被災者の役に立ちたいとお思いのみなさまへ-ボランティアに行く前に考えてほしい4つのポイント
こんにちは。
地震の報道が連日繰り返されています。
大きな災害を目の前にすると
何もできない自分の無力さに、居ても立ってもいられない気持ちになりますね。
私も無力な一人です。
Twitterなどを眺めていると、暖かい言葉であふれています。
「みんなのために何かしてあげたい」
とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
事態が緊急を脱すると
少しずつ、さまざまな動きが芽生えてくると思います。
これから、ボランティア活動も盛んになってくるでしょう。
私は地元で消防団活動をしています。
時々、火災の消火活動や遭難者の捜索などの要請があります。
もし、震災が近くで起きていたとしたら、間違いなく捜索活動に参加しています。
そこで、今までいくつかの経験をしてきた中から
もし、ボランティア活動に参加されるのなら
考えてほしいポイントについてまとめてみました。
▼1:それが本当に現地の役に立つ行動なのか
災害が起きているとき
「○○のために何か役に立ちたい」と思うのは
とてもすばらしいことです。
けれども、それが本当に現地の役に立つかは別問題です。
たとえば、平成18年に新潟県では4メートルを越す雪が降りました。
公共施設や民家が雪の重みで耐え切れなくなってきたので
屋根の雪下ろしの要請が地元の消防団にきました。
このとき、ボランティアの方もいました。おそらく
「テレビで大変そうだったから役に立ちたい」
ぐらいの気持ちで来てしまったのだと思います。
雪下ろしのボランティアなのに
まるで銀座を歩くような服で
長靴も履いていないという状況でした。
現地の人からは
「なんで雪下ろしなのに、長靴も履いていないんだよ」
という声が聞こえていました。
繰り返しますが、
「○○のために何か役に立ちたい」と思うのは
とてもすばらしいことです。
けれども、それが
「自分のこころを満たすためだけの行動ではないか」
をチェックしてください。
▼2:支援する技術を持っているか
必要な技術がないと、かえって足手まといになります。
たとえば、先ほど、雪害の例を挙げましたが
雪を屋根から下ろすのは簡単に見えるかもしれませんが
慣れないと、結構難しい作業です。
いくら、ボランティアの方が一生懸命やっているのだとしても
現地の人からは「あれでは、雪遊びだ」という声が聞こえていました。
今回の震災のような現場で行う活動は
地べたをはうような活動で、数日歩き回るような
想像しているよりもはるかにしんどい作業だと思います。
技術だけではなく、体力もそのひとつなのかもしれません。
▼3:観光気分でないか
あるサークルの話です。
以前、ある海で原油が流出した事故が発生しました。
油まみれになっている野鳥が繰り返し報道され
「みんなで野鳥を助けに行こう!」
という機運が高まります。
待ち合わせて現地に行って
手渡された防護服を来て、まずは記念写真をパチリ。
その後、油まみれになっている野鳥の写真をパチリ。
作業自体は、少し油の回収の手伝いをして終了。
油のにおいがついたので、温泉に立ち寄り
「疲れたね~」と熱いお湯を浴びて極楽気分。
帰りにみんなで近くの名店で食事。
「また、ボランティアに行きたいと思います。」
という記事がホームページで紹介されていました。
このような気分でボランティアに参加されても
おそらく、現地の方にとっては迷惑です。
今回のような災害では
お風呂にも入れないし、寝場所もままならないかもしれません。
参加するなら、そのぐらいの覚悟が必要です。
▼4:今、行くべきタイミングなのか
「ボランティア 東北 地震」
で検索すると、さまざまな情報が出てきました。
現在は、ボランティアを公募するのはどの団体も難しい状況にあるようです。
であるならば、義捐金や節電がもっとも現実的なボランティアだと思います。
また、今のようなテレビで盛んに報道されているときは
社会の機運が「助けてあげたい」になっていますが
本当に支援が必要なのは
自衛隊、消防、警察など、緊急時の対応が終わり
テレビで報道されなくなってきたときなのかもしれません。
▼最後に……
「何か、役に立ちたい」という思いはすばらしいこと。
けれども、「思いの押し売り」になることは避けたいものです。
こういうときこそ、今、自分にできる小さなことをやることが
最大の貢献になると思います。
私も「今日、私にできることは何か」を考えました。
その結果、この文章を書くこと
そして、仕事を一生懸命することだと思いました。
私は、今日1日、一生懸命仕事をしたいと思っています。