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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

ちょっと微妙なバルセロナでのGoogleシュミットCEOの迎えられ方に見えるもの

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普段敢えて触れないようにしている通信ネタなのですが、これはやっぱりちょっと書こうかなと。何?いや、バルセロナでのGoogleのシュミットCEOの立ち位置の話。

 

個人的には、この議論の問題はネットワークと言うものの存在をどう捉えるかなんじゃないかと思うんです。確かに普通、ネットワークと呼ばれるものとして意識するのは、例えば手元のLAN、通信事業者から伸びてくる物理的な通信回線の端子、ブロードバンドルーターなどで、その裏側がどうなってるかなんて意識する必要は無いものです。ケータイやデータカードもその類かもしれません。

そして次に見えるのが、たとえばプロバイダーのログイン画面だったり、何かしらのWebサイトの画面だったりするわけです。この部分で考えても、その間が一体どうなってるのかなんて意識する必要は無いものです。

普通は。

 

でも、以前のエントリーでも書いたのですが、間を埋めているのは空気ではなくて・・・

IT 業界の中で「誰かが繋ぐ」という視点が欠ける件についてというエントリーを書いたのは昨年の3月。この話は結構根本的な話なのだけれど、それについて騒ぐ人って余り居ないのは事実。で、やっぱり同じ根っこの話がこうやって出てくるわけです。

そう。間を埋めているのは空気じゃなくて、光ファイバーなり銅線であり、それを制御する交換やルーターの塊なんですね。電波も有限資源ですが、その意味では有線も有限な資源だし、設備の準備から運用までコストがかかる話です。

もちろん以前から通信事業者とISPあるいはASP各社に対するネットワークのタダ乗り論争はありますし、それらがなんら解決したわけでもないのですが、その意味ではGoogleは一つのASPと言う風に見えるわけです。しかもとてつもないSuper Power。

とはいえ、一方にはGoogleが1Gbpsのファイバーでのサービスをアメリカで展開するぞという話もあるわけですが、実際のところアメリカの通信事情を踏まえた上でこそ意味がある部分って言うのもあるので、それが何をもたらすのかについてはよく判りません。

あ、これは私がアホなので理解していないだけなのかもしれませんが。

 

インターネットのデータトラフィックは増えるのわかってるんだから、そんなの事前に準備しておけよ論の存在について

もちろんそれはある意味正論です。ただ完全に国営の利潤を求めないインフラであれば事前投資も出来なくは無いでしょうね。けど、大抵の国の大抵の通信事業者は多かれ少なかれ利潤を出す事を求められます。大きく分けると、インターネットなどの用途が広く解放されている国や地域の通信事業は基本的に民営化もしくはそれに順ずる体制になっていますし、そういった用途に開放できない国や地域は国営だけしかなかったりするわけです。

需要が高まり、かつ一定の利潤がそこで出せるのであれば国営ではなく民営化するというのが基本的な流れ。で、問題は利潤が出せる範囲での投資じゃないと銀行もお金を出しませんし、政府の資本が入ってるにしても利幅がわからないものには投資をするなと当然のように口を出すわけです。それ以前の話であれば最初から国営事業なりなんなりでやってるでしょうし。

とりあえず通信業界の片隅に席を置く私として、それでも元IT業界の人間としては両方の理論が判ります。言っている背景も理解できます。ただ、だからこそ「この溝って深いんだよな」とシミジミと思うんですよ。

 

因みに垂直統合モデルと水平分散モデルというのが通信業界を見るときに良く言われますが

ITと通信の両方の業界を見てきた立場としては、正直一長一短あるなと思います。この議論をし始めると大変な事になるのでココまでにしますが、いわゆる土管の部分、その上の通信事業者として最低限提供するべき役務としてのサービス、そしてコンテンツなどの付加価値サービスと言うものの位置づけをもう一度見直し、誰がどこでどのようにコストを負担し、巨大なシステムとしての通信システム、そしてその上で動いているインターネットワーキングの世界を維持し、かつ時代のニーズに合わせてゆくのかと言うところは、そのインフラを利用する全てのプレイヤー、つまり各事業者から何らかのサービスプロバイダー、メーカー、そしてユーザーまで全体で何らかのコンセンサスを取らないと無理なんじゃないかと思いつつ、そんな壮大なコンセンサスなんて、ましてや平気で国境を越えるプレイヤー同士でなんて無理だよなと思ったり。

 

とにかく色々と難しいものです。

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