ハイテクマンションは100年後どうなっているんだろう?
どのような設備にも寿命があるものです。もちろん必要かつ適切な保守がされていれば長持ちしますが、いずれ寿命が来ます。問題は設備が組み込まれた建物よりも先に寿命が来るにも関わらず建物の生命線となっているモノ。簡単に取り替えられるものなら良いのだけれど、そうじゃないとしたら・・・なんか凄い事になりそうな気がします。
電気仕掛けの建物一般論
普通に考えて、ある一定以上の規模の建築物であれば電気仕掛け (ちょっと変な言い方ですが) の管理システムが全く無いというのは考えにくい気はします。防災系のシステムはもとより、エレベーターや自動ドアなどなど。もちろん設備として保守されるべきものは定期保守やら大規模修繕やら何やらで手が入ることになっているんだと思います。これはマンションでも商業ビルなどでも基本的には同じだと思います。でも、建物の基本機能を担っていないけれど、ある程度建物の価値を担うような設備ってどうなるんだろ?
電気仕掛けのハイテクマンション
ちょっと前に「超高層マンションは100年後どうなっているんだろう?」と題したエントリーを書いたのですが、その流れで最近気になるのがハイテクマンション。
単にLANやADSLが引かれているだけみたいな意味不明なのも有るようですが、中にはオール電化から始まり、建物への入退出まで含めたセキュリティ管理システム、Webを使った住民の情報共有システム・・・ と、それなりにカッコ良い設備が目白押しになった物件もあるようです。
でもどの機能をいつまでどうやって維持し更改してゆくのかってちゃんと認識されているのかな?中には管理費の中で保守できるものが多いとは思うのですが、長い年月の中で建設当時の技術では全く陳腐化してしまい、全く機能を果たさなくなるものも出てくる気がします。
素人目には今の技術で作られたシステムが20年後にすら生きているとは思えない
とりあえず素人なりに身近なところで考えてみて、話をたとえばマンションの住人の情報共有のためのWebサイト型あるいはSNS型の回覧板システムというものに限定してみると、とりあえず作ることについては今現在でも技術的にそれほど大きな問題があるとは思えません。
ただ普通に考えて今の技術で作られたシステムが10年後に生き残っているか?生き続けられるものなのか?例えばそのシステムを構成する機ハードウェア等の代替品や保守パーツがその時点で手に入るのか?10年前のサーバーのディスクが悲鳴を上げても同じパーツが手に入るわけが無いし、そもそもOSはどうなるのか?だれがそのプログラムに責任を持つのか?それにマンションのロビーでつけっ放しの液晶モニターなんて10年もすればかなりの確率で壊れていると思うんですが、どうなんだろ?
建物の基本機能を維持するものは全く別のオーダーで設計され維持運用されるはず(と思っています)なんでしょうけど、これらの設備は建物自体から見るといわばオマケです。誰もそんなの面倒見ないんじゃないのかな?管理費削減でいきなり止まってしまうかもしれない種類のものかもしれません。そもそも100年後にもそのマンションが建っていると考えると・・・ 技術的には色々とできることがあっても、その時点その時点での住人あるいは所有権者が一致して共用設備、それもある意味不要不急のシステムを入れ替えるのは至難の業のような気がします。例えばWeb型あるいはSNS型回覧板システムなんて気が付くと紙の回覧板に戻っていたりして。あるいはマンション全体でシステム部門ができちゃったりして何とかするのかもしれない。いや、待てよ。ひょっとしたらマンション管理の中で、マンションに組み込まれたシステム管理を請け負うような事業が成立するのか?なんだか良くわからなくなってきました。
杞憂?
そもそもそういう物件を買う余裕もへったくれも無いので余計なお世話だといわれるとそれまでですが、そういった問題に対して長期のプランが何かしらあるんだろうか?と少し気になります。
まぁ所詮門外漢の杞憂に過ぎないのですが、管理費云々よりもっと深刻な話で言うと、例えば2038年問題のようにプログラミング言語の処理系の実装に起因する問題なんかも一部で噂されているくらいですから、状況によっては大変なことが起きそうな気もします。組み込み系OSやプログラミングの状況なんて一般の人が知る由も無いのですが、それらの機器が世の中の生命線を握っていたりする部分もあるわけで・・・
ってのはやっぱり杞憂なのかな?
そもそも余計なお世話?
・・・ 失礼しました。
因みにここまで書いて、これらの設備が壊れた時のバックアップの仕組みってどうなるんだろうとふと気になりました。夏休みに実家のある神戸で見た震災記念館の事も少し思い出されてきました。自分もマンション暮らし故、地震などの災害対策にはそれなりに関心はあります。例えば災害とまでは行かないけれど、これらの設備が壊れた時のバックアップについてはそのうち触れてみたいと思います。