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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

地デジになるとラジオでテレビ音声が聞けなくなるよねという事実

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色んな議論を巻き込みつつテレビの地デジ化が進んでいるわけですが、周波数は変わるわアナログからデジタルに変わるわで、当然の如く今まで普通のFMラジオのちょっと上の周波数で聞けてた1チャンネルから3チャンネル付近の放送の音声って聞こえなくなるわけです。

そんなの別に良いじゃんって?いや、簡単に切り捨てられない状況って意外にあるモノで・・・

 

私的には普通にラジオで聞けることが確かに何気に便利だった時期もありました

たとえば子供がまだ赤ちゃんだったころ。テレビのニュースは見たいんだけど音声をそれほど大きな音で出したくないようなとき。たとえば、2時間も泣きつづけたのを漸く寝かしつけてしばらく静かな時間がきたっていうような時、とりあえずテレビの画面はつけたまま、洗い物とかしながら手元でラジオで音だけ流すってのは結構やりました。もちろんこのあたりの使い方ってのは人それぞれですが、私の場合にはそんな時期を過ぎて、しばらくそんな世界をすっかり忘れていました。

が・・・

実は何気にラジオでテレビの音声を聞いてる人って少なくないという事実。じゃぁ地デジでいいじゃんって話は当然のように出るわけですが、ケータイのバッテリーを想像以上に消費するってのは問題だし、そもそも今のラジオほどどこでも入る状況ではない。インターネット経由でテレビ放送見れるんだしさとか言っても、そもそもラジオでテレビの音声を聞く状況にPCがあるなんて考えるほうがアホらしい。

もちろん無線屋という立場から考えたときに、そりゃ今までのラジオじゃダメだよってのは考える間もなく判りますが、それでもさ、ってのを考えたくなる状況の方って意外と身近にあるような雲行き。

しかし、ラジオでテレビの音声を聴くっていうのは本来はテレビの音声を傍受してるだけで、放送としての存続とそれを聴けるってのは別の話だしなぁとか、色々と大人の事情と視聴者(つか聴取者)の事情とが相まって、なんだか微妙な状況。じゃぁ救う方法があるかと言うと、少なくとも今のラジオはどうしようもないわけです。メーカーとして地デジテレビ放送の音声を聞けるラジオを発売するのかどうかなんてのは、それこそメーカーの商品企画の人に聞くしかないんでしょうけど。

 

新しい技術への移行期間ってのはいろんな事が起きるのはどんなモノでも同じなわけで、それが一般消費者に近いところだと多くの人がそれに気づいちゃう。勢い、地デジを見れない旧いテレビの不法投棄が増えたりとかいろんなことが起きちゃうわけですが・・・

そんな色んなことを内包しつつ、地デジ化の道は光の道よりも先に進んでゆく年の瀬です。

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