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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

武雄市がFacebookのアカウントを市職員の大半に取得させて諸々活用しようという動きってどう見ると面白いのかな

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とりあえずソーシャルな何かを企業なり何なりが活用して行こうぜ論が幅を利かせる中、一体何をすればよいのだろうと考え込む人がいて、それじゃぁお手伝いしましょうという色んな人がいてという構図は別にソーシャルな何かに限った訳ではなく、昔から業種業態その他諸々を問わずにある話です。で、大抵の場合、考え始めた人や悩んでる人が欲しがるのは「事例」。誰かの成功事例はやっぱり聞きたい。何を考えて、どうしてそれを選んで、でもって今はどうなってるのか、そして今後はどうしようとしているのか。中には使い始めて直ぐに事例として紹介されていて「でもこれって事例云々の前段階でしょ?」とか思うケースにも出くわしたりして色んな事情が透けて見えるわけですが、まぁそこはぼんやりと眺めておくに限ります。

因みに成功事例と同じくらい需要があるのが失敗事例で、どこに注意しないと駄目になるのか、何がその兆候なのか、どうやって上手く撤退したのかなど実は成功事例よりも余程ためになる情報を得る事ができるケースもありますが、誰しも自分の失敗はあまり人に言いたく無いもの。そもそも「成功するまでやるから失敗はない」系で押し通すともっと大変な事態を招いたりするケースもあるんですが、個々の何かの事例を引き合いにして説明する場では無いので、そこは割愛します。

で、たとえばソーシャルな何かの活用事例として目に留まったのが・・・

 

武雄市の、市職員の大半にFacebookのアカウントを取得してもらい、それを市としての情報発信やら何やらに活用するぞという事例

元々Twitter上での活動が話題になったこともある武雄市ですが、事Facebookについては昨年から市のWebサイトをFacebook上に移行するぞという流れが伏線にあり、市職員にまで直接裾野を広げようという話になってきているわけです。因みに事例として考えると市(正確には市役所ですが)のFacebook Pageは既に運用中の事例であり、市職員への展開については発表された段階ですので事例とはいい辛い。でも、少なくともそういう方向に舵を切ったのねということだけはよく判るわけです。

もっとも、個々の市職員がそれぞれの職責との絡みで何をいうコトが出来るのかっていうのは服務規程やら条例やらが絡む部分もあったりして興味が尽きないのですが、市としての取組であると市長自ら記者会見を行って発表した以上は、それなりの方向が考えられてるのだろうなとは思います。

 

事例として考えると、どう捉える事が出来るのか

となると、実は事例として参照できる側面は二つある事に気が付きます。1つは間違いなく地方自治体としての取り組みと言う部分。ここまでFacebookに入れ込んでいる地方自治体というのは日本には殆どありませんから、これは間違いなく先進事例と言えるんだとは思います。因みにFacebook自体が先進的かどうかではなく、こういう仕組みを地方自治体がどっぷりと活用するという側面の方が私的には面白いと思うのですが、まぁこれは人それぞれ。

そしてもう1つは、本来ガッチリと服務規程がある立場の人が職務上の事をどこまで言えるか言っても良いかと言う手探りの部分についての事例という側面があるんじゃないかと思います。

たとえば外資系企業、特にIBMを始めとするIT系の企業の場合、自分の立場を明確にしたうえでキチンと自分で判断してモノを言いなさいというルールが明確に存在するケースもあったりしますが、実はそうじゃないところの方が多いのが実情じゃないかと思うんですね。ルールで規制しているところもあれば、そもそもルール自体が存在していないところもある。でも、参照するべき事例が外資系ITのあの会社やこの会社なんて話ばかりだと「そりゃそういうところはそうでしょ」みたいな感じになってしまうことも多々あるわけですが、これが地方自治体という立ち位置での動きであれば全然受け止め方が違うような気はします。

もちろん自治体としてソーシャルな何かへの取組をどうするよという部分で眺めるのは一つの正しい見方だとは思うのですが、ちょっと見方を変えると違うものが見える・・・ ような・・・ そんな気はしています。もちろん事例としてはこれから形作られるものなので、今の時点では何かしら評価するべきものではないわけですが。

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