中国でのソフトウェア技術者の集め方・育て方
★日本のソフトウェアはどこに価値があるのか?
【朝メール】20081001より__
===ほぼ毎朝エッセー===
□□日の丸ソフトウェア開発の価値
昨晩はソフトバンクモバイルの副社長、松本徹三さんという方にお会いしました。e-Janの社外取締役をやってもらっている佐藤道生さんの伊藤忠時代のお知り合いということで、会食の機会を設けてもらったのです。
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「中国でですね、あるプロジェクトに必要なソフトウェアエンジニア集めるとします。すると、採用の人は村を電車で廻るんですねぇ。電車を降りると村長さんを訪ねて、握手しながら言うんですよ。
『この村で、賢い若者はいないですか?そう、将棋が強いような』
すると村長さんは言うんですね。
『おお、それではあそこの陳(ちん)さん、そこの息子がこの間もねぇ、お年寄りに将棋で勝っていましたよ。』と。
それで早速、その人は陳さんの息子さんに会いに行くわけですよ。
『おお、君が陳くんかね。賢そうだねぇ。どうだね、お母さんに孝行してみないかい?仕事をすれば家に沢山送金ができるよ』
こんな感じでつれてくるんですね。エンジニアの候補を。
そして次の村に行く。それであっという間に500人ばかりかき集めてきてしまうんですね。集めた500人にはトレーニングを施して、それで下請け仕事から始めて次第に実力を発揮してくるのを見ている。
すると500人の中で100人くらいは優秀なのが出てきます。そしてその100人の中の10人くらいにはかなり優秀なのが出てきます。さらにその中の1人には天才級がいたりします。」
「それで、残った400人は?」
「『君も親孝行できたね。偉かったね。』と言って返せばいいのです。そんなところと日本のソフトウェア業界がかなうわけがない。日本のソフトウェアエンジニアってよく分からないじゃないですか。」
「文系とか理系とか関係ないですよね。いわゆる専門教育が無い、そういう意味ですか?」
「そう、素性のよく分からない育ち方をすることが多いです。例えばNECなんかも切実なわけですね。ソフトウェアエンジニアがどんどん年を取って、パフォーマンスが落ちてくるのに給与は上げていかなければならない。方やソフトウェアエンジニアになろうという人たちが少ない。
政府が『ITだ』とどう騒いでも、系統的にソフトウェアエンジニアが育つような環境を提供するようにしているわけではない。これであの中国と真っ当に戦うって言ってもかなわないわけですよ。」
「でも、日本の家電はやはり使いやすいじゃないですか?」
「そうなんですね。日本では製品を徹底的に作りこみますよね。実に細かいところまで詰めて。これは彼らにはなかなかできない。きっとそういう感性を持っていないかも。どうもそのあたりにヒントがあるのかも知れませんよ。」
★アンテナ感度、作りこみ、感性、提案、そういったところにありそうですね。 妥協せずにやらねばいけません。でないと、全くかなわなくなってしまいます。アメリカからiPhoneとかKindleとか、びっくりするようなすごい製品が出てきますが、それと似たような役割が求められてきているということです。創っていこうではないですか!