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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

GoogleのテレビCMは、一昔前のマイクロソフトと同じっぽくない?と思うキモチ、そしてコンテクスト。

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まぁイメージを形にするとどうしても似たようなモノになるケースっていうのは良くある話ですが、たとえば今でいうIT系の企業が語る夢をCMにすると、実は10年とか20年とか前の当時元気だった企業が提唱していた夢と基本的に同じだったりする事があります。実は結構あると思っています。

だからといって、別に昔はさぁとか講釈を垂れる気はありませんし、だから今の若い奴は何も知らないからさなんてブツブツ言う気もありません。たまたま私の場合にはそういう流れの中に居た時期があったから良く判るわけで、それを知らない事とか気が付いていない事っていうのは別に悪いことでも無いと思います。

でも、知ってる事や気が付いている事、そしてそこに何か学んだことってのがあるかどうかっていうのはちょいと色んなモノの理解に差が出るとは思います。それがコンテクスト。

 

昔からプロモーション映像の名作ってのはありました。で、その発想は大抵今でも通じるんですよね、実は

Apple Computerが1987年に作ったKnowledge Navigatorっていうのは多分色んな発想の原点になってる気がします。この映像に私が最初に触れたのが多分1995年くらい。でもその頃はそれをちゃんとは意識していませんでした。でも、たまたま機会があってその後1999年にもう一度キチンとそれをみて、かなりショックを受けたのは事実です。その時期を含めて前後数年間っていうのはプロモーション映像を一生懸命作っていた時期なのですが、その頃の発想と基本的に同じモノを既に10年以上前からやってる人がいるじゃん… ってのは或る意味ショックでしたけど、でも自分の考えている事がそれほど間違いじゃないよね、ってのを確認するためのベンチマークになったのも事実。

ちなみに、Knowledge Navigator自体は現在はYoutubeなどでも見れるようです。以前は映像をおさめたビデオを手に入れる事自体がとても難しい事でしたけど、とても便利な世の中になったモノです。

 

インターネットのお陰で云々とは言いたくないのだが、でも過去の素材が楽に入手できるようになったというのは確かに便利になったモノであるわけで

もちろん他にもいくつもあるんです。実はそれなりに勢いや余裕がある(もしくはあった)企業が制作したプロモーション映像ってのに結構おもしろいモノがあるんですが、著作権以前に門外不出になっていたり、そもそも原版の行方自体が判らなくなってしまっているモノって多いんですよね。これは自分が嘗て勤務した所でもあった問題だったのですが… 色んな事情でそういう風になってしまったってのは、まぁ仕方ないよな、と思うところもあるわけで。

あ、それでもう一つ言うと、日本の企業が作った映像で本当に本気でおもしろいと思ったモノっていうのは正直殆どありません。もちろん最近は少々事情が違ってきましたけれど、たとえば10年前以前にそんなモノがあったかとういうと、正直思い当たりません。単に私が知らないだけなのかもしれませんが、でも、結構万博クラスまで含めて色んなイベントの現場なり映像なりを見てきた中で、キチンと夢の部分を伝えるために発想し、努力して制作した映像ってのに余りであった記憶が無いんですよね。どうしても製品の話や、その企業自体のプロモーションになってしまう。CreatorやTechnology Guyの夢を形にするというところでのFree Handを許さないっていうところがある、気がするんです。

まぁ、私のつたない経験がナンボのもんじゃいってのを言われるとそれまでなんですけどね。

 

ってことを踏まえつつ、たとえば自分がやるべきことってのは、「多分自分が見てきた良き時代、良き先例を今に伝え、それを踏まえつつ何をするべきかっていうガイドをする」という部分と、「お前それは無理だ無茶だと若い奴に文句を言いつつ、その無理や無茶が実現できるように土壌を整える」という部分じゃないの?という事だと言う気がしています。

この部分、私的には「プロデューサー」のお仕事だと思ってるんですよね。もちろん自分でやりたい部分ってのはあります。でも、さすがに色んな事情で無理は出来ない所っていうのが昔よりも増えてしまっているのは事実。もちろんやる時は今でも何でもやるんですけど、昔からどちらかというとディレクター(現場監督)として動くよりもプロデューサー(統括)として方向性の提示と現場が動きやすい環境を作ることが好きな性分ゆえ…

 

いやまぁ、なんだか正月って物事を考える時間が長い分、色んな事を考えちゃいます。

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