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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

テレワークの課題:オフィスのいい空気がモチベーションの場合

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おはようございます。

薄曇りの朝。今日から明日にかけては雨と?

===ほぼ毎朝エッセー===

e-Janで外国人向けに出している情報サイトがあります。Wokring Japan。ここに先日、今年の4月入社の新入社員のIさんが一本エントリーしていました。

引用させてもらいましょう。

4月からe-Janネットワークスで働き始めて、一か月が経ちました。
日々感じるのは、空気がとてもおいしい場所だということです。

『空気』と一口に言っても、意味は色々ありますが、大きく分けて
生き物が生きていくために必要不可欠な『空気』という意味
そして、その場の雰囲気や流れといった『空気』という意味
の二つがあります。 さて、e-Janネットワークスは『空気』がおいしいと述べましたが、これはどちらの意味にも当てはまります。
まず、社内が毎週各グループの当番制で掃除され清潔に保たれていることや6台のルンバが自動稼働スケジュール機能によって夜な夜な床掃除をしてくれていること、空気清浄機がオフィスの各所に配置されていることで、体内に取り込むための空気が綺麗でおいしいです。

そして、さまざまな国籍の社内メンバー一人ひとりが、多様性のある視点を持って、より良い商品を作るためよりよい環境で働くために、一丸となって進化し続けています。こういった想いを持って集まった人たちから発せられる空気は、優しくて強くて暖かいです。

私はまだ、おいしい空気を胸いっぱい吸い込むことで精一杯になっていますが、少しでも早くより良い空気を作り出す一員をなりたいと強く思います。
今日も頑張るぞ!という気持ちでゆっくりと深呼吸をしてこれからも働いていきたいと思います。

なるほど。「空気」ですか。

確かにいい空気とそうでない空気というものがありますね。今朝は彼女の言う「その場の雰囲気や流れ」の「空気」について考えてみましょうか。

空調、採光、清潔さ、十分なスペースなどのオフィス環境も重要な要素です。そして、もっと大きな要素は、そこにいる人たちによってのものですね。

働いている人の態度、姿勢、明るさ、笑顔、風通しのいいコミュニケーション。これらがあって「その場の雰囲気や流れ」の「空気」がより良くなりますね。この「空気」を整えることが、理想組織のレシピのひとつかもしれません。

アルバイトのAさんの日報にあった文章を引用してみましょう。

本日は会社のドアを開ける前に
エレベーター降りてから急用で電話してました。
電話し終わった後、シフオプでシフトの追加を
したりとバタバタしながら歩いていたら、
年上の男性社員の方が笑顔でご挨拶してくださりながら
私のためにドアを開けてくださりました。
嬉しくて心が和みました。

プライベートで辛いことが重なっても、
この会社に来て、こういった出来事に遭遇すると、
とても癒されます。
色々な面で職場に対して、感謝の気持ちが増しますし、
ここに働きに来ると和んだり、うれしい刺激を受けて
その日の仕事を終えています。

やはり、空気は周りの人のちょっとしたことで伝わるようです。ちょっとした笑顔や挨拶や優しい行為。その積み重ねなのかもしれません。

自分のモチベーションの維持のために、いい「空気」が欲しくなってくる。
人とやり取りする中で、いい「空気」の影響を自分にも取り込みたい。

こうなってくると、会社に来る意義が変質するかもしれませんね。「空気」を味わうことがオフィスの存在意義の一つになってくるかもしれません。

e-Janでは、昨日よりテレワークを全社員で試行できる制度がスタートしました。一方、テレワークでは、「空気」を味わえないという問題点もあるようです。昨日早速テレワークを試してみた、入社2年目のKさんの報告から引用してみましょう。

テレワーク自体に関して
・通常より1時間近く早く、通勤電車に疲弊しない状態で業務が開始できて効率的
・同じ勤務時間でも1日2時間近くも自由な時間が増えるのは非常に大きい
・環境としては外部の影響を受けず作業できるため、常に集中スペースで作業する感覚で効率的
・一方でコミュニケーションコストは高く、遠隔会議ではとても想像力を使う
・実物を見ながらディスカッションするといった情報量の多い対面コミュニケーションが出来ない(まだ作っていないUIの仕様を決める、などの業務は難しい)

彼は「コミュニケーションコスト」と表現しています。読みかえると「空気」の欠如という意味なのかもしれませんね。いい「空気」を味わいたいがために、通勤、いや痛勤の悪い空気を吸わなければならない。さらに時間もロスする。なかなか皮肉なことだともいえるでしょう。

子育てでテレワークを2年ほどしているOさんの事例も面白いと思っています。

彼女は当初、週1日の出社というペースだったのですが、最近は出社比率が高まっています。どうやら、いい「空気」、コミュニケーションがモチベーション維持に必要なようなのです。

良質な「空気」には代えがたい魅力があるのかもしれませんね。すると、いい「空気」を作ることができれば、オフィスには集まる価値があるのです。

ITを通じてなんとかいい「空気」の伝播ができないか。
これを見つけ出すことが、自分たちの次の課題のような気がしてきました。

よ~し。また、妄想するぞっ!

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