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Mode-1を極めたあなたこそMode-2にチャレンジすべきだ:ITのモーダルシフトを考える

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1)ITにおけるMode-1とMode-2って何ですか?

最近クライアント企業からこの質問を受けることが続いたので、ITにおけるMode-1とMode-2の違いをまとめてみた。

(話を分かりやすくするために、違いを要約して表現したので、一部に例外はあると思うが、参考にして頂きたい。)

そしてこのMode-1からMode-2へのシフトを「ITのモーダルシフト」と呼ぶ訳だ。

この質問を受ける背景には、ユーザー企業のIT部門や、急にデジタル推進部門、またはDX推進の役割を任命された人の中に、Mode-2へのシフトに躊躇や不安を感じている人が多いからだと思う。

いわく、「今までずっとMode-1だけをやってきた我々に、Mode-2を実行できるでしょうか?」と。

2)Mode-2は、Mode-1の発展形または応用系:

まとめてみて気が付いたのだが、Mode-1とMode-2は、対立する2つの概念ではなく、Mode-2は、Mode-1のやりにくいところ、やっかいなところ、時間のかかりすぎる部分を解消または取り除いて、より迅速で効果的にプロジェクトを推進またはプロダクトを開発するための手法である、ということだ。

または、より変化のスピードが速く、不確実性が高いビジネス領域にITのパワフルな問題解決力をより効果的に活かすために考案された技法とそのセットだと考えると分かりやすい。

つまり、ビジネスに俊敏性(Agility)を産み出すためのITシステムの構築と運用の手法・技法だと言える。

3)Mode-2にこそ求められるプロジェクト推進力とリーダーシップ

不確実で、予期せぬ事態の発生することの多い、そしてなによりも俊敏性を求められるMode-2システムにおいて、もっとも必要とされるのは、プロジェクトリーダーまたはプロダクトオーナーのリーダーシップだと言える。

なぜなら、Mode-2におけるリーダーは、日々刻々と発生するビジネス要件の変化や、顧客やユーザーの要望変化、技術的課題、運用上の課題、などを、出来るだけ早く気づき、解決方法を議論してまとめあげ、多くのステークホルダーに納得、合意を得て、時には大きな方針変更を実行して、プロジェクトを前に進める必要があるからだ。

逆にいえば、Mode-2の各種の手法と技法はリーダーのこの変化を許容しつつも、プロジェクトを迅速に推進すること可能にするための工夫のセットだ、とも言える。

したがって、Mode2に、最も必要とされるのは、問題解決力を持って、プロジェクトメンバーの貢献意欲やモチベーションを高めつつ、ステークホルダーの合意や信頼を取り付け続けるプロジェクト推進力、リーダーシップだと言える。

4)Modeー1を極めたものが知っている、Mode-1のやりにくさ

翻って考えてみると、Mode-1でも予期せぬ事象や変化は発生する。

しかし、Mode-1のやりかたで、変化に対応しようすると、膨大な量のドキュメントの書き直し、ドキュメントを介した合意の再取得、予算とコストの再調整などの、きわめて厄介な事務調整が発生し、この調整に疲弊するなかで、徐々にプロジェクトの推進力が失われる傾向がうまれてしまう。

そして、Mode-1でのプロジェクト管理者は、プロジェクトの現場における問題解決には参加せず、(または参加することを許されず)に、予算と工数管理とドキュメント修正管理に追われることになる傾向が強い。

Mode-1でのリーダーは、「その手法の故に、またMode-1手法の制約の故に「推進者」ではなく、「管理者」の役割を担わざるを得ないからだ、とも言えるかも知れない。

5)Mode-1でのプロジェクトリーダー経験者こそ、Mode-2現場に求められている

 そこで言えることは、本来は現場で問題解決のリーダー/当事者でありたいにも拘わらず、Mode-1手法の制約の中で、不本意ながらプロジェクト管理者の役割を担って来た者たちこそ、Mode-2の世界で、本来の力を発揮できる可能性が大きい、ということだ。

Mode-1世界の制約の中でも、自分なりの方法やスタイルでリーダーシップを発揮し、多くの問題プロジェクトや炎上プロジェクトの修羅場をくぐって来た、Mode-1世界でのツワモノのあなた。躊躇することはありません。

あなたのような人こそ、Mode-2世界でプロダクトオーナーとして力を発揮できる可能性が待っている、と考えるべきなのです。

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