水族館の補修に苦労する自治体、という報道にみる公共財の運用と保守とコストの考え方
色んな自治体やら何やらが持つ施設のひとつとして水族館があります。それぞれが特徴を持って運営されているわけですが、一度作ったものは完成した瞬間から劣化が始まるのは全てのモノに共通する問題です。それは道路やビルなどと全く同じ。更に条件の悪い事に、海水を扱う以上施設や設備自体の劣化が比較的早く進むという問題もあるようです。
まぁ、言われてみればそうだよね、という話ですが。
たとえば私が行った神戸市の須磨海浜水族園もそのひとつで・・・
現在は外部に運営委託されていますが、事業主は神戸市。現在は来場者数も比較的安定しているのか、(夏休み期間というコトもありますが)とても活気に溢れた施設、と言ういう風に見えました。
ただ、一部の施設の改修工事が「ようやく終わりました~」的な告知が付いている施設もあり、やはり施設の維持管理にはそれなりに苦労してるんだよね、ということはよく判ります。内情はよく判りませんが、それでも比較的安定しているんじゃないかとは思うのですが・・・
いくつかの報道に見る、水族館の長期運用の大変さと2020年問題
たとえば池袋のサンシャインにあるサンシャイン国際水族館が来月から1年休館する報道などをみるにつけ、いろんな事を考えたりします。有る意味日本の経済が上向きであった頃に全国各地に多くの「公共施設」が出来たわけですが、日本中の幾つかの水族館がその流れにのってオープンし、そして2020年頃にはそれぞれが大規模な修繕をしないと施設や設備を維持できない時期に来るという話。
う~ん・・・
言い古された言葉で言うとTCO、つまり所有する事によってかかる全体の費用をどこまで最初から読み込んでいたかというコトですが、経済状況の変化やそれぞれの施設を取り巻く環境の変化から、おそらく多くの施設が苦労することになるだろうという報道も見られます。
う~ん・・・
どんなものにも一度作ったらその後には劣化するという宿命があります。それを維持しつつ、適切なタイミングでそれらを改修してゆくという、一種のライフサイクルマネジメントが必要になると思うのですが、他の建築物などより非常に早く劣化する施設で、それが施設なり運用主体の財政的な負担を必要以上にかけないようにしつつってのは、やっぱり簡単では無い話。
色んなモノに置き換えて、色んなモノの問題として考えられるコトですが、作るだけ作って終わりということではなく、やっつけ仕事でどうよって言うことでもなく、そういうのをキチンと考えて維持してゆくこが出来るというのは、有る意味成熟した社会に求められる大きな課題なんじゃないのかな?と思った次第。