個人的には集客と交通の便には相関関係があると思っています。でも、ひょっとしたら来場したお客様の動きには、集客とは逆の相関関係があるんじゃないかとも思っています。
交通の便が良く、駅からも近く、雨に濡れずに行けるスペースでのイベント開催は誰もが願う話です。でも、全部の条件が揃うことは滅多にありません。そもそもそんな会場はなかなかありませんし、良い条件の揃った会場は抽選の倍率が高くなります。 既得権として数年先まで押さえてしまう主催者もいます。もちろんコンテンツ自体がどれほど集客力を持っているかは本質ですが、会場が良くないと集客もままなりません。
では、近い/遠いがどんな違いを産むのでしょうか?
一度会場に着いてしまうと簡単には帰れない場所だと、便利な場所より滞在時間が明らかに長くなった経験が何度かあります。交通の便が良くないと出展者も来場者も大変ですが、一度会場についてしまえば簡単に帰るのも大変ですから、それなりに気合を入れてくることになります。展示会だけでなくセミナーでも、途中で電話で呼び戻されることも少なくなります。
逆に便利すぎるとたとえば来場者は交通の便が良いからと、ギリギリまで仕事をしたあげく間に合わなくなって来場しなかったり、途中で電話で呼び出されて帰ってしまったりと、便利な会場の方が落ち着かない場合もあります。以
前有楽町の東京国際フォーラムで開催したセミナーでは、90%以上の驚異の来場率を記録しながら、各セッションの出席率は平均50%前後ということがあり
ました。散々関係者で理由を考えたのですが、結局来るには来たけれど申し込んだセッション全部には出席せず途中で帰ったか、あるいは途中から来たかの何れ
かか両方かしか考えられない。しかしどちらにせよ、場所が良すぎて気軽に行けることが災いしたのではないかという結論に至りました。もちろん、お客さまを
引き止められなかったコンテンツにも問題はあるのですが。。。
何度やっても、イベントの場所とコンテンツの組み合わせと選定は難しいものです。
岩永 慎一
2007/02/23 23:40:00