オンライン会議で「顔を映す」ことは「感情を映す」こと (感情知性:Emotional Intelligence Quotient)
ITを活用し、本来のオフィスから離れた場所で働くということ
緊急事態宣言が出て2日目。
皆さんは、どのような場所で、どのように過ごされていますか?
今から30年位前、「ITを活用し、本来のオフィスから離れた場所で働く」をいち早く取り組んでいた会社があります。それは、日本電気株式会社(NEC)です。
社会人1年目から、本来のオフィスではなく、サテライトオフィスで働く環境やTV会議システムが身近にあったおかげで、私にとって「テレワーク」はとても身近なものであり、自身のその後の「働き方」にも大きく影響しています。
場所に囚われず、どのようにすれば、『快適で』『効果が出る』働き方ができるかを自身の体験として身につけられたように思います。
改めて、The beginning is the most important part of the work.(仕事においては、最初が最も肝心である)という古代ギリシア哲学者プラトンの言葉を思い出しながら、今のオンライン会議について書きたいと思います。
オンライン会議で「顔を映す」ことが必要な理由
新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延により、オンライン会議、オンライン研修、オンライン1on1など、今まで対面(Face to Face)でおこなっていたことをオンラインに切り替える動きが、一気に広がっているように感じています。
オンラインへの切り替えが進む中で「ビデオをONにしていないとダメですか?」「顔を映さなければダメですか?」ということが話題になることがあります。
その理由の多くは、画面にプライベートの生活空間が映り込むことに抵抗があったり、身だしなみ(髪型、洋服、化粧など)を整えたりすることが面倒であったりといった所だと思います。
さまざまなオンライン会議ツールがある中、Zoomは、最初から「バーチャル背景」機能を搭載し、背景を好みの画像や動画に差し替えることができます。この機能によって、背景の問題を解決するだけでなく、背景を楽しむことで会議を和ませる役割も果たしています。(Microsoft Teamsでも、同様の機能を搭載予定)
自身の体験を振り返って考えると、TV会議システムは、オフィスやサテライトオフィス間をつないで、離れた場所にいる人達の「顔を映す」ことが前提でした。
ところがいつの間にか、ビデオ機能はあるものの、ビデオはOFFにして音声だけで会議をすることが日常になり、機材や帯域の問題がない状況においても「顔を映さない」が前提に変わっていました。
Zoomは、バーチャル背景で背景の問題を解決しただけでなく、参加している人達が基本的には「顔を映す」ことを前提に戻してくれたように感じています。
前置きが長くなりましたが、今日は、オンライン会議で「顔を映す」ことが、なぜ、感情知性(EQ)を磨くことに役立つのか?を書きたいと思います。
感情知性(EQ)については、過去ブログをお読みいただけると嬉しいです。
【参考】『感情知性(EQ:Emotional Intelligence Quotient)』をトレーニングすると、自分や相手の感情を俯瞰的にとらえ、マネジメントできるようになります。
大坂なおみ選手の全豪オープン優勝にみる感情を整えるということ(感情知性:Emotional Intelligence Quotient)
コミュニケーションとは
- 人間が互いに意志・感情・思考を伝達しあうこと。
- 言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う。
出典 三省堂『大辞林』第3版
コミュニケーションスキルというと、「聴く力(ヒアリング)」「話す力・伝える力(プレゼンテーション)」「書く力(ドキュメンテーション)」といった、可視化しやすい、言語化スキルに注目が集まりやすいのですが、コミュニケーションスキルを磨くためには、ノンバーバルスキル(非言語化スキル)を磨くことも重要です。
「言葉」は、人によって「感じ方」や「解釈」が異なることもあるので、思っている以上に、曖昧で、不確実なものです。この不確実な情報を補ってくれるのがノンバーバルスキルになります。
私たちは、表情や声や会話のリズムなど、言葉以外から沢山の情報を受け取り、コミュニケーションに役立てることができます。相手の表情や声や話し方などから、相手の感情を推測したり、状況を判断したりした経験は、誰しもお持ちだと思います。
感情知性(EQ)を磨くためには、「自分の感情」と「相手の感情」に「気づくこと」が大事です。
オンライン会議で「顔を映す」と、参加している人達の顔が並ぶので、楽しい顔で参加している人、退屈な顔で参加している人など、「表情」からその人の「感情」が見えやすくなります。また、他の人の「表情」だけでなく、対面(Face to Face)の会議では見ることができない、自分自身の「表情」を見ることもできます。
オンライン会議の「顔を映す」を利用して感情知性(EQ)を磨き、どのような状況においても、自分で自分の機嫌をとれる人でいたいものです。