消費税を上げて法人税や所得税を下げるのが筋な理由
おはようございます。
雨の降る朝。ちょっと蒸し暑さもかんじます。
===ほぼ毎朝エッセー===
事業が大きくなってくると法人税や所得税が高くなります。
そこでは、巧妙な節税が行われるようになります。
税金として払うよりも思い通りにお金を使いたいからです。
例えば、社宅や寮の例。会社は費用で落とせる項目、
個人は実物で提供されるというような福利厚生などは、
大きな目で見ると法人税も所得税も減らせる節税なわけです。
どの範囲までなら節税できるのかがルール化されていて、
それを税務署からの定期的なチェックを受けながら、
狐と狸の化かし合いをする。
法人税はタックスヘイブンでごまかすことができる。
所得税は個人事業主であれば、かなりのものを費用化して
入りを少ないように見せることができる。
つまらないことにエネルギーを割いているわけです。
こんなことが日々行われてるのが現状です。
==
その理由を考えてみましょう。
法人税や所得税は「入り」に対してかけられるもの。
よって隠したり減らしたように見せることができれば、
税金を支払わなくてもよくなる。つまり、自動的に
その方向にインセンティブが働きます。
一方、消費税は「出」に対してかけられるもの。
お金を「使ったこと」に対して税金がかかります。
お金を沢山使った人が自動的に絶対額でより沢山税金を払う。
お金を節約した人は自動的に絶対額で少ない税金を払う。
今の世の中は、お金を使ってそのメリットを享受したかという
尺度で物質的な豊かさが決まるので、そのメリットに比例して
税金を払うというのは自然なことだと考えます。
別な視点でも、メリットの享受は、地球への負荷が大きい。
そ対策費用に対する負担も比例して支払うというのもありです。
==
ある場所で、メリットを享受するためにお金を使う。
享受したメリットに比例した税金をその場で支払う。
極めて当たりまえだと思いませんか?
例えば、海外から観光客がやってきて、日本でメリットを
享受したならば、それに見合った税金を払うべきだと考えます。
あるいは日本人が外国に住み、そこでメリットを享受するならば、
その国で税金を支払うべきだと考えます。
タックスヘイブンで法人税を節税しているグローバル企業、
日本でメリットを享受したのであれば、そこに税金を払うべきです。
問題は、消費税(あるいはValue Added Tax)の大小が各国で違い、
小さい国で蓄財がされて別な国にお金がトランスファーされる。
そのような現象も発生するでしょう。
でも所詮、蓄財もお金を使わなければメリットが無い。
メリットに見合った税金をその場所で払うというのが筋でしょう。
==
そして、今朝のことですが、あるグラフに目がとまりました。
10/2の日経新聞3面の片隅にあったグラフです。
『主要税目の税収』、財務省の元データから引用させてもらいましょう。
観察できる傾向は次の3点でしょう。
・消費税が引き上げられると所得税とほぼ同じ金額となること
・消費税は景気の変動に左右されずに安定的していること
・法人税は、消費税や所得税よりかなり低くなってきていること
まさに、前述の正当性を説明するグラフだと思ったのです。
消費税を上げて、所得税や法人税を下げる。
これがグローバルにもローカルにも一番フェアだと考えます。