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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

朝日新聞デジタルのサービス開始を踏まえて有料化されるメディアとそもそも有料のメディアについて考える

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朝日新聞デジタルが有料サービスとして運用開始。実は元々日本経済新聞を購読していて朝日新聞は購読していない私としてはふぅんという感じではあるのですが、それでもメディア全般を眺めたときにそれなりに考えるところはあります。

そもそもメディア自体も営利事業ですから何かしら収益が無いと組織を維持できないのは当たり前なのですが、Web上でのニュースサイトなどは購読者から直接お金を取るサービスとして成立できるかというのを過去から営々と試行してきているわけですが、定着しているようで定着していないようなところもあるわけで・・・

 

そもそも情報を収拾して何かしらの形で提供するのにはお金がかかるわけですが

世の中にあるメディアは、いわゆるFree Paper的なものを除いて基本的に購読料を取るものがまず基本だった時代を長く経験してるわけです。雑誌にしても書籍にしても、あるいは新聞にしても同じですね。それに対してテレビやラジオなどの媒体の場合、視聴者もしくは聴取者から直接お金を取る形態というのが殆ど無く基本的に広告収入が軸(といいつつ付帯事業での収益というのも勿論ありますが)であるわけです。そんな事お前に言われなくても知ってるよ?そうですよね。失礼しました。

因みに例えば通信社であるとか何かしらのデータベース事業者みたいなところから一定の質の情報を特定の人あるいは必要とする人に届ける有料の情報提供サービスというのはずっと昔からあったわけですが、それに対してWeb上での情報提供サービスには無料の部分が非常に多く存在してきました・・・ ってのも当たり前っていうと当たり前なのですが、結局ここで起きたのが「お前が出す情報に金を払う価値があるかどうか」という非常に冷酷な評価。

なにしろいろんなルートでいろんな情報が手に入っちゃいますから、無料か有料かってところで線を引かれると無料に勝てるわけが無いというのは一応市場原理として正しいわけです。

 

お金を払ってでも欲しいモノなのかどうか

ココをどう判断するかでしょうね。たとえば私の場合、特に最近は海外国籍の経済系情報については非常に高い関心をもって接しているので、所謂記事であればともかくコラムや解説記事などについて有料のハードルを設けられると、それはそれで必要であれば払いますよという気になれます。

このあたりの価値観というか値ごろ感は人によって違うので、別に何がエライとか何が正しいかとか言う次元の話ではありませんが、問題は「情報と安全とサービスはタダで手に入るもの」的な意識がどこかにある事が多いこの世の中、中々簡単には受け入れられないところもあったりするわけです。

因みに安全については流石に時節柄色々とありますが、それはさておき・・・

 

Control Circulationの未来と可能性

無料で手に入る情報の傍らにお金を払わないと手に入らない情報がある、というのは個人的には正しい姿だと思っています。そのあたりの塩梅って言うのは簡単じゃないですし、それが事業としてどの程度成り立つのかっていう純粋にビジネス上の課題もありますが、ひとつの姿ではあると思うんですね。

ただ、そうなるとどこまでExclusiveでSureな情報がそこから得られるかというところが勝負になるわけですし、またそれをネット上で展開するのが良いのか、実は紙の方が良いこともあるんじゃないかとか、映像にどこまで頼るのかなど、まぁ色々とあるとは思います。

でも、そういう立ち位置を情報提供側が頑張るだけではなく、情報を得る側が育てる必要があるような気がしています。それがマスメディアなのか?みたいな議論になるとちょっと違うかもしれませんが、パーソナルメディアというほど小さいところに嵌まり込むものでも無いような。

 

いや、自分がこうやってブログという形で考えている事や見聞きした事を文字にしている日常も踏まえつつ、いろんな立場の人の思いをそれぞれの方の文章から拾いつつ、別に電子出版なんて形だけじゃなくてその情報に適した形で得られる場がなくなると困るよなぁと思うんです。

なんだかまとまりの無い話なんですが、なんだかその辺がずっとモヤモヤしてるんです。いわゆるメディア業界とは直接関係無い素人の視点なんですけどね。

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