アナログに戻せる程度の先進技術の導入度合いが必要なコトもあるかと
不肖岩永、これでも通信事業の末席で禄を食んでいるわけですが、色んな流れの中で色んなモノが見えたりすることがあるわけです。たとえば、通信インフラに極端に依存しすぎてしまった後でそのインフラ自体が機能しなくなった事態に遭遇したとき、さて、どうなるんだろう?とかは、普通に考えるわけですが・・・
9月1日の防災の日の訓練の報道にみる、通信インフラの重要性と、通常の位置づけとは違う信頼性の問題
大規模な地震災害に対する防災訓練として自治体や警察、消防、そして自衛隊などに加えて、今回は正式に訓練に参加したNGOの人のインタビューを見て思ったのが、「素晴らしい通信インフラと設備があれば状況は直ぐに把握できるし、いろんな意味でとても勉強になります」という主旨の発言の後のコメントだかなんかで、「ただし、その素晴らしいインフラがどの程度生き残っているかというのは別の話なので、実際は大変だろうなというコトも改めて考えた」という主旨の発言も耳にしました。
これ、正直話、その通りだと思います。それこそ、基本的に自分たちの行動に必要な装備を自分たちで持って完全に自律組織として何処にでも動ける余力の非常に大きい自衛隊のような組織ならともかく、そもそも自治体から何から、通信事業者や自分たちで運用しているインフラを利用することが前提なわけです。でも、特に地震などの災害時には多かれ少なかれ被害は受けます。地域が停電すれば通信ネットワークもブラックアウトします。無線ならば基地局とアンテナ、有線なら架線が損傷を受ければ復旧までは使えません。でもそれらが一番必要とされる初動の30分、3時間、3日間にどれだけ利用できる状況におけるかというのは正直判らないところがあります。
もちろん、色んな人が可能な限り頑張るとは思うのですが、でも判らない。判らないなら、それがあればここまで出来るけど、無いならこういう方法が出来るぞというコトを日ごろから訓練していないとどうしようも無いわけです。便利さに慣れてしまうと前を忘れてしまう事は良くあるわけです。
オンラインが止まったら仕事が出来ないぞ
話をぐるっと変えて、たとえばITの世界でのたとえで言うと、どこでのトラブルかは別にして、自分の目の前のPCがサーバーなり何なりに繋がらなくなったら全く仕事が出来なくなる人ってのは本当に山のようにいると思います。かく言う私もその一人で、「Twitterが止まったら呼吸が出来なくなる」なんてのは半分くらい冗談だとしても、メールサーバーに繋がらない、LANが切れたみたい、PCが壊れた・・・ ありとあらゆる危険性がそこに潜んでいるわけです。
残念ながら仕事上どうしてもこれが使えないと本当に何も出来なくなるっていう種類のモノもあり、たとえばメールのシステムについては正にインフラの王様かもしれません。でも、それ以外の業務アプリケーションのサーバーが止まったりすると、実際のところ仕事は止まりますが、メールだけ動いてればまぁそれなりに片付ける事はあるわけで・・・
でも、既に大昔の全て紙がベースであった時代に戻ることは簡単ではありませんから、これはかなり依存症が高いエリアと言えるわけですよね。
で、更にもっといろんな事が起きると想像できるんですが
こんな事、起きそうだよねって話題としてですね・・・
- 現金なんか殆ど持っていないのにお財布ケータイが水没したので電車にも乗れなければコンビニでお茶を買うことすらできません。
- 出席情報はケータイの位置情報とリンクしているのですが、学校のWiFiがおかしいので出席が取れません。よって休講にします。
- サーバーがDoS攻撃を受けたので、電子書籍新刊の配布(というか発売)は当分延期にします。
↑これらは、たまたまそういうネタをTwitter上で知人と話しているときに思いついたというか出た話題なのですが、こんなのが日常起きる危険性を持っているわけです。
実際のところ、ケータイに殆ど全ての自分にとっての関係者の連絡先が入ってる私の場合、ケータイを忘れて外出してしまうと、指が覚えているカミさんのケータイと自宅の電話以外に連絡を取ることができません。退化が甚だしい。
でも、今更全部を手書きなり何なりのアドレス帳に書き直すのも無理です。それはそれで危険極まりない。でもそれ以前に細かい文字が読めないという老眼の進行状況が・・・
デジタルの世界、いろんな種類のネットワークが張り巡らされて色んなモノが便利になってるわけですが、それに依存しすぎると後戻りできなくなるってのもあるよね、というコトを思いつつ、じゃぁどうしたらいいんだろう?