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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

あのさぁ、ちょっとあの太陽止めて来い!(えー

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プロモーションの一環でビデオを制作するのはよくある話です。もちろんビデオに限らず、何らかのチラシだったりWebのページなども結局同じですし、たとえばあるキャンペーンを仕立てることも同じように動くことがあります。非常に戦略的に構想に基づき、それなりの期間とあたかも映画を製作するかと思えるような予算や人員を投入する夢のような(大抵は夢ですが)ケースもあれば、とにかく数週間でやっつけちゃえ見たいなケースもあります。もちろん時間と予算があるに越したこと無いのですが・・・ 

つい最近も、制作指示が出てから10労働日でプロモーション映像2本作るハメに。これは私も経験したことが無いくらい超短期決戦です。オリエンテーションしている暇は無いので、頭の中にあったアイデアから5本くらいを2時間くらいで一気に絵コンテに落とし込んで、そこから2本選び、それから制作の人といきなり演出の確認から撮影と編集の段取りの話。いやー、もう若くないのに無茶させる会社です(笑


とりあえず映像制作の話。大抵はそれなりにギリギリでやっつけることが多いかも

これは私の経験ですが、やはり比率から言うと非常に厳しい条件の中で制作することが多いと思います。それでも上手く行くかどうかは最初のお題と結論の設定の仕方次第ですし、もちろん題材自体の性格や目的にもよります。私の場合、過去も現在も製品やサービスの紹介というものよりも、どちらかというとコンセプトやイメージを表現するものが多かったのですが、逆に言うとオチをきちんと設定できないと何だか訳のわからないものになったりします。

何を言ってるか?いや、まず最初にきちんと考える時間が無いと、結構簡単に破綻します。


でも考える時間ってあるの?

いや、「制作しろ」というオーダーが最終的にギリギリのタイミングでなされることは往々にしてあります。予算の制限はもちろんですが、お題自体の設定がギリギリのタイミング。メッセージもギリギリのタイミング。たとえば、あるお題でプロモーション用の映像を作れと言われました。

さぁ、どうするか?


いや、そこで途方に暮れてしまっては既に手遅れです(笑

言われた瞬間にネタの引き出しを開け、必要なスタッフの顔を思い浮かべ、感覚的に段取りと予算の枠を決める。ある意味かなり特殊かもしれませんが、オーダーが出た瞬間に一通りの内容と段取りが出来る必要があります。もちろん馴染みの代理店や制作会社の人にとりあえず丸腰のまま相談するのも方法ですが、これではマーケティングとしての主体性を放棄することにもなります。ま、少なくとも私の場合、とりあえずそんな感じで突っ張って、一通りグランドデザインを作りつつ制作の具体的な段取りと予算確保に走る。そんな風に動いてきました。


でも、ネタっていつ仕込むの?

これは普段の問題意識の持ち方だと思います。「備えよ常に」とはよく言ったものですが、色んな流れを見つつ、「こういうのはこんな風に表現したら面白いよな」とか「こんな表現の仕方があるんだ」という風に常に考えていること。

あるいは、「何れこんなことが必要になるだろう」と勝手に想定して色々とネタとして仕込んでおくこと。たとえて言うと、100個くらい手持ちのネタで方法論や表現のアイデアを持っていれば、いきなり話が飛んできても結構対応できるんじゃないかと思います。

それが普段から新聞を読んだり、本を読んだり、Internetで流れる情報を斜め読みしたり、同業他社の情報をツラツラと眺めてみたり。もちろん社内で起きている事にアンテナを張っておくこと。当たり前ですが別に気負うことなく何となく続けていくというのが私のスタイルですが、それで結構いざという時にネタとして利用できるモンです。(と勝手に思っていますが)

ネタをいつ仕込むか?いつじゃなくて、日々ネタの仕込みじゃないかと思ってます。


でも、最後にはお天気勝負になったりして・・・

話を一番最初に戻すと、何かのプロモーションのための映像を制作するとき、どうしても天気にスケジュールが左右されることがあります。演出上どうしても屋外のシーンが必要になったとき、でも大抵は何日間も悠長に天気を待って居られるわけはありません。週間天気予報を睨みつつ、諸々の段取りと合わせて本番日と予備日を決めて準備に突き進みます。でも、撮影している間にどうしてもお日様の具合とかとは別にスケジュールが押してきます。本当は屋外の夕方のシーン(大変なので大抵は避けるのですが)なのに、まもなく日が暮れそうになってくる。日没に間に合うか?もう予備日は無い。今日中に全部撮らなきゃいけない。監督、プロデューサー、出演者、もちろん制作をお願いしてる側の担当者・・・ みんなピリピリしてきます。コレは私が居合わせた実話ですが、あー駄目かもと思った監督がAD(アシスタント・ディレクター)を捕まえて

監督 「あのさぁ、ちょっとあの太陽止めて来い!」
AD 「はいっ!」

いっぱいいっぱいだったADも、勢いでそう返事してとりあえず遠くに走って物陰に消えました。その後少しして戻ってきて

AD 「駄目だと怒られちゃいました・・・」
監督 「お前、タバコ吸って戻ってきたろ!おまえーなー!腕立て伏せ10回!(笑)」

ピリピリしてると、やれ上空の雲に雨を降るのを止めろと言ってこいとか、台風に詫びを入れてしばらく待ってもらって来いとか訳のわからない話が出たりします。そうやって出来上がった映像(作品)の評価というのは現場とは全然違うレベルでなされますから、そもそもどういう目的で作るのか、何をメッセージするのかといった基本的な目標設定が出来ていないと、この現場の努力も報われません。

日ごろからネタを仕込み、必要な時に必要なアイデアを形にするということ。
終わりが無い話ですが、だからこそ大事な話、だと思っています。

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