2020年10大ニュース(5位~1位):e-Janネットワークス
10位~6位に続いて発表します。
======
■第5位:SfCクラウドパックリリース
SfCクラウドパックとは、Splashtop for CACHATTOを、クラウド上のCACHATTOサーバーだけで成り立つようにした製品です。国内営業グループの起案と主導で、他部署の連携と協力があり、迅速に立ち上がりました。CACHATTOと同様の労務管理やキャプチャー禁止などのポリシーがあてはめられて、社内パソコンをリモートデスクトップで使えるというものです。
1月に起案、早々に立ち上げ、2月末には、5月までの無償キャンペーンをスタート。この企画は5営業日で立ち上げました。会社としては、新型コロナの問題が去るまでは、社会貢献として、完全に無償で提供する覚悟でいました。正直なところ、5月にはコロナ問題も一段落すると信じていました。
とてもシンプルな企画で、お客様からも大変好評だったのですが、緊急事態宣言とともに想定以上に利用が殺到して、サービスが不安定になるご迷惑をおかけしてしまいました。
その後、この製品はCACHATTOの使い方の一つとして確立しました。今では主力オプションとして事業を伸ばしてくれています。営業現場からの企画で事業が伸びる。一つの象徴的な現象でした。企画というものを、現場からどんどん活発に提案して進めていいのだという自信にもつながったことでした。
■第4位:カスタマーサクセスの発足
カスタマーサクセスという概念があります。提供する製品やサービスを通じて、お客様が成功する、そのためにはどういうことをすればいいかという視点です。特に、CACHATTOのような製品は、お客様に長期に渡って使ってもらうものです。お客様が長期に渡って成功するためのツールでなければなりません。
従来は、お客様で問題が発生したときに、製品サポートをする体制でしました。それよりも、能動的に活動するべきだと考えました。お客様の使い方や、問題点などに触れて、こちらの持っている最新の情報で最適な使い方を提案することが出来れば理想です。
そこで3月に営業・サポート・SE・品質保証の4つの機能を一つにまとめてカスタマーサクセスという活動にしました。e-Janの中での最大のグループが誕生したわけです。それだけ力を入れるという会社の意志表示でもあります。ところが部署の発足時期にコロナ禍が悪化したのです。
従来のサポートですら、テレワークでちゃんと実施することは大きなチャレンジでした。SEにしても遠隔サポート、品質保証にしてもオフィスでの検証がままならずいました。3月に大きな組織変更をしたカスタマーサクセス活動が、なかなか立ち上がらずにいました。
その中で、カスタマーヒアリングは粛々と進めてくれていました。お客様にお電話をかけて、ヒアリングをするという活動です。お客様で何が欲しいのか、どういう情報が必要なのかも徐々にわかってきます。
ヒアリングのデータが集まってくると、お客様の知りたいであろう情報が分かってきます。それを系統的にまとめて、ウェビナーで発信するという活動が始まりました。能動的な情報発信ですね。様々なウェビナーのコンテンツを、カスタマーサクセスのSE達が能動的に作成して発信しはじめました。
さらには、オンラインで顧客ごとにコンサルティングをするという活動も始まりました。品質保証のユニットでも、カスタマーサクセスのための品質チェックなのだという意識を持ち始めてきています。
出鼻をくじかれた形での新部署・新活動のスタートでしたが、オンラインに制限されるという状況を逆手に取りながら、カスタマーサクセス活動が軌道に乗り始めました。
■第3位:たゆまぬCACHATTOの改善
CAS :20回
Splashtop: 6回
iOS :13回
Android : 6回
Windows : 9回
macOS : 7回
全部で61回。これが今年の製品リリース回数です。年間営業日を240日とすると、実に4日に1回のペースでリリースしていたことになります。
この一つ一つに、要望ヒアリング・要件定義・仕様調整・分析・設計・開発・テスト・マニュアル作成・リリースノート作成・リリース作業・リリース案内、そして進捗管理に工数計算や社内共有といった作業を伴います。
顧客の要望に応えるために、そしてCACHATTOが競争力のあるサービスであり続けるために必要な、たゆまぬ改善活動で、多くの人の努力によって成り立っている尊い仕事です。
その中でも、今年は特に大きな2つの進展がありました。
ひとつは長年の懸案事項であったフレームワークの刷新です。
初代CACHATTOからだましだまし使い続けてきた、ある意味耐用年数を超えていた基盤ソフトを入れ替えました。その作業は膨大であり、細かい仕様の差異や不具合が少なからず発生してしまいました。しかし、いつかは誰かが乗り越えなくてはならない壁。やり遂げた開発陣の功績を称えたいと思います。
もう一つは MailClientの市場投入です。
CACHATTOはWebアプリからネイティブアプリに大転換していきます。
元々、高セキュリティなモバイルWebメールとして、セキュリティ意識の高い日本の大企業のニーズにフィットして発展してきたCACHATTOです。グローバル市場からするとニッチな存在で、大手が提供しない機能を我々が提供することで国内で大きなシェアを獲得することができました。
しかし状況は変わりました。2018年にヨーロッパでGDPRが施行され、マイクロソフトを筆頭に大手がこぞってセキュリティを志向したマーケティングに舵を切ってきました。これからはセキュリティでは勝てないことは明らかで、いかにして他社より優れたUXを提供できるかに勝負がかかっています。そのためにネイティブアプリ化が必要だったのです。ここから新たなCACHATTOの勝負が始まるともいえる、社運をかけたエポックメイキングなリリースなのです。
すぐさまTeamsのチャット連携アプリも、パブリックベータ版としてリリースしました。
社是である、顧客に「これ、e-Jan!」と言い続けてもらうために引き続き来年もCACHATTOの改善を進めていきましょう!
■第2位:働き方がガラッと変わった
今年は長期に渡るテレワークの、まるで社会実験のようでした。そして遠慮なく徹底的にテレワークを実施することが出来ました。当然のことながら働き方には大きな変化が生まれました。そして、会社のルールや活動も大いに変化させる必要がありました。
お客様訪問が激減し、リアル展示会やセミナーは消滅。社内の例年の大きなイベントであったEXPOの展示会やユーザー会なども消滅しました。今年は創立20周年。3月6日の創立記念日に企画していた会社内にお客様をお呼びして社内を披露するイベントも直前に泣く泣く中止としました。
対外的な変化も大きかったですが、社内的な制度も変わりました。
e-Janのシンボル的な存在であった日本語・英語・中国語の社内語学レッスンですが、これもオンラインが中心となり、そうなると他の安価な選択肢も多くなったので、廃止としました。その代わりに実際にレッスンを受けた金額を補填する制度ができました。
テレワークが奨励される中、早く出社することを奨励していたEarlyBird制度も廃止しました。有機無農薬野菜の社内販売の昼市もそもそも会社に人が集まらないので中止。社内でのヨガ教室も同様。東京のホテルに全社員とそのご家族をお呼びしてクリスマスパーティーを実施する家族会も今年は開催できませんでした。
「コロナが一段落したら復活したいよね」。
合言葉のように唱えていた希望も、実現するどころか、年末に際して事情は悪化の一途です。
でも悪いことばかりではありません。
業務はペーパーレスでも実施できるように変化しました。さらには、テレワークの実践で、今までに気が付いていなかった様々な社会上の無駄にも気が付きました。満員電車での通勤が如何に皆にも社会にも負担をかけていたのか。家にいることができる自由があることで、時間の使い方如何に有効活用できるのか。ちょっとした家事、家族やペットの面倒見、宅配便の受け取り、休憩時間での仮眠などなど。メリット大です。
テレワークが中心となって、会社のルールも急いで変更しました。通勤手当を廃止、通勤費用は実費精算とした代わりに、家で必要な光熱費などを補填する1日500円のテレワーク手当を設立。さらには回線などの固定費用のための手当も月額5000円で新設。フレックスタイムの維持、コアタイム内での通勤を許可しました。これにより、午前テレワーク、午後出社で満員電車を避ける働き方をする人が多くなりました。
抽選でランダムに組み合わせした社員たちで、40分間ビデオ雑談をするという新しい試み、グループ面談も開始したのは効果的でした。Teamsでも雑談スレッドというものを設け、それが活況になりました。社内メンバーの連帯感を考えるとき、雑談や他愛のない会話というものが、会社活動のとても重要な一つの機能なのだと気が付かせてもらいました。
ワーケーション制度というのも新設しました。1人年間1ヶ月までの自宅や会社外での勤務を認めるものです。ただし、通信回線の確保と旅費などは自分持ちです。蓋を開けると、実家などで長期間過ごすということが実施されていました。実家から働けるというのは一つの親孝行なのかも知れませんね。
サテライトオフィスも実験的に開設しました。概念としては、従来は住居から遠いオフィスに皆を来させていたものが、今は住居にオフィスが近づいて行っている感じでしょうか。
変化をすることが是であると考えるしかありません。そして、普通に事業が継続、さらには拡大できていることが、正直なところの驚きですらあります。
■第1位:コロナ禍における社会貢献
会社を通じて社会貢献ができる、実施する。これほどモチベーションが高まることは無いと実感しました。2月に日々悪化していく新型コロナウィルスの感染、これを見ていながら、自分たちとしてできる社会貢献が無いものかを考えていました。
急遽建てつけたのがCACHATTO無償貸与キャンペーンでした。既存のお客様には500人分のライセンスを無償貸与する。新規のお客様には50人分のライセンスを無償貸与する。このような内容でした。期間は2ヶ月。中国の様子を見ていると日本でも5月にはコロナ感染が一段落するだろうと見込んでいたのです。
2月3月は、例年年度末の駆け込み需要がある時期なので、売上の減少なども懸念されました。しかし正義感が先です。世界のニュースで医療従事者たちの頑張りを見て、自分たちとしてできることが何かあるのであれば、社会貢献として実施するのが是だと思ったのです。そのような感覚で躊躇なく無償貸与キャンペーンを実施しました。
ところが見込みは甘く、4月から6月、想定を超える事態が発生します。無償貸与キャンペーンには想定を超える要望数が来たのです。無償貸与キャンペーンを利用しない注文も殺到します。要望になんとか応えたいと、全社的にオーバーワークになりながら対応します。インフラも過負荷状態になってしまい、日々全力で対応します。インフラが過負荷で止まると、お客様からの苦情の問い合わせが殺到します。
社内は今まで体験したことがなかった過負荷状態でした。毎日毎日、息ができないような感覚。コロナ感染拡大の中、移動は危険。緊急ルールを制定して、原則テレワークでの対応、でもどうしても出社が必要な人たちはタクシーでの自宅会社間を移動を認め、さらには、必要に応じて会社近所のホテルに宿泊しながらの対応でした。とにかく諦めない。
「これが私たちの社会貢献なのだ」。
「少しでも多くの人がCACHATTOを使えたら社会が助かるんだ」。
この思いを心に、息ができないような状況はなんとか乗り越えました。
ココだけの話、私も受注処理の内容ダブルチェックを日々やっていました。現場の処理能力を超えてしまっていたので、自分のできる貢献とは何かを考えたときにできることをやりました。エクセルとコンピュータの効率的な使い方には腕に覚えがあります。私なりにも日々全力で事務作業をやっていました。
CACHATTOを安定的に提供することが自分たちの社会貢献なのだ。
このことを実感し、誇りが感じられたのは、今年の最大のニュースです。
社会への私たちの貢献を社会に認めてもらい、社会は会社を支持してくれました。その結果、今年は事業が今までになく大きく成長したのです。
●番外編:野球チームベスト8に進出
昨年の10大ニュース10位が野球チームの結成でした。
昨年は1回戦で敗退したのですが、今年は違いました!
e-Janでは関東ITソフトウェア健康保険組合という健保を利用しています。通称「IT健保」。このIT健保では例年、様々なスポーツ大会を実施しています。
e-Janでは、熱心な野球ファンもいて、昨年はついにチームを組むことができて、IT健保の秋の野球大会に出場したのです。
野球大会のリーグには60社を超えるチームのエントリーがあります。勝ち抜きトーナメント制です。今年も野球メンバーが増え、エントリーしていました。
今年の9月10月は雨が多く、毎週のように試合予定がずれました。そのおかげか、チーム人数が少ないところはメンバーがそろわず棄権することが多かったです。e-Janの初戦は対戦相手棄権で不戦勝でした。何と初の2回戦進出です。
2回戦。今年初の実戦でした。安定したピッチャー二人体制での試合は大きく差が開いた勝利へ。20対2でコールド勝ちをしました。痛快な初の実戦勝利でしたね。これでベスト16に進出です。
3回戦。これも雨で流れたりして、こちらもメンバーの抜けがあちらこちら発生。ギリギリ試合ができるかどうかという瀬戸際でした。ところがなんと、対戦相手が先に棄権!メンバーがちゃんと揃えられるかという試合です。必要であれば私も出ようと思っていました(笑)。ここにチキンレースで勝利。これでベスト8です!!
4回戦。相手も多数の棄権を切り抜けて上がってきています。過去の試合の得失点差を見ると、うちが勝てるかもという期待。試合が始まります。ところが1回の表にいきなりホームランを献上。打ち込まれて5失点をしてしまいます。1回の裏、意気揚々とこちらが攻撃に向かいますが相手のピッチャーがなかなかいいのです。ヒットが打てない。0封され続きます。あれよあれよという間に試合は5回。7対0でコールド負け。なんだか不完全燃焼でした。
やはり負けると悔しいね。でも結果はベスト8。悪くない。来年へと希望がつながります。それにしても、これだけの社員数がリアルに集まるイベントって、コロナ禍の中ではなかなか無いです。確かに人と一堂に会せることがほとんどない日々。いい気分転換でした。
ちなみに後から知ったのですが、このリーグ、最下位リーグだそうです。この上に上位リーグが2つあるそうです。もしかしたらベスト8なので来年は上のリーグに移動させられてしまうかも知れません。60位中8位だったのではくて、実は200チーム近いところの3部リーグでのベスト8だったということを後から知りました...。
がんばろね~
======
ということで、改めてまとめてみると2020年は、とても大変な1年だったということが分かりました。それでも、自分たちのできることを全力で実施し、なんとかいい形で年末を迎えることが出来ました。これは自分たちだけではなく、社会的インフラを支えてくれている人たちのお蔭で成り立っていることです。このことを日々痛感しながらいます。
皆さまにおかれましても、健康や感染にご留意され、ぜひとも輝かしい2021年をお迎えになられるよう、お祈りしております。今年もお世話になりました。来年もよろしくご指導ご鞭撻のほどをお願いいたします。