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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

MBAの効果ってあったのだろうか?

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MBA留学をしたことは自分の考え方に大きなインパクトを与えたと思いますが、実際に、「特に大きかったことを3つ教えてください」といわれると、考え込んでしまいます。それをまとめたことがあります。

★【朝メール】20070312より__

□□特に大きかったこと3つ

突然知らない人からメールが舞い込んできました。

最近はスパムメールが多いので何気なく見落としそうになったのですが、メールを開いてみると次のようなものでした。

(株)いいじゃんネット 代表取締役
坂本 史郎様

Class of 2002の大塚様からのご紹介で、
メールをさせていただいております。

今、Dardenを受験中なのですが、
WLになっております。
Dardenには、非常に魅力を感じており、
継続して、Admissionにアピールをしておる次第です。

小生、Dardenがすばらしいのは、
Leadership育成を主眼においたプログラムであり、
生きた体験(ケースやLearningTeam)をベースに、
スキルを体得させるところにある、と思っております。

そこで、オープンな質問で、大変恐縮なのですが、
Dardenで培われたもので、現在経営者として、
ご活躍されていらっしゃる中で、特に大きかった
もの(こと)を3つほど、ご教示頂けませんでしょうか。

大塚様には、強力なリーダーシップを培われた方
ということで、坂本様をご紹介いただいており、
ぜひ、ご協力をお願いさせていただきたく
思っております。

非常にご多忙ときいておりますので、ご協力
いただけたとしても、簡単で結構でございます。

何卒ご検討の程頂ければ幸甚です。

ちょっと解説を。
・ Class of 2002 とは2002年卒業の人という意味。自分はClass of 1995です。
・ Dardenとはバージニア大学のビジネススクールの名称。
・ WLとは、waiting list のこと。受験後の補欠候補。

要するに、受験中の人が自分が行きたい学校について確信を持ちたく、卒業生に意見を求めているようです。でも、こういった「3点述べよ」みたいな質問って難しいですよね…。

そして、偶然にも週末、自宅を引越しをするにあたって、Dardenで使われていた大量のケーススタディー用の資料、これらをバッサバッサと捨てていました。あまりに大量のケース、あまりに大量の文章、これらを「こんなこと、よくやっていたなぁ」などと思っていたのです。

大量のケースがある、それをものすごい勢いで勉強することからも分かるように、アメリカの優秀な人々はものすごい勉強家です。ものすごい量の文章を読むし、ものすごい量の文章を書きます。それで、文章の構成のしかたがとても論理的です。模範解答と比べた自分の論文を後から読むと赤面してしまうほどです。ケースを捨てていながら、自分の難点は、いきなり結論に飛び込んでしまうことだと改めて思いました。

「真の教育は、教わったことを全て忘れた後に残ったものである。」
ある先生が言っていました。すでにDardenを出てから12年経とうとしています。一度考えるには充分な時間が経ったと思います。

さて、返事がてら少し考えてみます。

○○様、

はじめまして。Class of 1995 の坂本です。

Dardenの受験、WLから入れるといいですね。待ち時間は精神的に一番大変な時期でしょうが、チャレンジを続けて、やめなければ必ずいい形になると思います。

さて、ご質問の3点ですが、正直、難しい内容です。ただ、ざっと思い出してみたところ、こんなところなのではないかと考えています。

■ビジネスを構成するのは人であることを確信したこと
・ その役割に重要・非重要がない。
・ どの分野も追求すればそれだけ深みがある。
・ ビジネスはチームで実施するものである。

Dardenは組織論、倫理、コミュニケーション力など、リーダーシップ以外にも人間力の養成にとても熱心です。企業は財務内容だけではありません。MBAの旧来のBean counter(金勘定屋)とは全くイメージが違いました。ビジネスというものの一つ一つの要素を深く掘り下げ、そこにある知識、考えを議論していきます。ビジネスというもの自体の深さ、楽しさを知り、自分でもその全体を体験したいと強く思うようになりました。そして、アプローチがスタディグループを始めとしたチームで進みます。必ず自分より上手の人たちがいる、ということを痛感するのもいい体験でした。

■hesitation to work hard がなくなったこと
・ ハードワークを肯定。
・ なまけものであることはかっこ悪い。
・ 最初はわからなくても追求を続ければ必ず見えてくる。

ケーススタディーは膨大な量のケースや副読本から勉強をするのでえらく大変です。最初はどこから手をつければいいのかが分からないし、殆ど読みきれません。ところが、分からないなりに、限られた時間で必死に食い下がっていると、その姿勢と習慣を通じて、意外にも「なんとかなるんだ」という体験をします。不思議と徐々に見えてくるのです。この原始体験ができると、ハードワークを厭わなくなります。

ついでに、自分の頭で物事を考えるようになり、自分の尺度で行動できるようになります。もちろん、人の意見は大切です。意見を広く求めて自分のことにするのが一番です。そして、人から意見をいただくためには自分はハードワークをしているのが大切な要素なようなのです。

アメリカの優秀な人々はものすごい勉強家です。ものすごい量の文章を読むし、ものすごい量の文章を書きます。そんなクラスメートと場を共有することがこういったことを教えてくれました。あと、どこでどうすれば自分を休めることができるか、それを覚えたのも重要です。

■リーダーが問われるシンプルな言葉をよく思い出すこと
・Can I trust you?
・Do you care about me?
・Are you committed to success?

リーダーは「自分が自分が!」と言い張る人のことのように勘違いされることがありますが、実は、絶えず上記の3点を問われる立場の人のことです。人は低いほうに流れます。流れそうだなと自分で感じたとき、行動に迷ったとき、気持ちが弱くなったとき、よくこの言葉を思い出します。シンプルなのですがものすごく難しい言葉です。

もちろん、その他、膨大な数量解析、エクセルのテクニック、財務諸表の出し方、見方、マーケティングから製造現場での考え方、ベンチャーを起すときのビジネスプランなどなど、一つ一つが連動しながら、ものすごい輝きを持っているカリキュラムです。

知ること自体が楽しくて仕方がなかったという記憶があります。
こんな体験をさせてもらったのはつくづくラッキーだったと思います。

以上、何らかのご参考になれば幸いです。

というような形にまとめてみました。

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★アメリカの高等教育のレベルが高いというのは本当です。

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