だから動かないんだ!―【書評】人を動かす力
こんにちは、竹内義晴です。
私の恩人の一人に
コミュニケーショントレーナーであり経営コンサルタントでもある椎名規夫さんがいます。
その椎名さんがご出版されました。
(椎名さん、おめでとうございます!)
椎名さんのご著書『人を動かす力 (アスカビジネス)』を拝読しました。
今日は、書評・・・というのはおこがましいので、感想を書いてみたいと思います。
この本の内容を一言で言えば、「リーダーとしてのあり方の本」です。
それはまるで、D・カーネギーの「人を動かす」にも見られるような
凛とした中にもあったかさがあるような、そんな本です。
(そういえば、タイトルも似てますね。)
だから、「やり方(テクニック)」を求める方には、あまり向かないかもしれません。
そのような本は、他にもたくさんありますよね。
けれども、「今まで、いろんなスキルを勉強したけれど、なかなかうまく行かなかった」
という方には、バイブル的な一冊になることは間違いないでしょう。
表紙を一枚めくると、次のような言葉が書かれています。
「人を動かす」とは部下やパートナーたちを動かすことだけではなく、自分自身をも動かすことです。 また、自分自身が変わり動かなければ、人を動かすこともできません。 しかし、多くの方たちは自分の思い通りに相手を動かそうとします。そして、そうならない結果に悩みます。社会的責任が大きい、まわりの人たちとの関わりを大切にする方ほど、一生懸命で、真剣に悩みます。
そんな、リーダー的立場にいる方々にこそ必要なまわりとの関わり方がまとまっています。
多くの人は、まわりの人や組織を動かそうとします。
自分自身を動かそうとする人は、あまり多くありません。
そして、「まわりが動いてくれない」と悩みます。
私自身、最初はまわりの人や組織を動かそうとしても動かずに悩み
自分自身が動き出すことで、まわりが動き始めた経験をしてきたので
この言葉の意味が、とてもよく分かりました。
この本の中では、いたるところで
「コミュニケーションのテクニックが機能しない理由」が書かれています。
それは、リーダーのあり方が伴っていないから。
『重要なことは、相手の世界観、大切にしている価値、信念というものを、
こちらも同じように尊重しながら向き合う姿勢だ』と、椎名さんはおっしゃっています。
「同じような目線で向き合う」というところに、
次のようなお話が紹介されています。
『傷ついている若者』―「なぜ、コミュニケーションを学びに来たのですか?」と質問すると、「上司から『コミュニケーションに問題があるから、どこかに行って来い!』と言われました……」と答える若者が増えています。上司にこんな言われ方をされて、傷ついている若者が大勢いるのです。 しかし、よく考えてみてください。コミュニケーションに優れている方が、部下にこのようなことを言うでしょうか?コミュニケーションに優れた上司なら、部下のコミュニケーション能力に疑問を感じたとき、もう少し工夫して部下と対応してもらいたいものです。上司の一言が。まわりを傷つけています。
私はこの言葉を読んで、「本当にそうだな」と思いました。
きっと、あなたも、そう思われたのではないでしょうか。
このように、コミュニケーションって、
「その人のあり方」を、丸写ししてしまうものです。
でも、自分のこととなると、それを実践できる人はあまり多くありません。
だからこそ、テクニックも大事だけと、リーダーのあり方を勉強することって大事だな~と
つくづく感じるんです。
あり方に加えて、まわりを動かすアプローチも書かれていますので
リーダーの方はぜひ手にとって、お読みいただきたい一冊です。
勉強になりました。椎名さん、ありがとうございました!