ルールが生み出す『自由』と『心地よさ』を考える
今日、トレッキングをしていたら、トレイルランニングを楽しむ方へのルールを見つけました。そこには、トレッキングやトレイルランニングをしている人たちが、お互いに安全に楽しむための必要最小限のルールが記載されていました。
皆さんは、「ルール」と聞くとどのようなイメージを持ちますか?「公平や秩序を保つためにはルールが必要」とわかっていても、ルールと聞くと「行動を制限するモノ」「堅苦しいモノ」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
皆さんの組織のルールは、形骸化していたり、働く皆さんに不自由を強いていたりしないでしょうか?
よいルールは「習慣化できる」
私は「よいルールは習慣化できるルールであり、ルールによって自由や心地よさが生まれる」と考えています。そのため、組織やチームのルールを議論する際、「自分のシゴトも相手のシゴトも増やさない」ことを前提にしています。
『Teams仕事術(技術評論社)』を執筆した理由のひとつは、「オンライン集合型」と「リアル集合型」のハイブリッド型の働き方になった時、「心地よく働けるためのルールづくり」の参考にしていただきたいと思ったからです。
たとえば、Teamsチャットで、仕事の依頼や指示をする際、投稿を読んだら「いいね」をつける、その仕事が終わったら「ハート」をつけるとルールを決めておけば、誰が依頼や指示を読んでいるか、誰が仕事が終わっているかをリアクションマークで確認することができます。リアクションマークであればワンクリックで済みますが、メッセージの場合は「指示を確認しました」「終わりました」とその都度、メッセージを書くことになります。
あくまでも、これは一例であって、大切なのは、共に働くヒトたちが無理なく習慣化できる、互いに心地よく働けるルールを決めておくことです。
よいルールは「働くヒトの主体性を最大化できる」
皆さんが働く組織には、形骸化しているルールがありますか?
形骸化したルールは、なぜ、組織に残っているのでしょうか?
このような質問をすると、「ルール変更に伴い、システムの改修が必要だから」「システムの改修に費用がかかるから」等、さまざまな理由が返ってきます。このような理由を述べられる方々に「形骸化したルールによって、働くヒトの貴重な時間がどれくらい奪われているか、試算をしたことがありますか?」と尋ねると、具体的な数値が出てこないことがほとんどです。
形骸化したルールを守ることが重要視されている組織では、「ルールを守ること」が目的となり、働くヒトの主体性が失われていくように感じています。かといって、自由度を高めるためにルールを撤廃し、与えられる選択肢が多くなりすぎると、どうすればよいか?戸惑い、身動きが取れなくなってしまうヒトも出てきます。
ルールは「私たちの行動を制限するモノ」とイメージされるかもしれませんが、実際は「ここまではやってよい」「ルールの範囲内では自由に動いてよい」と自由を確保するモノです。
よいルールは、組織に対するコミットメントを高め、そこで働くヒトの思考や行動の自由を担保してくれるルールです。
もし、今のルールに不自由さを感じているのであれば、そのルールをどのように変更すれば主体的に心地よく働けるのか?考えることから始めてみませんか?変わらないことを嘆くのではなく、共に働くチーム全員でルールを見直し、心地よく働ける環境をつくっていきましょう!