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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

説得、納得、不安。そして胃がキリキリ痛む瞬間。

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プレゼンテーションのやり方は目的によって当然変わります。元々不利な条件で自分の存在を確実に伝えなくてはいけないプレゼンテーションというのは非常にキツイもの。そういう時、個人的には一番危険だけれど一番効果的だと思っているのは相手が微妙に不安に思っているところを正面から突く事。リスクは大きいです。たかだか20分とか30分のプレゼンテーションで胃がキリキリ痛みます。真剣勝負。でも途中で聴衆の表情が変わったら勝ったも同然です。

 

既に進んでいる方法論に対する対案提示の恐ろしさ

あることをやろうとしているとき、どこの誰でも必ずそれが正しいのか調べます。結果に一応納得してから先に進むわけです。何かしようとするときにはお金もかかりますし、負うべき責任もあります。そもそもいろんな迷いがある。でもそうやって進み始めているプロジェクトに、いきなり冷や水を浴びせるようなプレゼンテーション。

「こんな他の選択肢があることを理解してますか?」

ある意味とてもキツイ言い方。でも、こっちもガチンコの真剣勝負です。ここで引くわけには行きません。
言っている方の胃はキリキリ痛みます。

 

問題点を整理し攻めるべきところを絞る

ディベートをする気はありません。最初から説得です。一歩も引く気はありません。不得手な英語では難しい部分もある。でも相手の状況は理解したうえで絶対に不安になる部分を徹底的に突く。もちろん基本的な方針は否定しない。する必要も無い。問題は方法論だから。だから対立点をはっきりさせつつ「ここがウチの肝なんですよ」「こんな選択肢があるんですよ」と話をすりかえる。いや、すりかえるというと不謹慎ですから、言い換えるといったほうが良いかもしれません。最初から確信犯で突っ込んでゆきますから、当然聞いている方は不安になる。

「私(たち)のやっていることは間違っているのか?」

もちろん間違っているわけではないので、そんなことは言いません。でも、不安になる。そうなればこっちのものです。こっちの話を聞いてくれる姿勢が出来上がっています。
多分その方(あるいは方々)の胃がキリキリ痛むはずです。

 

結論を相手に任せて放り出す無責任(笑

早晩こちらに話を聞きに来るのは、もう明白です。当然(私から言えば対立する)現在のパートナーにも相談するでしょう。でもそこでの結論に対する責任があることを明確に、しかも多くの関係者の前で示す。もちろんそういった判断をする責任の人でないと困りますが、もしそうであれば最後に私が言えることはひとつ。

「ご連絡ください。いつでも相談に乗ります」 そして笑顔で握手。

最後まで胃がキリキリします。

 

こんな仕事の仕方はあまり褒められた事ではないと思います。でも、やらなきゃいけないほど真剣勝負の場もある、というかあったという話ですね。

あぁ、思い出すだけで胃がキリキリします。

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