オルタナティブ・ブログ > 竹内義晴の、しごとのみらい >

「しごと」をもっと楽しくしたい!

「SEO対策」とうたった悪徳ホームページ業者に注意

»

今、ITに関する仕事に関しては、知人や、知人に紹介された場合に限り、サポートをするような形をとっています。

知人の経営者から、新しいパソコンを購入して、データ移行に困っているという経営者を紹介され、昨日、データ移行作業を行ってきました。最近のハードディスクは容量も多いので、データの移行も大変。特殊な構成になっていれば、なおさらです。

その分、作業の合間に、いろんなお話をお伺いすることができました。建築業の経営者でしたが、「どうしたらホームページから顧客の問い合わせが来るか」「どうしたらもっとホームページを見てもらえるようになるか」という話に花が咲きました。

「そうですね~、家を建てるのは大きな買い物。ボクがこれから家を立てるなら、その会社が今までどんな家を建てたかとか知りたいので、建築した建物の写真とか見たいですね。あと、お客さんからどんな評価が得られているか(つまり、お客さまの声)などを知りたいですかね~。」

こんな話をしたとき、「やっぱりそうですよね~」と言います。

「ん?やっぱり?」

聞くところによれば、以前、ホームページをCMS(コンテンツマネジメントシステム)形式に作り直してもらったとのこと。今まではホームページからの問い合わせも数件あったのだそうですが、ホームページを変えてからというもの、問い合わせはないのだそうです。

ホームページ作成業者のアドバイスによれば、文字が中心のサイトがいいのだとか。SEOや、検索キーワードについていろいろと言ったと言います。検索エンジンが拾ってくれやすいように、そのようなアドバイスでもしたのでしょうか。

私の意見では、SEOを中心に考えてしまうと、テクニックのほうばかりを見てしまうのではないかと思うんですね。もちろん、SEOのテクニックも大事だとは思うのですが、それよりも「お客さんはどんな情報を欲しがっているのかな?」ということを中心に考えたほうがいいのではないかと思います。

さらに、話は続きます。

ホームページの検索順位を上位にしたいために、別のSEO対策業者というところと契約して、月々いくらか払っているのだそうです。けれども、業者のサポートはないとのこと。このとき、一緒にかなり安価なパソコンを提供され、パソコンのリース契約のような形になっているのだそうです。

ちょっと調べてみたところ、リースは動産でなければ契約対象にならないようですね。だから、SEO対策のようなものではリース対象にできない。そこで、パソコンを一緒につけて、パソコンをリースしているような形を取るようです。

「契約の解除はできないんですか?」とたずねると、「月々の支払いはクレジット会社(しかも、誰もが知っているような)で、パソコンのリースだから、解約できないみたいなんだよね。この話を他の人にしたら『それはSEO対策をうたった詐欺だ』と言われたんですよ」とのこと。

詐欺かどうかの正確な判断はわたしにはできませんが……ひどい話です。

SEOって、仕込めばそれでおしまいってわけではないと思うんですね。さらに、時間の経過や、検索エンジンの変更などで順位変動は起きるものです。「お客さんは何を望んでいるのか?」「どんなキーワードがいいのか?」など、試行錯誤が必要だと思います。

わたしの場合、以前はSEOを意識したこともありましたが、最近はそれほど意識していません。SEOだけのミクロな視点よりも、もっと大きな視点が必要だと思います。「読む方はどんなことを望んでいるか」「自分の思いを言葉にして伝えること」……これらを中心に進めています。こちらのほうが、順位変動に一喜一憂することもないので、気も楽です。

「それは、騙されるほうが悪いんだよ」という意見もあるでしょう。けれども、あまり知識のない方にとっては、判断ができないのも実情だと思います。

「せっかくなら上位に検索されたいじゃないですか」……経営者のこの気持ちが痛いほど分かるだけに、憤りを感じたのでした。

Comment(2)