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長く続くことは、今の時代を見ながら変化すること  ~世界農業遺産(GIAHS)和歌山県みなべ・田辺地域~

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皆さん、こんにちは!

突然ですが、皆さんは、世界農業遺産(GIAHS)をご存じですか?

私は、今回、和歌山県みなべ町梅収穫ワーケーションプロジェクトに参加するまで、世界農業遺産(GIAHS)の存在を知りませんでした。世界農業遺産(GIAHS)は、2017年1月に認定基準が施行され、2022年5月現在、世界22ヶ国、65の地域が農業遺産に認定されています。日本では、全体の約1/6にあたる11の地域が認定されていて、そのひとつが和歌山県みなべ・田辺地域になります。

世界農業遺産(GIAHS)とは

社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ及びシースケープ、農業生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)であり、国際連合食糧農業機関(FAO)により認定されます。(農林水産省のサイトより引用

和歌山県みなべ・田辺地域/梅収穫ワーケーションプロジェクトとは

このプロジェクトは、世界農業遺産(GIAHS)である和歌山県みなべ・田辺地域の梅収穫に参加しながら、リモートワークを実践するプロジェクトです。
Team WAAオーガナイザーである島田由香さんによって発案された、初めての試みになります。(下記、島田由香さんの言葉を引用)


私の目的はただ一つ!
みんなで安全に楽しく梅収穫ワーケーションを行うこと。
そのことが、梅農家さんやみなべ町の皆さまにすこしでもプラスになること。
世界農業遺産の知名度と理解度の向上につながること。これを願っています。
(中略)
この企画をsustainableに毎年やっていくつもりです。そのためにも、今年初の取り組みが全員安全であること、ポジティブな場であること、がとっても大切だと思っています。皆さんと一緒に創る場です。

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梅ボーイズさんでの収穫風景)

和歌山県みなべ・田辺地域/梅収穫ワーケーションに参加した理由

最近、本業のITに加え、「ブレジャー」「ワーケーション」の実践者として、「働き方」「ワーケーション」の講演を依頼されることが増えてきました。まだ、言葉の定義がない時代(1992年)に「ブレジャー」「ワーケーション」を始めてから今年で30年目に入ります。

過去の経験も大切ですが、何か新しい形のワーケーションを実践したい」と考えていたところ、和歌山県みなべ町の梅収穫ワーケ―ションプロジェクトが立ち上がったことを知り、参加することにしました。

南高梅(なんこううめ)の「梅酒」や「梅干し」をつくる母の姿を見て育ち、幼少の頃から、体調を崩したときには、母が漬けた大きくてすっぱい梅干し入り「梅がゆ」と祖母から母に受け継がれた「梅肉エキス」を食してきた私にとって、『梅=南高梅』であり、とても身近な存在であったことも、このプロジェクトに参加したいと思った理由です。

*一般的には「なんこうばい」と呼ばれることも多いですが、正式名は「なんこううめ」になります。(リンク先には、南高梅誕生の背景や名前の由来などが紹介されていますので、ぜひ、そちらも読んでみてください。)

長く続くことは、今の時代を見ながら変化すること

今回の梅収穫ワーケーションプロジェクトは、みなべ町の梅農家さんのご協力のおかげで実現できています。沢山の梅農家さんにご協力いただくなか、私がお世話になったのは、明治37年(1904年)に梅農家を始められ、現在5代目の方が継がれている、創業118年目の「梅ボーイズ」さんです。
梅ボーイズ」さんは、昔から食べられてきた「梅本来の味がする梅干しを残したい。それが「梅本来の味がする梅干しを残したい。それが日本の食卓にも農業にも大事なこと」と考えられ、塩と紫蘇だけで漬けた梅干しづくりを行っている梅農家さんになります。

創業118年目の「梅ボーイズ」さんにお世話になったことで、梅収穫を通じて、あらためて「長く続くこと」について考える機会となりました。

社会や環境の変化に適応するために「変化すること」「変化スピードを上げること」は大切なことです。特にこの2年間は、コロナ禍に対応するため、常に「変化すること」が求められてきました。

「変化すること」「変化スピードを上げること」は大切なことですが、そこに意識が強く向きすぎると「何のためにその変化が必要なのか」が曖昧なまま、目的が置き去りにされていると感じることがあります。

(例:組織課題が明確化されていない状況で、とにかく、DX化したいと言われるケース)

今回のブログのタイトルを「長く続くことは、今の時代を見ながら変化すること」にした理由は、「長く続くことは、今の時代を見ながら変化すること」=「変化すること」と「変化しないこと」を見極めることと感じたからです。

歴史や文化の中で継承されてきた「変化しないこと(変化させないこと)」に、技術や研究の進化によって可能になった「変化すること(変化させること)」を融合することで、大切なことを守りながら今の時代にあった変化となり、結果として、長く続くことにつながっていく。

今回、和歌山県みなべ・田辺地域/梅収穫ワーケーションを通じて、あらためて「長く続くこと」の尊さを認識し、「変化すること(変化させること)」と「変化しないこと(変化させないこと)」を見極められるようになりたいと思いました。

6月1日~30日までの1か月間、全国から100名以上が参加するBigプロジェクトを、Team WAAのメンバーがプロボノでサポートしてくれています。

最後に・・・
このプロジェクトを受け入れてくださったみなべ町の皆さん、Bigプロジェクトを献身的に支えてくださっている運営メンバーの皆さん、本当にありがとうございます。

梅収穫ワーケーションに興味を持たれた方は、ぜひ、来年、参加してみてください。(私は来年も参加予定です!)

ぜひ、こちらの動画もご覧ください!
世界農業遺産 みなべ・田辺の梅システム

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