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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

データSync+MDMに「ノー!」個人裁量BYODが衰退した新ケース

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おはようございます。

雨は降っていないですが重い曇り空です。いまどきは4時そこそこで明るいです。

7:52 2015/05/20
お、外は晴れてきている。換気でもするかな。

===ほぼ毎朝エッセー===

MDMという機能があります。スマホなどを落とした際にリモートワイプできるというのが一番分かりやすい機能でしょうか。

BYODという概念があります。会社のメールを読むなどの業務に個人持ちのスマホなどを使うことを合意して使うという使い方のことです。

そこにお客様での実際の面白いケースがあり、社内でレポートされました。

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あるCACHATTOのお客様が外資系企業に買収されました。それまでは、CACHATTOという端末にデータが残らないシステムでセキュリティを担保することで、BYODが順調に拡大していました。

あまり知られていないことですが、BYODには副次効果があります。自分の好みの端末で、必要に応じて仕事までできるという、やる気のある人にとっては、仕事に対するワクワク感が高まって、モチベーションアップにつながるということがあるのです。

この会社さんは、買収元の海外の本社の方針で、スマホにメールとスケジュールデータはシンクロさせる方式を取り入れて、さらにいざというときにはMDMで、端末のセキュリティを担保するという方針を取りました。

そこでは社内のウェブシステムなどには引き続きCACHATTOを使ってくれているのですが、最近妙な現象が発生してきているというのです。

BYODをしていたユーザーが次々とBYODを放棄するようになったのです。BYODは強制ではありません。個人裁量で使うことを決めるわけですが、CACHATTO単体でメールやスケジュールを利用していたときよりも減ってきているというのです。

その理由の一つは容易に推測できました。

そう。MDMで端末を落としたときにデータを消去されてしまうことに対する抵抗です。個人端末の持つ個人データをいざというときに消されてしまうようなリスクを冒してまでBYODはしたくないという個人の思いは容易に理解できます。

ところが、もう一つの理由が面白いと思いました。

それは、受信メールを全て通知してしまうメールシンクロ機能で受信通知が頻繁となって、未読が溜まってしまい、結果的には「メールを見なくなった」とのことです。CACHATTOにはプッシュ通知をするメールのフィルタリング機能がありますから、のべつ幕なしに通知が来ないので、それなりに静かなわけですが、業務の頻度でメールが端末に来ると、それはそれでなかなかウザいわけです。

「BYODにはMDMは不適」を証明する話です。

実際に机上の空論では分からないことを、実ユーザーさんは教えてくれます。私たちの仕事は、経営層、管理層、ユーザー層の、いわゆるステークホルダー皆がハッピーに思える解決策を提供することにあります。

いいヒントがいただけました。ありがとうございます。

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