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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

ポチっとネットで関係を作れるから簡単に裏切れるメカニズム

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おはようございます。

今朝は成田空港に向かうバスの中で作成している朝メです。
これからチューリッヒに向けて出発です。

===ほぼ毎朝エッセー===

昨日のせっかく面接があるのに連絡も無く来ない人の気持ちが分からないには思ったより反響をいただきました。facebookでそれなりの議論状態。そこからヒントを得ました。

面白い仮説が出てきたのです。

ネットを利用した就職活動の一つの現象だというのです。

■会社説明会への登録に無断キャンセルが生じるメカニズム
・学生は「ポチっ」と大量に登録できるから気楽に登録する。
・人気企業には枠がなくなってしまうから、より急いで登録する。
・多数登録しているので断ることが面倒になる。
・多数登録しているので断ることを忘れてしまう。
・断らずにキャンセルしても特におとがめがない。

■面接に登録しても無断キャンセルが生じるメカニズム
・会社説明会で多数発生した無断キャンセルが「普通のこと」になってしまう
・所詮、コンピューターで登録したサービスであり非人間的であるという意識が蔓延する
・面接のように人手がかかっている事情についての理解なく無断キャンセルをする

このような落とし穴に陥っているのです。

多数のチャンスを与えるべく作られたITのサービスが、このような非人間性を生む。
気軽な「ポチっ」の裏には「人」があることを忘れさせます。

確かに、アマゾンで「ポチっ」をした後のプロセスについて「人」を感じませんよね。
でも、あれの裏には、本を探して、梱包して、宅配便に託して、持ってきてくれる。
膨大な人の作業が発生しているわけです。

facebookなどにいただいたコメントを引用させてもらいましょう。

以下引用===>

Tさん(知り合いのドラマー):
わかるなぁ(~_~;)
家庭でも、学校でも…近所や地域でも、もっともっと若い彼等と接する機会つくって、
彼等と話しをする事が大切だね。
先ずは、私も息子.娘と話す機会つくります(^^;;
育った歓喜が違うから…
僕等の当たり前と、彼等の当たり前の隔たりが大きく開いてると感じてますョ。
僕等就活も、俺らの頃とあきらかに違うんだね…

==

Nさん(大学教授):
大変申し訳ありません…あ、いや、つい仕事柄、そう申し上げてしまうのですが(苦笑)
この傾向は昔からあります。様々な理由がありますが、その中には構造的?な要因もあります。
説明会の予約がWeb上で「ポチ」でできてしまうようになってから、一層激しくなっている感があります。
学生にとって厳しい就職環境下、人気ある企業の説明会は、Web上で公開されると、
すぐに定員が埋まってしまう状況にあります。この影響で、気になる説明会は「とりあえず予約する」
傾向にあると思われます。結果、説明会の参加率が50%を下回ってしまうという本末転倒な結果も
よく聞く話です。

これを防ぐ対策もありますので、一度サービス会社に相談されてはいかがでしょうか。

==

坂本:
Tさん、対話って確かにそれを解決する手段なのかも知れません。

==

坂本:
Nさん、確かにポチっが簡単すぎるわけですね。
でもやり取りしている中でのことはもったいないです。
あと、防ぐ対策ってどんなものでしょう?

==

Nさん(大学教授):
Webサイトの構造にもよりますが、ポチっとするボタンの直前に「キャンセルに関する注意書き」
「説明会の定員について」などの説明書きをきちんと書くだけで抑止力になると聞いています。
また説明会後、面接については、少人数であれば電話やメールなどでの事前確認が一番有効です。
手間ですが、キャンセルによるストレスは激減します。またナビサイトによっては、
リマインダーメールが自動で送信できる機能を持っているところもあるようです。

==

Tさん(研修会社勤務)Twitterより:
信じられないけど、企業の人事の方にたまに聞きます。 RT

==

Tさん(会社社長):
坂本さん、よくぞ言ってくれました。
連絡の無いドタキャンがよいはず無いです。いつかは自分に返って
くるのは明確です。社会でそんなことをする人はいません。
これは悠々由々しき現象です。なぜでしょう。

理由と背景を考えて見ました。
①ネットで申し込んだものはまだ、生身の人間としてでは無いから ドタキャン
 に罪の意識がない。=ネット社会の魂が入らない悪い感覚型(か?)
②世の中悪い中の就活はともかく、学生さんにゆとりが無い。手当たり次第に
 エントリーシートを出して、許可されたところに行く。行かないところに断りの
 連絡をする暇が無い。=就活が大変が故に起きること。不況型
 特に遅めで焦っているのかも。

ということで、不況の就活とネット手段の融合でこの様な考えられないことが
起きているのではないでしょうか?

それとも、
③今の若者の何割かは礼儀を知らないから?=これは無いか?

==

Nさん(大学教授):
補足です。少なくとも今回のテーマについて、大学側は学生に対して、
「必ず」断りの連絡を入れるよう指導をしています。他の大学も同じだと思います。
実際に徹底できてない点は否めませんが。企業側の対応について、学生・大学側から見て、
いろいろ要望したいこともありますが、それはまた別の話。

==

Kさん(ライター&コンサル):
ひとりのマイナスな行動が、その他「大学・学部・学科・研究室/ゼミ」の評判を下げる
リスクもありますから、後輩を考える余裕が欲しいですよね。

それが、同じ所属から何人もいると、なおさらですし。

SFC※生は採らないなんてことも聞いたことありますから。

大人には普通でもそうでない学生の子たちは少なくないですが、見捨てずにいきたいものです。

ブログ記事へのリンクをエントリーページに用意してみては?とか思います。

(※注記:SFC 慶応湘南藤沢キャンパスの略、ベンチャースピリット育成で有名。
   卒業生が就職先企業には定着しないという見方をされる)

==

坂本:
Nさん、企業にとって、価値観を素直に受け入れてもらって長く一緒に働くことができる新卒は宝物です。
そして、この手の粗相は仕事を通じて是正できると思っています。素直な伸びる人を選びたいです。
大学側と企業側とで意見合わせをしたいですね。

==

坂本:
Kさん、周りの評価を下げることを強調しすぎると、ちょっと村八分的な、
縮小傾向の日本文化の押し付けになるような気がします。
だから何とか伸び伸びと良いことはいい、ダメなことはダメと、本人に知らせてあげたい。
って、あ、そうか。このリンクを送ればいいのか!

==

Kさん(ライター&コンサル):
かなぁと思いますーw 愛のあるメッセージだと思いますから、人柄、社風が伝わると思いますし、
eJanを選ばなかった人も「そうだよな」と気づいてくれる人が出てくるかなと。

気持ち入ってるので、伝わる人が多いのでは?

<===以上引用終わり

コメントが気楽にやり取りできると思わぬ方向に議論が進みました。
面白いと思ったので、今日もこの話題でエッセーを書きました。

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