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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

バカにせず定量化をするとITでも発見がある!

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おはようございます。

雨が軽く降り始めました。予報通りに雪へと変わるのだろうか?

===ほぼ毎朝エッセー===

□□工学の基礎は定量化にある

大阪のNさんが創りだしてくれたNメソッドというものがあります。Nメソッドとは、各種オフィスファイル閲覧ソフトの実力比較のために使います。

基本的には様々なオフィスファイルの表示サンプルの欠点を数える手法です。それまでは定性的だった品質の比較が数値で比較できるようになったのです。これで、C連携するにはどのソフトがいいかということが客観的に見えます。単純に見えますが、かなり有効だということが分かってきました。

単純な方法だけど数値化して傾向をみる。これって工学の基礎だと思うのです。理学と工学、簡単に表現すると次のようなものではないでしょうか。

理学:
理想を追及して提示、現実とかけ離れていても、それは現実に雑音が入っているからとする。

工学:
理想に近づけるべく雑音の中から現実解を求めてバランスをとり、高次元で妥協をする。

ふと、20年前に電子基板用の紙を開発していたプロジェクトを思い出しました。

短く切った繊維を水で攪拌してから台に乗せて水を取り除き繊維を固めるのが製紙の基礎です。その繊維が固まりになって紙の品質を悪くするという問題に悩んでいました。どうやら繊維を切るカッターのコンディションと関係がありそうなのです。

そこに当時、現場にいた開発者がびっくりな手法を編み出してくれました。それは、作業服の洗濯用に現場に置いたあった洗濯機を利用したものです。洗濯機で一定時間攪拌をした短繊維を取り出し、残っている塊を数えるという、何とも原始的な手法だったのです。

一度定量化できるとあとは早いです。ITで言えばバグが再現できたようなもの。現場で洗濯機の横で出る数字を指標に、カッターのコンディションを調整する。これによって、実際に使えるレベルにまで高められた品質のものが生産できるようになったのです。

まさに工学ですね。そう。工学の基礎は定量化にあります。

いま、自分の周りに定量化すべきものはありますか?

そういう視点で仕事を見直してみるといいです。

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