海外で携帯のデータローミングをした明細書を精査しました:不用意にXperiaやiPhoneは使わない方が賢明ですね
海外でパケット通信をしたときにどれくらいの費用がかかるのか。シンプルながら、あまり明確な答えは見つかりません。キャリアの資料を見ても、通信時のハンドシェークに50円だとか100円請求される、あるいは渡航先により異なりますという注記以外には、あまり詳しいことが記載されていません。
誰もがおっかなびっくり使ってみて、請求書が来て、それなりにびっくりとか納得とかというのが現状でしょう。自分の携帯電話をそのまま海外に持ち出して、飛行場に降り立ってすぐにメールのチェックをする、これが理想的ですよね。
そこで今日は、そのように実際に使ってみて、サンプルになってくれたある結果について、分析してみました。立ちはだかるテータ通信の国際ローミングの壁ですね。それを正視してみます。
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CACHATTOの製品ブログでも少し取り上げ始めていますが、アジアを中心に海外出張の多い大手企業関連会社社長のTさん、docomo N705i を使いながら実際に香港、上海、タイ、インドネシアと2月に出張をしました。その際の請求書が来たので写しをくれました。docomoは海外で使用した分が「WORLD_WING・iモード通信料」の明細として入手できます。
[関連CACHATTOブログ]
・ビジネスマンTさんのCACHATTO海外利用~香港編~
・ビジネスマンTさんのCACHATTO海外利用~上海編~
請求書を眺めてみると、ある一定のバイト数で50円を超えて課金されていることがわかります。請求書にある「iモード」というのは、基本的にはiモードメールを使った時。そして、「サイト」というのが、会社のメールをCACHATTOでチェックした時です。
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せっかくなのでデータをエクセルに入れてグラフ化してみます。
どうやら5000バイト以上くらいで一定金額の課金がされているようです。ここで次のような式で表現できると仮定します。
請求金額=50円+(利用バイト数ーA)×B
A:課金が開始される足切りバイト数
B:バイト単価
請求書の金額と計算値とのそれぞれの差の二乗の総和(差の2乗の総和)を最小化するようにAとBをエクセルのソルバー機能で求めると、それぞれ、A=6326バイト、B=0.00152円/バイト と出ました。これは、パケットに換算すると、A'=49.4パケット、B'=0.20円/パケットとなります。
推測するに、この結果が意味するところは50パケット未満は一律50円で課金、それ以上はFOMAのパケット代で一番高い料金の、0.20円/パケットが適用されているということです。実際に計算しなおしてみると、請求書は小数点1桁が切り上げになっているようですが、ほぼ合致しました。なるほど。請求書からもきっちりとこの結果が検証できました。
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50パケットというと全角3200文字程度に相当します。ただ、このほかに、通信の際のハンドシェークと、メールのヘッダー情報など、文面の文字数に表れない通信部分もあります。実際に文字に使える部分は半分ほどが目安くらいで考えてもいいかも知れません。それでも、写真無しのメール数通やり取りするくらいなら全く大丈夫です。
ところが写真は、10キロバイト程度のものがざらです。1キロバイトは、1024バイトで、8パケット相当です。10キロバイトは80パケットとなりますので、敷居値の50パケットはアッというまに通り過ぎてしまいます。大きめの100キロバイト程度の高画質写真を送信、あるいは受信してしまったら、800パケット、つまり、50円+(800ー50)×0.2円/パケット=200円かかってしまうことになります。写真や添付ファイルの送受信は控えるようにする必要がありますね。
ビジネスマンTさんは、会社メールを携帯電話でCACHATTOで、日本にいるときと同じくらいのペースでチェックしていたわけですが、それほど大きな金額負担にならなかったということも大きな発見です。この場合、CACHATTOでは全てテキスト情報のやりとりをしており、添付ファイルや写真は使っていません。海外では、できたとしても写真や添付ファイルを携帯電話でダウンロードするのは避けた方が懸命ですね。
その点、通信バイト数があっという間に大きくなる、iPhoneやXperiaなどのスマートフォンでは海外データローミングはご法度ともいえるかも知れません。だれか勇気をもってやってしまった人っていらっしゃいますか?ぜひ明細書を精査させていただきたく (※心配ですので是非)。
※201004054 13:40 タイトルを変更しました。