の世代に合わせた社員教育(コミュニケーション)のあり方が
必要なのではないかと。

私の意見では、新入社員教育に限らず
相手をより望ましい方向へリードするためには

1:「観察する」
2:「相手に合わせる」
3:「話を聞く」
4:「問いかける」
5:「相手を望ましい姿へリードする」
6:「相手の望ましい変化」

このようなステップが必要なのではないかと思っています。

図に描くと、このような感じです。

20111006_3

いきなり、望ましい姿にリードしようと思うと
命令したり、強制したりする必要性が出てきます。
「若い世代を自分に合わせよう」とします。

それでうまく行くのは、比較的自立心・自尊心が強い一部の人。
(2:8の法則で言えば、2割)
それ以外の人には、なかなか思いが通じません。
下手をすると、相手とコミュニケーションがとれなくなったり
最悪、ニート化してしまったりするかもしれません。

であるならば、まず、相手を観察し、合わせる。
合わせるというのは、自分の考えを捨てて、相手に合わせるというよりも
まずは、相手の考えに寄り添ってみようということです。
つまり、「そうか、君は○○だと思っているんだね」のようなことです。

そうすることで、「信頼関係」ができてきます。
信頼関係ができてくると、同じ言葉でも、相手への響き方が変わってきます。

そうしたら、少しずついい方向にリードしていけばいいのでは?と考えています。
私が若い世代と関わるときや。コーチングをするとき、このような流れで進めています。

以前、東洋思想研究家の田口佳史さんと、
経営コンサルタントの神田昌典が対談された音声
東洋思想で、ビジネスの軸を定める!
には、こんな言葉が収録されていました。

「中国古典ではすばらしいことを言っておりまして、  「まずその人間に通ずるようなところから始めよ」と。  要するに最初から拒否されてしまって、コミュニケーションが成り立たないんじゃ、  もう全然問題外ですから、まぁ、言ってみれば、仁がない不仁なら、  不仁の人間に対しては、まず不仁ということを前提として話を展開しろと。  除々に除々に、その相手の中から仁という要素をつかみ取って、 「君、大したものだね」と。「そういうところがあるんだね」 「それは立派だな。きれいなところだね」「私は誤解していた、ごめんごめん」 「君もそんなに立派な人間だったんだ」と言って、仁という要素を、  要するにぐっとつかみ出してあげると。  そして相手が、あ、俺も立派な人間なのかなと思って、  ぐっとレベルアップしたら、今 度は仁を説けと。  要するにその人間に合ったところから、  除々に除々にやっていくことが重要なんですね。」

田口氏のお話、私には同じようなことをおっしゃっているように思えます。

正直、「なんだか、遠回りだな~」と思われている方もいらっしゃるでしょう。
先輩に厳しく指導されてきた世代のみなさまは、そう思われるかもしれません。

けれども、ニートに限らず、企業の中でさまざまな問題が起きている今
それを解決するためには、少し、遠回りだと思えるかもしれませんが
行き着くところは、まず、相手に合わせ
話を聞き(相手が考えていることを理解し)、信頼関係を築いた上で
リードしていくような方法をとることが、
結果的にもっとも早いのではないかと、私は考えています。

もちろん、年がら年中、このような接し方は必要ないのかもしれません。
時には、厳しさも必要なことがあるでしょう。
けれども、全体感として、このようなスタンスで接してみるのはどうでしょうか。

人材育成は大変ですよね。
みなさんは、どう思われますか?

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