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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

今更マウスには戻れないトラックボーラーの自覚

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私の記憶が正しければ、最初にトラックボールを使い始めたのは2003年。なぜこの年を覚えているかと言うと最初の転職した年で、新たに勤務を始めた先のオフィスで支給されたPCに繋ぐためにそれまで気になっていたエルゴノミックキーボード(左右がなんとなく分離していて肘を比較的開いて使えるキーボードの流派)と一緒に自前で買って使い始めたんですよね。キーボード自体は最初はスイスのLogitechさん(日本での商標は今でもLogicoolですね)のエルゴノミックキーボードでした。ただしその時点ではポインティングデバイスはまだマウスを使っていました。

ただ、メインフレームのダム端末やPC/AT用のメカニカルキーボードに慣れてしまっていた私の使い方が粗くて、比較的ぶっ叩くことが多かったEnter Key(改行キー)の軸が1年弱で折れて宙を舞ってしまい、しばらく接着剤でつけてだましながら使うハメに。でも素材と軸の細さの関係で接着剤では上手く修理できず、更にはちょっと使い勝手に不満があって、ならばと思ってMicrosoftのErgonomic Keyboardに乗り換え。そして殆ど同じタイミングで同じMicrosoftのTrackball Explorerを手に入れました。

ふと思い起こすと、もう20年以上前です。
もう今さらマウスには戻れません。

トラックボールが欲しかった最大の理由はポインターの矢印を画面上でぶっ飛ばせること

正直、細かいところに矢印を持っていくのは当時の光学式が市場に普及する前のボール式のマウスであってもトラックボールのほうが楽でした。それは事実です。もちろんこれは慣れの問題なのは後から自分自身が証明することになるのですが、少なくともこの頃はそんな感覚でした。

ただ、どうしてもトラックボールを使いたかった理由があります。
ポインターの矢印を画面の端から端に一気にふっとばしたかったんです。
そして、他のトラックボール比べて圧倒的に安く売られていたんです。

もちろんマウスでも移動できますけれど、特に当時のボール式のマウスを左右に何度もカチャカチャやるのがどうにも我慢できなくなってたんです。
画面に広がる巨大な表を動き回るときや、複数のペインが開いた何かしらのソフトウェアの設定のペインと編集しているペインを頻繁に往復するようなときに、とにかく一気に矢印を飛ばしたい。

そしてその後の業務の関係でデュアルディスプレイ構成を普通に使うようになると、左右に並べたディスプレイの端から端まで一気に矢印をぶっ飛ばせるトラックボールが手放せなくなりました。同時に時々襲われる手首の腱鞘炎からも開放されたんですが、自分的にはそれは副次効果でした。ただし肩から先を固めたような状態で使うことになるので、最初のうちは上腕が筋肉痛になるとか使ってみないとわからない状態にも陥りましたけれど、これまた私の記憶が正しければとにかくそれ以来外付けのポインティングデバイスとしてマウスを自分から使ったことはほぼゼロです。

なお価格について、当時でも他の有名メーカー製で1万円を超える物が普通にあったのですが、Microsoft Trackball Explorerは定価が5800円で、でも世の中的には不人気だったので4000円を割る位の値段でも普通に売られていました。ちょっと高級なマウスより安いくらい。今考えると信じられないんですけれど。

長く使ったMicrosoftのTrackball Explorerは戻ってこない

これが廃番になったのは確か2006年。その時点で持っていたのはスペアを含めて2つ。一応オフィスにおいているのと自宅用ですが、複数持っていた理由は他にもあります。実はこのMicrosoft Trackball Explorer、特に赤いボールの支持部に機械的に弱い部分があって、この部分の補修パーツがAmazonやeBayで売られていたりしたくらいでした。
あとは、時々鼻の脂をボールに塗らないとボールの支持部の滑りが渋くなるとか、もうなんだか骨董品みたいに手がかかります。

とりあえずいずれにせよこの時点で既完全にトラックボール、それも正面に大玉の付いた人差し指と中指でボールを転がすタイプでないと身体が受け付けません。
マウスに戻ろうとしたり、他のメーカーのトラックボールも色々試したり買ってみたりしたのですが、結局ここに戻ってきていました。

ヤバいです。

その後マイクロソフトに対して再生産の嘆願が世界中から出たり、中には金型をマイクロソフトから買い取って自力生産させろと迫る厚志家が出てきたりと色々あったのですが、結果的に今の2024年の段階で再生産は一度も実現していません。でもいずれにせよ世界中にファンがいたのは間違いないんですよね。

ということで新しいトラックボールを求めて路頭に迷った人は結構いるようです。
少なくとも私はしばらく迷走しました。

ヤフオクでTrackball Explorerをひたすら求める日々の思い出

とにかく壊れるのが怖い。でも所詮機械です。メカです。形あるもの何時かは滅びます。
でもそれは困る。なんとか抗いたい。ということで、何年かヤフオクを中心にTrackball Explorerの落札で頑張った時期がありました。一応上限は9000円くらいと決めていたのですが、新品元箱未開封とかだと2010年あたりでも平気で20000円とかで落とす人がいてIT格差は財力の格差という側面があることを嫌と言うほど思い知らされました。でも頑張った甲斐もあって、実は今時点で息子が使っている1つを含め完動品が5つ、過去にお店で買ったけれど回路がだめになって部品取りのジャンクになったものが1つ手元にあります。

ただ、新品で買ったのは最初の2つで、あとはオークション。買ったものは完動品なのですが、個体の状況差がやっぱりあって自分的にはちょっと使いづらい子もいます。
更に言うと、生産終了は販売終了の更に前ですから、おそらく2005年くらいには製造ラインは閉じてるわけです。新品未開封でも10年とか15年前の子。うーん、どこまで玉突きで使い続けるか、流石に悩み始めました。

そしてELECOMのワイヤレストラックボールマウス"HUGE"へ

諸般の事情によりBluetooth接続をどうしてもしたくて、更に人差し指と中指でデカいボールを転がせるトラックボールを探す時期が長かったのですが、最終的に落ち着いたのは2019年。ELECOMのワイヤレストラックボールマウス"HUGE"って子です。そして更に諸般の事情により昨年の夏に2つ目を買ったのですが、今時点でこれを並列で使っているという変態状態なのですが、他に手段がないのでそこは諦めてます。

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とはいえ、いずれにせよ今更マウスには戻れません。画面を見ながら指でポインターの矢印を動かすのは得意なのですが、手首のスナップを効かせてとか、ちょっとむつかしいです。ノートPCのタッチパッド系やトラックポイント系は全然問題ないのですが、なんだかマウスはぎこちなくなります。何やってるんでしょうね私w

ちなみに先日も外付け英語メカニカルキーボードもそうですが、例えばPCの本体とかには殆ど興味はないのですが、物理的なユーザーインターフェイスとしてのキーボードとポインティングデバイス(私の場合はこれがトラックボールですが)についてはどうしても嫌なものを使いたくないという意識は昔からあります。

年取ったから頑固になっちゃったんでしょうかね。
でも一応プロの道具として手に触れるところはこだわっても良いんじゃないかと思い込んでたりします。
今の自分が何のプロなのかよくわかりませんが。

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