使いようによっては違う結果が出るというのはモノでも考え方でも同じという事実に改めて気づいて愕然とした自分が情けない
マーケティングコミュニケーションを今までの人生の比較的長い期間に亘って生業としてきましたし、今でも何かしら人に説明したり説得したりする事がそれなりに多い私。そのための考え方や純粋なテクニックの部分などそれなりに自分として勉強してきましたし、実践もしてきました。データセンターの営業というのが振り出しでしたが、あるときにはデモセンターのプレゼンテーション要員として、あるときには宣伝担当者として、またあるときにはイベントの主催部門として、あるときには特定の製品やサービス、果ては概念自体のプリセールス的な役割として・・・
ある意味そこでその場において自分が駆使するのは基本的に自分の話を如何に聞いてもらい、意図した方向で納得してもらい、そして次の行動に繋げるという為の知識と技術なわけです。もちろんそれだけではありませんが、人と話をするという部分では多かれ少なかれそういう行動をとるわけですが・・・
テレビの番組で見た「如何にして振り込め詐欺系の話に引っかからないようにするか」という特集に愕然とするの巻
たとえば意味不明の電話で「あなたの家族が借金を残してる。直ぐに払ってよ」系の話が題材として取り上げられていました。最終的には弁護士と相談してお金を振り込まず犯人も逮捕されたという事件だそうなのですが、電話のやり取りの録音を聞きながら・・・
- 「こういう風に話を進められると自分で納得した気になってしまいます」
- 「ここで理論が飛躍してるのを気が付けなくなってしまうんです」
- 「いきなり相手の土俵で闘わされてしまうとダメです。自分の土俵に持ってこないとダメです」
などなど。
この話自体はフムフムと納得できます。何度かの電話のやり取りを見ながら番組の中で分析していることは確かに正しい。「そうか。ここでこういう風に話を聞きなおすとかすれば良いんだ」なんてのはとてもよく理解できます。ただ、問題は、そんな状況で自分がそうできるかどうかが最大の問題ですが・・・ と、ここまで考えて、ふと、気づいたんです。
「私のプレゼンテーションのスタイルって、正にこれだよ」と。
たとえばプレゼンテーションの役割はお客さまの背中を気持ちよく押してあげる事、という考え方
もちろん嘘は言いません。
ビジネス上、あるいは何らかの事情で微妙にはぐらかさざるを得ない部分があるケースもありますが、それでも嘘は言いません。ここは一環してます。でも、自分の土俵にお客さまを呼び込み、一気にお話をさせていただき、そのセッションで得るべき点について御納得いただくという行為に必要なテクニック自体は、基本的に前述した振り込め詐欺系の話と共通する部分があるんじゃないかと。
もちろん嘘は言いません。
ただ、人の行動原理、それに基づいた説得のための理論、こちらの話を聞いていただく技術的な部分・・・ 決して恫喝のような事はしませんが、ベースのところは同じような考え方じゃないかと思うんです。
う~ん・・・
使いようによっては違う結果が出るというのはモノでも考え方でも同じという事実
それに気づいてからは非常に複雑な思いで番組を見ていました。いや、別にだから私のやってきた事を卑下する気はありませんが、物事というのは色んな側面があり、色んな使いどころがあり、色んな結果をもたらすというのは当たり前の事なんだよねと改めて思った次第。
いろんな意味で勉強になります。