飛んできたドローンは自分のテリトリーへの侵入者という鳥の世界の当たり前
今や世界各地で平和的な目的、そしてそうではない目的のために飛びかうドローン。当然ですが、それを飛ばしてるのは人間です。そして、そのドローンは人間が支配していないどころか元々生存のためのテリトリーとしていない「空」という空間を飛んでるわけです。ただし、その空間は例えば鳥や虫が支配... とまで言って良いのかどうかわかりませんが、それらの生物がある意味独占していた空間です。
もっと大きな「航空機」であればそれらから見ると明らかに異質かつ自分たちが何かしら闘う相手と認識することは少ないんじゃないかと思いますが、それが一定の空間にとどまっていたり、非常に遅い速度で飛行する特性をもっていて、かつ自分たちの生存環境に侵入してきたと判断した時、当然ですが野生の生物は生存のために闘う事を選ぶのは自然の摂理。
でも、まさかそんなことを想像だにしないドローンの操縦者が自然と闘うことになる事例って、やっぱりあるようです。
飛び交うドローンなんて人間の為だけに有用なわけで
GIZMODE Japanさんで見つけたのが 「海岸に導入された「サメ監視用ドローン」に鳥がマジギレ、海に沈める」という記事。ニューヨークで海岸に接近する鮫を監視するために飛ばしたドローンが、その地域にすむカモメに自分たちのテリトリーへの侵入者だと判断されて海に叩き落されている事案のようです。
そりゃそうでしょ。
ドローンが何かなんて鳥が理解できるわけがありません。彼らにとってドローンは自分たちのテリトリーの上でブーンとか音を出しながら飛んでる謎の何か。彼らから見たらまさにUFO (Unidentified flying object) です。自分たちや自分たちの産んだ卵や雛を襲ってくる敵なのか、はたまた無害な何かなのか。そんなことわかる訳ありません。わからないからこそ追い出す。残念ながら空に浮かぶ見たことも無い飛行体を見て「宇宙人様が来た!私たちが呼べた!私たちは友好的にあなたを迎えますよ!おーい」とか能天気に喜ぶなんて事はあり得ません。いきなり戦闘モードに入りますよ。野生なんだから。
ということで空から叩き落され、海の中に沈められるといった事態になっているようです。
以前他にもドローンを飛ばして居たらハヤブサなどの猛禽類に叩き落されたり、つかまれてそのまま巣に持ち帰られてしまった映像とかも見た記憶があります。流石に怖かったですね。
そもそも鳥に罪は無いなら飛ばした人が悪い?
じゃぁそれを飛ばしてる人に何かあるかというと、多分瑕疵はあるんだと思うんです。自分が使おうとしている機器の影響について考えていなかったという面で。
とは言えそれを責めるのもどうかとは思いますが、でもドローンに限らず「他人の領域に踏み込む可能性のある機器を使う人」の行動範囲が広がると、人間であっても「自分の家の上を飛ぶな」とか「俺の顔を映すな」とか色々起きるわけです。ここで大事なのはその感情は野生動物でも同じでしょというかそもそも動物としての相手との距離感とかの話で、それは本来人間も動物や鳥などでも根本は同じなんじゃなないかと思います。程度の差はあるとは思うんですが。
でもそこでその場でドローンを飛ばしたい用途があると言った時、さて、どうするか。
まさか鳥と交渉するわけにはいきませんし。
ということで、ドローンが空を飛ぶ限り鳥との何らかの揉め事は続くんでしょうねとは思うんですが、その議論の出口は私ごときには良く分かりません。
でも、ちょっと気にはなります。
そういえば人間界と鳥の世界の狭間にある片瀬江ノ島海岸の思い出
小田急江ノ島線の終点が片瀬江ノ島駅。そこから少し歩くと海岸で、その先の橋の先には江ノ島があります。江ノ島水族館とか、今の季節は海水浴場も開設されているとか、少なくとも江ノ島という地名自体は日本全国的に割と知られた場所ではないかと思います。ただ、ここの一帯の空はトビとカラスが支配しているって意外な程知られていないかもしれません。
もちろんそれは別に全国的にココしかないという事は無いのですが、とりあえずこの一帯に居るトビはとにかく数が多く、人を全く恐れず悠然と上空を飛んでいます。そして食べ物を持って優雅に海岸に座っている人を見つけると背後から一気に降下してきて手元からあっという間に奪ってどこかに行ってしまいます。
ハンバーガー
おにぎり
菓子パン
下手すればお弁当
しかも上手いんですよ。こちらの身体に殆ど振れずに「獲物」だけをきれいに持って行ってしまう。私自身はカラスがそれをやってるのは見たことないんですが、トビに関しては目の前で持っていかれているのを何度も見てます。地上に降りてくると意外な程大きくて、それが一気に降下してくるのは本当に怖いんですが、技は見事です。
空から地上までを事実上支配しているのは俺たちだと言ってるのがわかるような、そんな光景ですね。
空は鳥の世界っていうのを思い知らされるような、そんな江ノ島界隈。
でも夏場は本当に混んでるので、世を儚んで海を見に行くのは秋が深まってからにしたいと思っています。