教訓I:「データは21世紀の石油だ」と言うべき、もうひとつの理由
1.石油は19~20世紀の第二次産業革命の原動力。
19世紀後半に石油が本格利用され始めて以来、石油は文字通り20世紀の産業と生活の原動力であり続けている。
自動車、飛行機、船などの輸送機器の動力として、火力発電を中心とする発電装置の原料として、ストーブなどの暖房器具の熱源として、そして、プラスチックやナイロンなどの石油由来の生活必需品の原材料として。石油無しでは現代の産業も日常生活も、娯楽も成立しないことに異論をはさむ人はいないだろう。そして、ロイヤルダッチシェルなどのいわゆる「石油メジャー」と言われる企業群が国際資本として20世紀の経済活動をリードしてきた。
2.21世紀のデータ活用には無限の可能性がある。
そして、21世紀も15年を過ぎたころから、爆発的に革新が進んでいるのが、、IOT, ビッグデータ、AI,データサイエンス などのデータ解析の技術。これらの技術を活用して、大量のデータを解析、活用すれば、今までは到底実現できなかった、ビジネスが展開でき、生活はより便利になっていく可能性がある。そして、FAGAとも呼ばれるネット上のプラットフォーマー企業群も、データの収集と活用を武器として各分野で独占的な影響力を強めている。21世紀の「データメジャー」と呼ぶことも出来るかもしれない。
3.データが21世紀の石油である、もうひとつの理由。
そして、データが21世紀の石油だと言えるには、もうひとつの重要な側面がある。
それは、下記のいくつかの、人類がいままでに学んできた石油にまつわる教訓群である。
1.世界のあちこちに存在するが、「採掘/収集」できなければ、利用出来ない。
2.採掘、収集できたとしても「精製」できなければ、活用できない。
3.「備蓄」するには莫大な設備とコストが必要
4.利用法を誤れば大「炎上」しかねない
そして、最後に
5.ひとたび「流出事故」を起こせばエコシステム全体の崩壊に繋がりかねない
なるほど、データが21世紀の石油と呼ばれるには正当な理由がありそうだ。
そして、これらの教訓をどう生かしていくがが、第三次産業革命ともいわれる、社会のデジタルトランスフォーメーションの成否のカギを握っていると言えそうだ。