何故IT企業はいいオフィスを創ることに熱心なのか?
おはようございます。
夜中のうちに一雨降ったようです。早朝通勤時には止んでいました。今日は降りそうですね。
===ほぼ毎朝エッセー===
10月はe-Janの高知とバンガロールと大阪の三か所に行きました。特にバンガロールと大阪は最近新しい場所に移りました。そのどれもがいい雰囲気の、自慢のオフィスになっています。
東京のオフィスも12月上旬に別フロアに移動する計画です。そして、それらのオフィスでは人々が元気に明るく働いています。三か所を回ってその実感を高めました。
では、なぜオフィスに投資をするのか?
オフィスは何も生産しないから、地味なオフィスでも構わない。そう言い切る経営者は多いです。私も実際にそう考えていました。特にお金が回らない頃には、オフィスは地味な方がいいです。
家賃も馬鹿になりません。だから坪単価の安い事務所で、中古の家具を買いそろえて済ませたりしていました。ところが、実際にやっていて、この考えは違うかも知れないと思いました。それは、2007年末に、東京の半蔵門にあるビルの駐車場裏の1階から3階に移ったときでした。
全体的に灰色がかった色調からベージュの机と鮮やかな椅子の、清潔感ある空間に移ったのですね。「空気がたっぷりある~」と、そういう感覚になりました。
移転すると業務の効率は一瞬落ちたように感じるのです。ところが面白い。次第にオフィスのキャパに合わせて事業が拡大していきます。すぐさま、場所が足りなくなり、4階を借り増しすることにしました。そしてまた不足して2階も借り増し。2-3-4階の3フロア体制。事業は伸びて人が増えていく。オフィスは手狭になっていく。
そこで、2014年春にこのビルに移りました。
「空気がたっぷりある~」。これがこのビルに移った最初の感覚です。再び、業務の効率は一瞬落ちたように感じるのです。実際に事業も1-2年、伸びが鈍化しました。それでも、しばらくすると、人が増えるにつれ、事業が元気になってくるのです。そして今やまた、空気が足りない感が満ち満ちています(変な表現?)。だから、年末に8階から6階に移動して、7階を一部借り増しします。
オフィスにはお金がかかります。東京だけで毎月1000万円ほど。それでも、何故そんなにかける必要があるのか?それは、オフィスがITの生産設備だからです。快適なオフィスで人々が働き、そこのブレインパワーから生まれるものが、製品になる。そういうことが分かっているからです。
昔からあった疑問のひとつに、大企業がなぜ中小企業を凌駕するのか、というものがあります。それには、オフィスにかけるお金が違うからという答えがあるのかも知れないと思っています。いいオフィスでは、いい能力が発揮しやすいわけです。資金に余裕のある大企業がオフィスをよりよくする、すると人は能力を発揮しやすくなる。だから中小企業を凌駕してしまう。この仮説、意外と外していないかもしれませんね。
特に、生産工場そのものを持たないIT企業の場合は、そのオフィスが生産設備そのものだという考え方もあり得るわけです。それだから、IT企業はいいオフィスを創ることに熱心なのだと考えています。