「農作業」+「ワーケーション」 山形県酒田市の「風」と「土」が教えてくれたこと
皆さん、こんにちは!
6月の「和歌山県みなべ・田辺地域/梅収穫ワーケーション」に続き、8月に山形県酒田市で「農作業」+「ワーケーション」を行ってきたので、今回も「農作業」+「ワーケーション」について書きたいと思います。
◆企業の「ワーケーション」プロジェクトの効果
今回のワーケーションは、ダウやLUXなどのメーカーであるユニリーバさんが推進しているWAA(Work from Anywhere and Anytime)の取り組みのひとつである『地域 de WAA』と、多様な働き方を応援するコミュニティTeam WAAのコラボレーションプロジェクトに参加した形になります。(Team WAAは、誰もがいきいきと自分らしく働き、豊かな人生を送れるような「新しい働き方」に共感し、実現していこうとする、企業・団体・個人のネットワークです)
ユニリーバさんの『地域 de WAA』は、ユニリーバさんと自治体が連携しているので、社員の方がワーケーションを始めやすい仕組みになっています。多様な働き方、どこにいても一緒に働ける働き方を実践するには、『制度』『環境』『意識』の3つが整っていることが必要です。ユニリーバさんの場合、『制度』としてのWAA、『環境』としての自治体が揃っているのですから、あとは、社員の方々が「やってみたい!」「やってみよう!」と思うだけで、ワーケーションを始めることができるのです。
参加された社員の方々が、部門を超えた新たな繋がりをつくり、会社への愛着をより深められていた様子を拝見し、企業として「ワーケーション」プロジェクトを推進することは、インターナルコミュニケーションや従業員エンゲージメントの向上につながると感じました。
◆地域活性化を支える「ITツールの利活用」
そして、今回のプロジェクトを自治体側で支えてくださったのは、山形県酒田市産業振興まちづくりセンター サンロクの皆さんです。今回のプロジェクトで驚いたことは、TeamsやZoomによるオンライン会議だけでなく、Slackを使った情報共有がおこなわれている点です!
ワーケーションから帰ってきた後も、自分が種を蒔いた玉ねぎの写真をSlackにアップしてくださるので、成長プロセスがわかり、とても楽しいです。
「ワーケーション」や「ブリージャー」の実践者として、さまざまな地域のワーケーションプロジェクトに参加しますが、その時に直面するのは、まだまだ、メール+紙書類の送付といった自治体が少なくないということです。
IT化が進んだとしても、それに合わせて、組織の『制度』と、使う人の『意識』が変わらなければ、ITを使いこなし、デジタル化を推進することができません。
一方、今回のプロジェクトは、サンロクの皆さんの『ホスピタリティ』と『ITツールの利活用』のおかげで、情報伝達が、タイムリーかつスムーズにおこなわれています。異なる組織に属する人で構成された、初対面の人が多いプロジェクトであっても、全員が同じようにITツールを利活用できる、ITリテラシーを持ち合わせていれば、最初からスムーズにモノゴトが進められます。
◆没頭して、無心になれる『場所』と『時間』
ところで、皆さんは、時間を忘れるくらい没頭して、無心になれることはありますか?
ワーケーションは、「Work」+「Vacation」の造語ですが、休暇を意味する「Vacation」の語源は、vac「からっぽ」-ation「すること、するもの」、つまり、「からっぽにすること」です。
「農作業」+「ワーケーション」で気づいたのは、日常生活では、無意識に「からっぽ」にするより「いっぱい」にすることに意識や行動が向いているということです。
例えば、休暇でどこかに行く際、せっかくだから「○○に行きたい」「☆☆を食べたい」と、やりたいことや食べたいもので「いっぱい」になっていて、休暇の語源である「からっぽ」とは逆の状態になっていることに気づいたのです。
誤解してほしくないのは、やりたいことや食べたいもので「いっぱい」にすることを否定しているのではありません。予定が入っているから「いっぱい」、予定が入っていないから「からっぽ」と、目に見えるスケジュール量の「いっぱい」「からっぽ」ではなく、没頭して、無心になる(からっぽになる)時間があるかどうかということです。予定を入れず、リゾートホテルでのんびり過ごしたしても、必ずしも、無心になる(からっぽになる)とは限らないからです。
つまり、「何かをしている」から「無心になれない」でもなく、「何もしていない」から「無心になれる」でもない。休暇の語源である「からっぽにする」には、自分が没頭して、無心になれる『場所』と『時間』が大切であると気づいたのです。
今回の「農作業」+「ワーケーション」では、「ビニールハウス内の草むしり」「カボチャの収穫」「玉ねぎの種まき」「オクラの収穫と剪定」と4種類の農作業をおこない、没頭して、無心になる(からっぽになる)ことができたので、とてもリフレッシュすることができました。
山形県酒田市の酒田グリーン・ツーリズムでは、様々な農業体験ができるメニューが用意されているので、季節に合わせて、さまざまな農業体験をしたいと思っています。