「出来る事」と「やりたいこと」を違う軸で設定してみよう!三つの円の重なるところで考える「内発的働き方改革」。
出来る事、うれしい事、やりたいこと、をそれぞれ別の軸で定義してみよう。その三つの円の重なるところで働くことが一番自分に向いた働き方改革なのだ。
1)キャリア相談:
前職を辞めて独立開業してからこのGWで丁度まる一年が経過した。
振り返ってみると、この一年間で、自分の仕事の仕方も、生活のリズムも大きく変わったが、一番大きく変わったのは、キャリア相談、転職相談を頻繁に受けるようになったことだ。
「竹林さんはどうやって今の仕事を選んだのですか?」、「その動機はなんですか?」「どうすれば、竹林さんのようなキャリアが選べるのですか?」などの質問を、少なからぬ知人やかつての同僚、または取引先の方から受ける様になった。
そこで、久しぶりのブログは、このことについて書いてみたいと思う。
2)「働き方改革」は「働かせ方改革」?:
まず言いたいのは、現在政府が旗振りをして推進している、いわゆる「働き方改革」は、働き方改革ではなく、言ってみれば「働かせ方改革」に過ぎないという点だ。
やれ、残業を何時間以上させるな、とか、有給休暇は年5日間は採らせろ、というのは、いわば政府や企業の目線に立った、「企業従業員の働かせ方」についての法律や指導、ガイドラインであって、働くひと、一人ひとりの働きやすさ、働き甲斐や生きがいを増進するための施策ではないからだ。
働き方改革は、誰かほかの人から言われて、外発的動機によって実現できるものではないのだと思う。
自分がどう働きたいのか、どういう働き方をしたいのかを考えて、いわば内発的な動機によって自ら判断して実行してこそ、実現出来るのではないだろうか。
3)三つの異心円の重なるところで考えてみよう。
実は、約1年前に前職を辞して独立開業をしたのは、自分自身の働き方改革を行うことが動機や、目的ではなかった。還暦を近くに控えて、自分はどんな仕事を、どのように遂行して、何を実現したいんだろう、と自問自答の結果、独立開業という今の仕事の仕方に思い至り、思い切ってその方向に舵を切ってみた、というのがその経緯であり、動機だった。
しかし、後で振り返ってみれば、これが自分自身の働き方改革に繋がった、というのが実態だと思う。
そこで、その時に考えた「三つの円の重なるところで、仕事をしよう」と考えたそのアプローチを説明しようと思う。
4)大切にしたい三つの円:
自分のキャリアを考えるときに下記の三つの円の重なるところを探してみよう、というのは良く言われることだ。
A:出来る事、B:嬉しい事(好きな事)、そしてC:やりたいこと。
自分自身も30代半ばのころから、時々この方法で自分の将来のキャリアを考えてみてきた。
例えば
A:出来る事、については、一貫して「ITを活用して企業活動や人の暮らしを改革、改善する事、そのようなプロジェクトの企画と推進に参画すること」、であってこの点に迷いを感じたことはない。
B:うれしい事、については、 仕事の目的を達成して お客様に笑顔になってもらうこと、「ありがとう」といってもらえること/仲間で達成感を共有すること、であってこれも30代の頃から変わっていないし、今後も変わることはないだろう。
難しいのは、C:の「やりたいこと」だ。実は、この三つの円のアプローチをトライするたびに、Cの「やりたいこと」がA)の出来る事、と混じりあうというか、区別がつかなくなるという経験を繰り返してきた。
自分のやりたいことは何だろう?と自問自答してみた時にそれを仕事の内容、目的で考えると、どうしても ITを基軸とした業態改革、新規ITサービスの企画構築、という B)の出来る事、と区別がつかなくなってしまっていたのだ。
5)C)のやりたいこと、を仕事の領域ではなく、仕事の仕方、業務遂行スタイルで定義してみる。
今回、気が付いてやってみたのは、C)のやりたいこと、を仕事の領域、ドメインではなく、仕事の仕方、業務スタイルの軸で定義してみたことだ。
具体的には、やりたいこと、を「自分の時間の使い方を自分で決めたい」、「仕事の優先順位を自分の尺度で判断したい」ことと定義してみたのだ。
考えてみると、企業にフルタイムで勤務している限り、自分の時間は基本的には勤務している会社の組織/チーム、または 自分の上司、リーダーの実現したいことを達成するために使うことになる。また、実行すべき業務の順序も、その組織/チームで決めた順序を優先することになる。それは、それで当然なのだが、それが本当に自分のやりたいことだろうか、と自問してみると、そうではないこともままあることにきがついた。
そこで、C)やりたいこと を、自分の時間の使い方をできるだけ自分の優先順位できめていきたい、こと
と、仕事の領域、内容ではなく、仕事の進め方/実行スタイルの軸で定義してみた。
自分の場合は、その論理的帰結が、フリーランスとして独立開業することだったわけだ。
フリーランス/独立開業には大きなリスクが伴うが、その反面、自分の仕事のスタイルや自分の時間の使い方は自分で決められる、というか自分で決めざるを得ない。
ならば、その軸でC)のやりたいこと を定義してみた上で、A)のできること、b)のうれしいこと
を追求してみよう。それが自分なりの三つの円の重なるところでの、働き方ではないかと、考えたのだ。
6)内発的動機に基く働き方が、自分を活かす働き方
自分で決めた/自分で目指した働き方を追求して、全力を尽くすのが、本当の意味での働き方改革ではないだろうか。内発的動機に基く決定や目標設定であれば、自分に言い訳はできないし、それが一番自分に見合った働き方なのだから。
皆さんも一度そういう振り返りをしてみてはどうだろうか。自分に似合う、自分仕様の働き方改革につながるアプローチのひとつとして。