なぜ虎の威を借りるのか
おはようございます。
2019年最終週のスタート!
早朝まで雨が続いています。今年の12月は雨が多いです。おかげで今朝はオフィスの湿度も42%と普段の30%前後より高めです。
===ほぼ毎朝エッセー===
「虎の威を借る狐」という言葉があります。
人って不思議ですよね。自分の実力ではないけど、バックにあるものの力を利用して自分を大きく見せたがります。
自分でもそうです。会社が好調であればそれに乗じます。偉い知人がいれば、その人の知人であることを言いたがります。性能のいい車に乗れば、車の力を自分の力と勘違いします。自分の住んでいる国のことを誇らしく思ったりします。
なぜそのようなことをするのでしょう?
様々な平等が重要視される昨今、逆に人は尺度を求めているようなのです。人は尺度をもち、それで自分の順番を決めることで落ち着くようです。
昔でいえば、日本では士農工商、インドではカースト。王族や貴族の存在。階級は人を図る尺度のために必要があって作られたものなのでしょう。
今であれば、年功序列、資産の多い順番、会社でのポジション、性別、会社自体の大きさ、国の大きさ、先進国か発展途上国か、学歴主義、予算の大きさ、体の大きさ、足の速さ、成績の良さ、応援しているチームの強さ、などなど。
何にでも序列をつけたがりますね。それで一喜一憂したりします。
外交官だった父が、「外務省ではインドネシア大使の序列が高いんだよね」と、昔、言っていたことを思い出しました。なぜインドネシアなのか?それはインドネシアには、日本政府から多額のODA援助があり、その額の大小によってポジションが決まるとか。自分としては、その突飛さに驚きました。
いずれにせよ、どうやら人は、意識・無意識であれ、多くの時間を、周りとの序列決めに費やしているのです。これを上手に利用して、周りを動かすようなことに使う人もいます。
知っておいた方がいいですね。「虎の威を借る狐」。語源は中国のようです。
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http://chugokugo-script.net/koji/toranoiwokarukitsune.html
虎求百獣而食之、得狐。
狐曰、
子無敢食我也。
天帝使我長百獣。
今子食我、是逆天帝命也。
子以我為不信、吾為子先行。
子随我後観。
百獣之見我、而敢不走乎。
虎以為然。
故遂与之行。
獣見之皆走。
虎不知獣畏己而走也。
以為畏狐也。
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「虎の威を借る狐」の話の現代語訳
トラが獲物を探している時キツネを捕まえ、これを食べようとしました。キツネは「あなたは私を食べるわけにはいきませんよ。なぜなら私こそ天帝が百獣の王としてこの世に遣わされたものなのですから。あなたが私は食べたら、天の命令にそむくことになりましょう。もしそんなことは信じないとおっしゃるなら、私のあとについてきてみてください。百獣たちは私を見てみな逃げていってしまうでしょう」と言いました。トラは「わかった」と言い、キツネとともに歩いていきました。百獣はその様子を見てみな次々に逃げ去っていきます。しかしトラはそれらが自分を恐れて逃げていくことに気づかず、キツネを恐れて逃げていくのだと思うのでした。