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『「やさしさ」の免罪符』を読んで

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林智裕氏の昨年4月出版のノンフィクションで、サブタイトルは『暴走する被害者意識と「社会正義」』です。出版社のWebは、「やさしさ」の免罪符で、以下のように紹介されています。

「優しさ」を掲げた行動は本当に「正しい」のか。原発処理水の風評加害ほか安易な社会正義が引き起こす現代の罠を解き明かす。

福島県の原発事故関係他に関する著者の記事を以前から読んでおり、たまたま本書を知って電子書籍で読みました。

「暴走する被害者意識」に基づく、数々の非難・抽象が書かれており、読んでいて辛くなり、読み通すのに苦労しました。著者に静かな怒りがあるのはもちろん、強い方と思います。

辛かったのは、自分の考え方とは全く違い、腹立たしいからですが、同時に何かの時に自分も同じような行動するかもしれないとの恐怖もありました。
事実は一つだが真実は人の数だけあること、事実の確認と元情報にあたること、を意識していくしかありません。そして、好き嫌いと正誤は違うことを判断できる冷静さを残せるかどうか。最後に、親しい冷静な仲間、僕の場合は妻、ですね。

本書に挙げられた事象が酷くなったのは、明らかにSNS等のサービスが広まってから。それらサービスが無料提供や、収益のために、閲覧数に依存していることが問題なのは明らか。サービス(業者)側が自主管理できないならば、非常に残念ながら、法律で制約するしかないでしょう。

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