四国八十八箇所遍路での出会いを記録する、Windows Phone アプリ 「道友」
昨日紹介した、国内の旅での出会いを記録できる Windows Phone アプリ「道友日本」を開発する前に、四国遍路に特化した Windows Phone アプリ「道友」を開発していました。
なぜ、国内旅行版よりも先に、四国遍路版のアプリを作ったのか?それは。
四国四県は、2006年に、文化庁に対し、「四国八十八か所霊場と遍路道」を世界遺産にと、共同提案しています。
また、昨年10月1日に「四国活性化フォーラム2011」が開催されました。テーマは「お遍路で結ぶ絆」。
今年5月には、ウド鈴木さん主演の映画「一遍上人」が公開されるようです。
生誕地が松山だったとは(をいをい)
そのようなわけで、先般紹介した俳句アプリ「一日一句」同様、ご当地アプリです。
公開先を、狭い地域から広い地域へ、つまり、四国から日本へ、日本から世界へ、と拡げていきたいという考えがあり、先にご当地版を開発しました。
その昔、XMLの黎明期、日本のXMLコンテンツは世界に通用すると言われていました。XMLの父、John Bosak氏も評価していたようです。
以前「RainMan Toolkit」のプロトタイピングをPROJECT KySSで担当した時も、2005 Conference Proceedings の会場では、そのUIが評価されていたそうです。日本の開発者なら当たり前に作り込む細かな配慮が、他の国では当たり前ではないケースが結構あるのだそうです。
日本の開発者が作るアプリやコンテンツは、もちろん、世界に通用します。
ですので、Windows Phone アプリ開発者は、現在のところ、auのIS12Tしか発売されていないことを、嘆く必要はありません。
世界のWindows Phone ユーザーを対象に、開発すればいいだけのことです。
で、「道友」の紹介です。
「道友」の概要
道友は、人生という道程―――四国八十八箇所の、へんろみち―――で出会った人々との思い出を、テキストと写真で記録するためのアプリケーションです。
出会った人々の、ハンドル名、居住地、実名、Twitter ID、コメント、写真を記録できます。
記録内容は、札所別のXML形式のファイルとして、Windows Phone の「Michitomo」フォルダ内に保存されます。
それらのファイルは、PC上に移動すれば、Microsoft Excelやテキストエディタなどでそのまま開くことができ、ソーシャルメディアや年賀状による末永い交流、また、旅日記の執筆にも利用できます。
「道友」のダウンロード先
こちらで公開されています。無料です。
「道友」の機能
トップページのタイルをタップした次のページは、bing Mapsになっています。八十八か所の中で、友と出会った寺のピンをホールドします。
(1) 入力
友だちの情報を入力します。
ハンドル名、居住地、実名、Twitter ID、コメント、Windows Phone で撮影した写真を記録できます。
個人情報に配慮し、必須項目は、ハンドル名と居住地(地域名、国名だけでも可)だけです。
※データはダミーです。
(2) 一覧
登録済みの友だちを一覧表示し、選択により詳細データを表示します。
写真は、90度ずつ回転、拡大縮小、移動、自由回転して確認できます。
(3) 検索
道友には、データベースは搭載していません。選択した寺の情報は、bing で検索できます。
(4) データを全削除
テスト登録したデータや、再巡礼の際に以前のデータを削除できます。
この「道友」は、PROJECT KySSで開発した、1本目のWindows Phone アプリです。
なにしろ初めてのPhone 開発、また、コラボに連携の不備があり、
・Windows Portrait Pageで作ったほうがよい部分をPivotを採用したために、画面遷移が分かりにくい部分がある(開発者なら、ああPivotね、と思うだけですが)。
・bing Maps上で札所を選択してメニューを表示させる方式だが、Windows Phone(au)では、八十八か所の中で一箇所だけ、電波の届かない場所があるらしい。つまり、その一か所では、このアプリは使用できない可能性がある。
・bing Maps上で、札所をホールドしてメニューを表示する部分が直感的に分かりにくい。
・写真をタップして拡大する画面が別ページで、拡大にもユーザーのピンチ操作が必要(これについては、いろいろな機能を実装したい相方と、シンプル・イズ・ベストという私の間で「何が良いUIか」という考えが異なる)
という4つの問題があります。
まぁ一言で言えば、多少、ユーザインタフェースに、まどろっこしい部分があります。
が、Windows Phone のハードウェアおよび接続におけるメリット、
・軽量で場所をとらない。
・紙のノートと違って防水。驟雨に耐える。
・auは比較的接続が良いらしい。四国遍路では山中を歩くが、上記のとおり、1か所を除き、接続可能らしい。
・カーブフリックで日本語入力がしやすい。
・ケータイより大きな画面で、bing検索結果を閲覧できる。
という5つを生かす企画になっており、なにより、
「記録が、XMLファイルとして、ローカルフォルダに保存できる」
これは、「持ち運び可能なPC」であるWindows Phoneを使う、大きなメリットだと考えています。
なにしろXMLファイルですから、再利用が容易。
無償ダウンロード可能なツール「Windows Phone Power Tools」で実機に接続すれば、XMLファイルをPCにコピーでき、Excelやメモ帳で開けます。帰宅後、旅日記が書きやすいです。
ちなみに、この「道友」の菅笠タイルのアイコンも、先日紹介した「道友日本」の富士山タイルのアイコンも、Expression Design で1から描いています。つまりベクトルデータです。
この「道友」は、無料ですので、四国遍路に出かける際には、ぜひ、使ってみてください。
また、ユーザーインタフェースについての改善要求や、機能追加希望などありましたら、コメントをいただければ、今後の開発の参考になりますので、ありがたいです。