オルタナティブ・ブログ > 坂本史郎の【朝メール】より >

ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

搾取しているのは経営者なのではないか?

»

おはようございます。

思ったより寒く、思わず今日はスーツの上を取りに戻りました。

==

『「会社から搾取される」という考え方が何故生まれるのか』にいくつかコメントをいただきました。ありがとうございます。折角なのでコメントをお返ししたいと思います。

以下引用==>

通りすがり」さん 2012/06/07 18:46

理想はわかる。
現実は、目の前の小さな利益にだけ捕われて大局を見失っている経営者やマネージャの多さに失望しています。
また、サービス残業が蔓延している現状で理想だけを説かれても空しいだけです

==

大佐兎。」さん 2012/06/08 11:45

どんなにチャンスを与えられようと、今日という日は二度と来ない。
時間が有限資産である限り、自分と会社のゼロサムゲーム以外は有り得ない。
そして筆者の理論を用いると「ゼロサム=会社が搾取」ということになる。
以上、証明です。

どんなに安くて良い商品だとしても、買う度に従業員が苦しむ商品だとわかれば
誰も買わなくなる。
自分のところの社員も含めて「労働者=消費者」だという考えが経営者にない限り、
ほっておいてもそのうち潰れる。

不自然故に。

==

Rêve」さん 2012/06/08 16:43

>「会社に搾取される」と考える人たちがいます

同じように

「従業員を搾取しよう」と考える経営者がいます

も言えなくないですか?

もし、『「会社に搾取される」と考える人たちがいます』というのが事実であるとするなら、
それはその人が所属する会社の経営者の責任に過ぎない問題と思います。

従業員の考え方の問題はないと思います。

経営者の考え方は従業員の考え方に反映されます。

それだけの話のように思います。

==

袖触れ合うも」さん 2012/06/08 20:31

じゃぁ、何で会社経営しているの?
自分のやりたいことができれば社員でいいんじゃぁないの?
結局、搾取する側にまわりたいだけでしょ?

<==以上引用終り


皆様ご指摘のとおり、経営者の考え方とやることで会社は良くも悪くもなります。
搾取する会社も一部にはあるでしょう。経営者が何にプライオリティを置くかですね。
プライオリティは置かれている状況によって千差万別ですから。

・会社が危機的状況にあってV字回復を期待されているのか。
・伸びる事業を目の前に目いっぱい伸ばすことが求められるのか。
・事業が停滞しているのでブレイクスルーが求められるのか。
・なるべく会社の価値を高めてその会社を売ることを目的としているのか。
・事故を起こしてしまい、その処理をしなければならないのか。

会社は放っておけば墜落するものです。絶えず手を入れなければならない。

・人があちらこちらで不満をもつ。
・いつの間にか不正がはびこっている。
・事業はメンテしないと不採算になっていく。
・品質トラブルをおこす。
・競合に負ける。
・目標を見失う。

やるべきこととのバランスをとりながら会社の取るべき道を決めているのが経営者の立場です。
これは簡単なことではありません。この中で皆のそれぞれの幸福を追求するわけです。
それなので「搾取しよう」というような低俗な経営者の会社はすぐに成り立たなくなります。

==

MBA留学中の組織論の中のシミュレーションでした面白い体験があります。

まず、クラスメートを「経営層」「マネジメント層」「一般社員層」とに分けます。
それぞれにケースを与えて、会社のある一日をシミュレーションするのです。
ケースとは、電子メールや書類、予定表などが入ったものです。

真剣にケースに向かうと不思議な現象が現れます。

自分は「一般社員層」だったのですが、「経営層」が何かを難しそうな顔で議論している。
その様子は見えるのですが、実際には何が話題かがまるでわからないのです。
「マネジメント層」は「マネジメント層」で何やら別な議論をしています。

そこで学んだのは、経営層による情報発信の大切さです。

経営者は何をやっているのか、何を考えているのか、何をしようとしているのか。
この説明が不足することには注意しなければなりません。社員は不信感を覚えます。

==

「搾取しよう」とか「搾取されている」とか。

そんな思いというのは一般的な会社では殆ど無いと思ったほうがいいです。
それよりも、情報の伝達が悪いことで、お互いを不幸にしてしまっているということがある。
この事実を認識すべきではないかと考えます。

実際に、経営のことで社内メンバーに隠しておくべき情報などというものは殆どありません。
情報を開示する側にしてみれば「自分が馬鹿だと思われる」リスクはつきまといます。
実際のところが出るだけなので正直に出すといいでしょう。出し続ければ進化もします。

社内に情報を発信し続ける、そんなことを心がける経営者である。

このことの大切さを認識することが、幸せな会社を作る一つの鉄則だと私が考える理由です。

==

※20120612 11:35  修正しました。 でで → で

※20120612 13:10  修正しました。 つきといます→ つきまといます

Comment(0)