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Google Wave 終了日程のお知らせ

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2009年に「なにそれ?」という感じでスタートしたGoogle Wave。ただ、サービスが始まってからも「なにこれ?」というのが払拭できずユーザー数が全く増えないまま2010年に開発を凍結する発表があったのですが、その終了に向けてのスケジュールが漸く発表されました。

結局のところユーザーあってのサービス。これは別にGoogleだから特別だって訳でもないし、実は他のサービスプロバイダーでも同じな訳ですが。

 

実は事実上3ヶ月で終わっていたGoogle Wave

今、ふとGoogle Waveの画面を見てみたら、私が最初にGoogle Waveに入り込んだのが2009年の10月。ただ、その時点ではさっぱり何ができるのかわからず、その後も何となく放置したまま何かしら最後に書き込んだのが2010年の5月。その間の書き込みは数行。とりあえず私にとってこれが何かってのは結局わかりませんでした。

ただ、こういう話をすると「お前がわかっとらんだけじゃ」というお叱りを受ける事もあるのですが、事Google Waveについては世界中でそういう人が多かったらしく、2010年5月のサービス一般公開からたった3ヶ月で「なんだか全然駄目なんで、もう開発やめます」というアナウンス。もちろんその頃と今では既に社会全体も含めて事情が違いますし、Google自身もGoogle Labの話やらなんやらと変遷を経ている中での出来事ではあるんですが、まぁ、なんといいますか・・・ そんな事もありました。

 

終了のお知らせ、そしてマーケティング屋としての他山の石

もちろん開発やめますアナウンスの後は事実上そこにあるだけというサービスだったわけですが、遂にこういうお話が発表されました。

Final steps for Google Wave

2012年1月末日でRead Onlyとなり、4月には止めますというお話。だから私は悲しいとは思わない程度の通りすがりのユーザーではありましたが、少なくともそれなりの感慨はあります。たとえば?もちろんソーシャルな何かという世界での栄枯盛衰という物もあるのですが、マーケティング的に市場をどう理解し、そこに対してどういうプロダクトやサービスでリーチし、どのようなポジションを取ろうとしていたのか、そしてそれらをどのようにプロモーションしようとしていたかと言うところでの、なんだかとても大きな事例なんじゃないかと思うんです。1つの失敗事例として。

 

敗軍の将が誰だかよく判りませんが、何かそこに学べるところはあるんじゃないか

因みに関係者以外で何かしらの失敗事例を直接詳しく目にする事ってのはあまりありません。大抵の場合、いろんな経緯は表に出ないまま、たとえば何かしらの理由で新しいものに移行しますとかなんとかの形をつくり、それ自体がどうだったかという評価を受けにくいような形で収束させる事が結構多かったりします。そしてそこに関与した人たちがその内情について口を割る事ってのはあまりありません。

もちろんそこには守秘義務とかがありますから難しいのは当たり前なのですが、たとえばPublicにサービスする、たとえばこのGoogle Waveのようなものが立ち上がった後に非常に短期間で駄目になるというのが衆目に晒されていたというのは非常に多くの教訓を残しているのではないかという気がします。

じゃぁそこから教訓として何を学ぶのか?いや、それはそれぞれの立場立ち位置によるでしょうけど。

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