復刻版 ウェブコラム:1997年「VRML 1.0 入門」
復刻版 ウェブコラム:1997年「VRML 1.0 入門」~ はじめに ~
「(商用ネットワークサービスプロバイダー接続マップ復刻版付) iNTERNET magazine Reboot (インプレスムック)」 の発売をAmazonで知り、1990年代を回顧。わたしも個人的な経験を書いてみる。
約20年前、1996年~1997年のお正月休み。私は自宅で、Windows 95 マシンに向かっていた。
1996年の年末に、Live3DとVRML Add-in for IE3.0を入手。VRML(Virtual Reality Modeling Language)1.0 のサンプルを作成していたのだ。正月休み明けに、bekkoame の個人サイトで公開、その後、解説を追加。プロバイダの「ホームページ作成講座」の1コーナーとしてリンクされていた。
当時の私の自宅の環境は、FMV DeskPower SE、133MHz。既製PCの中では拡張性の高い機種で、メモリやIDEなどを増設していた。
接続は、28,800内蔵モデム。家の中に長すぎるモジュラケーブルを引き倒していた。
接続状況はかんばしくなかったが、接続できたところで、情報自体が少なかった。Googleもbingもなかった。Yahooは登録希望サイトを人力審査していたから、厳選された良質なサイトばかり検索されるというメリットがある反面、情報量は限られていた。
ITの書籍や雑誌はまだ少なかった。「 iNTERNET magazine」は、その数少ないIT情報誌の代表格だった。
情報を得られないので、VRMLビューワのプラグインに付いていた数個のサンプルのソースコードを穴のあくほど見つめて、各プロパティが何を表すのかを考えた。手計算で平面図から立面図を起こすテクニカルイラストの経験と、2次元CADの操作スキルが役立った。
サンプルコードは、Windows 95 に標準搭載されていたテキストエディタで書いた。「メモ帳」ではなく「Write」だったと記憶している。青いペンのような形のアイコンだったはず。
作ったサンプルはといえば、お菓子なものばかり。
「VRML小豆大明神」。
「たいこまん」の台座に「もなか」の胴体、「小豆」の頭に「団子」の両腕という、甘すぎるオブジェ。VRMLビューワを使うと、これをぐりぐり回転させて、あらゆる方向から拝むことができる、というものだった。
「空飛ぶたいこまん」。ビルの上空に、たいこまんをびゅんびゅん飛ばせるという代物だった。
なお、「たいこまん」は「今川焼き」のような菓子で、松山市では「ひぎり焼き」、新居浜市では「ヒット焼き」と呼ばれている。友人たちによれば、各地で呼び名が異なる。
何年か前、くだんのWindows 95 マシンを、Windows XP Pro ノートに直つなぎして、IDEに眠っていたデータをサルベージした。
そのうちの8ページ分を、復刻公開する。
インターネット黎明期、全国にアクセスポイントが開設され始めた頃の、ウェブ事情を知ることができるだろう。
復刻版 ウェブコラム:1997年1月~公開「VRML 1.0 入門」抜粋
- ウェブページの現状
- VRMLとは何か?
- VRMLの活用方法
- ファイルの作成方法と、VRMLビューワの使いかた
- VRML記述の基本
- つくってみよう!「VRML 小豆大明神」
- 3分で作る、インスタントVRML
- VRML関連情報の紹介
(1996年~2000年頃まで使っていた、FMV DESKPOWER SE。2012年、データをサルベージ後に撮影)