【書評】パーソナリティ・コード―最強のチームをつくる秘密の力
次の本をご献本いただきました。ありがとうございます。書評を書かせていただきたいと思います。
一言で言うと「自己診断」の本ですね。パーソナリティには14のタイプがあって、自分がどのような強みや特徴を持っているかを知り、それを生かすことで目標を達成しやすくなる……という内容です。
物事を上手く進めるためには、「自分を知る」ということはとても大切だと思います。弱みを改善するよりも、強みを生かしたほうがモチベートしやすいですし、結果にもつながりやすいと思います。私もこれまでさまざまな自己診断のテストを受けてきました。テストを受けてみることで、自分の強みが分かることや、弱みだと思っていたことが弱みではなくて特徴なんだなと思ったことが多々あります。
例えば、わたしのパターンとしては、過去に経験したことには自信を持って行動しますが、全く挑戦したことがないことについては慎重になる傾向があります。以前はそれが弱みだと思っていましたが、いろんな種類の自己診断を受けてみると、「事前にストイックに準備をして物事に取り組むタイプ」などと診断され、「あぁ、弱みだと思っていたことは、強みでもあったのね」と、妙に腑に落ちたことが何度もあるのです。
この本にも、Webサイトで自己診断ができるIDがついていて、自分のパーソナリティを診断することができますので、自分の強みや特徴を知ってみたい方にはオススメしたい本です。
また、組織などの対人関係において、タイプを意識して接し方を戦略的に変えることによって、組織の力を発揮できるとも書かれています。
やや気になる点がいくつかありましたので、共有しておきたいと思います。
■パーソナリティは年をとっても変わらない?
「パーソナリティ」とは「人格の本質」なのだそうです。そしてそれは、年をとっても変わらないというのがこの本の主張です。確かに、基礎となるDNAのような部分に関しては年をとっても変わらないのかもしれません。けれども、個人的にはこれまでの経験上、悩みや問題の克服、従事する仕事や立場によって、数年前の自分と今の自分の振る舞いや考え方を比較すると、ずいぶんと変わったなぁと思いますので、どこまでをパーソナリティかというのはさておき、「パーソナリティは生涯変わらない」というのはやや抵抗感を抱きました。
■タイプ分けを実際の対人コミュニケーションで活用できるか?
自分を知る上でのタイプ分けの効果は私も認めるところではありますが、対人関係において、「Aさんは○○タイプだから△△に接しよう」という考え方はとても面白いのですが、これを実際に行おうとすると実務経験上非常に難しいのです。血液型で例えれば「A型の男性は押しに弱い性格だから、ちょっと強引にアプローチしよう」ということが実際に通用するかというとなかなか難しいですし、逆に操作的だったりレッテルを貼ることにもつながってしまいます。そこは注意して読みたいところです。
■タイプ判定テストがややシンプル?
Webでできるタイプ診断テストの項目数がそれほど多くなく比較的シンプルです。実際にタイプ診断をやってみたところ「診断結果と自分で思っているタイプはちょっと違うかなぁ」という思いもあり、シンプルさ故に若干誤差があるのかもしれません。タイプ診断だけでみると、個人的にはさあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かすの診断のほうが納得感がありましたね。
いずれにしても、自分のパーソナリティや強みを知ることで、弱点の克服ではなく、強みを生かすという行動へと選択肢は変わってくると思いますので、一度読んでみてはいかがでしょうか?